食品表示について

2007年は大手食品メーカーの賞味期限切れ原材料使用事件から始まり、食肉会社の食肉偽装事件と食品会社の不祥事が続きました。このような不祥事が起こる度に、食品会社の倫理的な問題が問われていますが、その事件の違反がどのような法律に対しての違反であるのかをお付き合いのある食品会社に尋ねても明確に答えが出る人は数多くありません。

答えが出ない人の多くは、規模的に従業員が数人から数十人といった範囲で、取引先が数少ない下請け的な仕事が業務の大半を占める会社がほとんどです。答えられなかった会社が悪質でデタラメな作業をしているかといえば、そうではありません。

今回取り沙汰されている食品衛生法やJAS法の改正されている内容について詳しく知らないのです。多くの企業は各業界団体や取引先から情報を入手しているケースが多く、逆に業界団体に属していなく取引先も決まった範囲の物流会社が中心であると外からの情報入手が遅れてしまいます。

悪質に法律違反しているのではなく結果的に違法となる行為が存在する訳です。その原因は恐らく行政側に複雑な食品の流通をきちんと把握している人は少なく、外からの情報入手が少ない会社は食品に関わる全ての法律をきちんと把握している人が少ないことにあると思います。

症状については、下痢、腹痛、発熱、嘔吐、頭痛、悪寒などであり、感染型細菌性食中毒の典型といえます。大抵の場合1週間で治癒しますが、免疫力が低下しているときなどには注意が必要です。また、潜伏時間が一般に2〜5日間とやや長いことが特徴です。

このような問題を軽減させるには、従来の協会団体や量販店に向けた通知やインターネットによる通知手段だけではなく、直接告知するような行政側の努力が最善なのではないかと思います。また、法律自体も食品衛生法やJAS法のように一つの表示に対して互いに部分的に関わった複雑な体系にせずに、統合できるところは統合するようにした方が良いと思います。

食肉会社の食肉偽装事件直後に、ある協会団体が食肉会社の調査にのり出し、悪質な不適正表示はなかったと農林水産省に報告しながらも現行のJAS法では業者間取引は表示義務の対象外であるので、農林水産省は適用範囲の拡大を検討しているという内容の記事を読みました。JAS法では業者間取引は表示義務の対象外でも食品衛生法では対象範囲になっています。

なぜ、食品衛生法で対象範囲であるのにJAS法でも規制しなければいけないのかが良くわかりませんが、法律を複雑にしている原因であるには違いありません。現行の法律では、業務間の不備な表示は食品衛生法違反であるがJAS法違反ではないという場合もあるわけです。当然、状況によってはJAS法だけが関わっている場合もあるわけです。このように表示一つにしても全体像を把握するにはかなり勉強しなくてはなりません。よって、事件を減らすにしても行政等による法律等の周知の徹底や法律自体もわかりやすいように統合していくべきであり、そう簡単に解決が付かず、いくつもの難関があると思います。

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