食環研の異物分析機器について

食環境衛生研究所の異物分析では、主に2種類の分析機器を使用して物質の推定を行っております。

1つは有機物を対象とするFTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)です。
FTIRは主にプラスチック、食品の焦げ、動植物の破片などを対象として使用する機器です。
この機器は異物に赤外線を当て、分子構造を測定し、ライブラリの情報と比較することで、どのような物質なのか推定することができます。

写真1:FTIR(左)とAIM-8800(右)
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例えば、あるプラスチックをFTIRで分析すると、資料1上段のような波形が測定されます。その波形に対して、PCがライブラリから類似した波形を下段で提示する仕組みとなっています。この場合、ポリエチレンが最も類似している物質のため、プラスチックがポリエチレンであると推定されます。波形は物質によって異なるため、ポリエチレンやポリプロピレンなど、外観だけでは判別がつかないプラスチックの種類まで推定を行うことができます。

資料1:FTIR分析結果
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2つ目は無機物を対象とするEDX(エネルギー分散型蛍光X線分析装置)です。

EDXは、金属片などの無機物の異物における構成元素を分析する事ができる装置です。異物の構成元素を確認することで、金属がステンレスなのか鉄なのか、またはアルミニウムなのかなどを調べることができます。この分析は非破壊検査のため、検査品を削ることなく行うことが可能です。

写真2:EDX-8000
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例えばある金属片をEDXで分析すると、資料2のような検査結果が出せます。この結果から、金属片はAgを約50%、Pdを約20%、Cuを約15%、Auを約14%含む物質と推定されます。この金属片の場合は、歯科材で使用されるインレー(歯の詰め物)と同等の成分であると判定されます。また観察試験も行うことで、構成元素から考えられる物質の推察を行える場合があります。

資料2:EDX分析結果
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