味に関わるおいしい話② うま味とは?

~「うま味」と「おいしさ」の違い~

「うま味」と、「おいしさを示す、旨味・旨み・うまみ」は、区別して使われています。
「うま味」とは5基本味の中のひとつです。一方で、「おいしさ」とは、料理の見た目(視覚)、香り(嗅覚)、味(味覚)、食感(触覚)、音(聴覚)、食事の雰囲気や環境など、様々な要因が関係している、五感を通じて総合的かつ主観的な評価のことを示します(図1)。
うま味=おいしさとは一概には言えませんが、「うま味」は食べ物の「おいしさ」を生む上で、非常に大切な役割を果たしています。

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図1 食べ物のおいしさと基本味


~うま味に関わる成分~

うま味に関わる代表的な物質としては、「グルタミン酸」、「グアニル酸」、「イノシン酸」が挙げられます。
グルタミン酸はアミノ酸の一種で、イノシン酸・グアニル酸は核酸に分類されます。グルタミン酸は昆布や野菜、チーズなどの発酵食品、みそやしょうゆに代表される発酵調味料などに多く含まれています。イノシン酸は煮干し、かつお節、魚、肉類に多く含まれ、グアニル酸は干しきのこ類に多く含まれています。


~うま味の歴史~
うま味の物質を精製・発見し、基本味の中に第5の味「うま味」を加えることに貢献したのは日本人です。
1908年、東京帝国大学(現東京大学)の池田菊苗博士が昆布だしに含まれる味の成分「グルタミン酸」を発見し、「うま味」と名付けました。
※グルタミン酸自体は1866年にドイツのリットハウゼンによって発見されていましたが、グルタミン酸のナトリウム塩であるグルタミン酸ナトリウムが、強いうま味を有することに気付いたのは池田博士でした。
その後、池田博士の弟子の小玉博士や、國中博士らの日本人研究者により、鰹節からイノシン酸、干し椎茸からグアニル酸が発見されました。


~遊離アミノ酸分析~

弊社では、うま味成分である(遊離)グルタミン酸の分析を行っております。
相談等も承りますので、お気軽にお問い合わせください。
 → 「遊離グルタミン酸検査」


<まとめ>
・おいしさは味以外にもさまざまな要因が関わっているため、うま味=おいしさではありませんが、
「うま味」は「おいしさ」を生む上で、非常に大切な役割を果たしています。
・うま味を引き起こす代表的な物質は「グルタミン酸」「グアニル酸」「イノシン酸」が挙げられます。

参考資料

アミノ酸ハンドブック 味の素株式会社 編  工業調査会
はじめの一歩のイラスト生理学 照井直人 羊土社
日本うま味調味料協会
https://www.umamikyo.gr.jp/knowledge/umami_oishisa.html


『うまみ成分検査』については、こちらをご確認ください。
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