コラム: 検便検査(腸内細菌検査)の必要性
食品の製造や飲食業に携わっている方であれば、一度は 「検便検査」 を経験されたことがあると思います。食品の製造業であれば、最低でも年に1〜2回、給食施設などに従事している方であれば、月2回の頻度でなされていることでしょう。
では、なぜこのように食品業界で 「検便検査」 が行われているのでしょうか?
ひとつは、健康保菌者の確認のためとなります。
健康保菌者とは、一見、健康に見えながらも体内に病原体を保有している人のことで、下痢や嘔吐といった症状がなくても、腸管内に食中毒の原因菌を保菌している可能性があります。第三者にその菌が移行した場合に感染してしまう可能性をはらんでいるのです。
さらには、少し体調が優れないときなどの軟便や下痢なども、細菌由来であることも考えられます。
また、食中毒の感染経路を調査するためにも、用いられます。
食中毒が発生したときに、ヒトを介した二次感染によるものなのか、食品の汚染そのものが原因であるのかを探るための手段のひとつとなります。
「ノロウイルス」、「サルモネラ」、「病原性大腸菌O157」 などは、その規模によっては、重篤な症状に至ったり、重大な被害、損失を及ぼしたりする危険性があります。「ノロウイルス」 の検便検査に関しては、主に、先に挙げた 「感染経路を調査するため」 と言った検査意義を含みます。
調理者の便から「ノロウイルス」が検出されれば「食中毒」扱いとなり、発症者の便のみから検出された場合は、「感染症」扱いとなります。こういった場合においても 「検便検査」 が非常に重要な意味合いをもつのです。
さらに、「サルモネラ」 や 「病原性大腸菌O157」 も含み大半の食中毒は、抵抗力の弱い乳児や学童、老人などにおいて特に感染の危険性が高く (少量の菌数で発生する可能性が高く)、感染後の症状も重いのです。
もし、そういった事例が、食品の製造や調理に携わった方のうちの健康保菌者を原因とする二次感染であったならば、 「検便検査」 の定期的な実施によって、未然に防ぐことができたのではと考えられないでしょうか? これまでに、 「検便検査」 を怠ったばかりに「食中毒」が発症した事例も多々あると思われます。
上述の理由からも、今後 「検便検査」 を実施する機会がある方は、自分の体調が食中毒につながるということを意識して望んでみてはいかがでしょか?
< 初出:2007年5月18日 SHOKUKANKEN.Blog >
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