クロム・セレン・モリブデンとは?どのような元素なのか?

この度、弊社ではクロム、セレン、モリブデンの分析を開始致しました。
それぞれどのような元素なのかについて解説します。

クロムについて

クロムは必須微量元素として知られており、海藻、肉類、魚介類、サプリメントなどに含まれている場合が多いです。
人間の体内では血糖や血圧の調整や、脂質などの代謝に関わっています。
このように体内で重要な役割を果たしているクロムですが、六価クロムという工業的に合成されるクロムは発がん性があります。
自然界に存在する三価クロムは問題ありませんが、六価クロムに汚染された水源・土壌で生産された食品には注意が必要です。
また、下水汚泥肥料では基準値が存在し、クロムとして0.05%となっています。

セレンについて

セレンも必須微量元素として知られており、含有量が高い食品として魚介類が挙げられます。植物や畜産物中のセレン含有量は、土壌中や飼料中のセレン含有量に依存するため環境により含有量が変化します。クロム同様サプリメントにも配合されている場合があります。
セレンは人間の体内で抗酸化作用を発揮することで、活性酸素などから体を守る作用を持ちます。
セレンが欠乏すると筋力低下や心臓機能が弱まることで心不全など引き起こします。
しかし、体内での必要量と中毒量が比較的近く、過剰摂取を続けると爪の変形や脱毛などの悪影響もあるため、摂取量には注意が必要です。
また、飼料においてはセレン入り酵母として添加される場合がありますが基準値が定められており、セレンとして0.3ppmとなっています。

モリブデンについて

モリブデンもクロム・セレンと同様に必須微量元素です。穀類、豆類、大豆製品、サプリメントなどに含まれている場合があります。
人間の体内では多くの代謝機能に関わっており、尿酸の生産や銅の排出に関わっています。
モリブデンの過剰摂取は胃腸障害や、銅の不足による貧血などが発生します。欠乏症に関しては、穀類、豆類の摂取が多い日本人では、通常の食生活で不足する可能性はほとんどないと言われています。

クロム・セレン・モリブデンは食品表示にも使用することが可能です。
製品の付加価値向上などに弊社の分析をお役立て頂ければ幸いです。


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