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コラム: 手洗いについて考える

洗いが食中毒防止の基本となることは、食品に携わっている人であれば誰もが理解していることでしょう。みなさんは普段から手洗い出来ていますか?
以前、一般人の普段の無意識の手の行動について考えさせられた出来事がありました。

HACCP(国際的に認められている食品の衛生管理の方式)の講習会に参加したときのことです。
休憩の時間になると、大抵の参加者はタバコを吸うか、トイレに行くか、という行動でした。私はトイレに行き、手を洗っていると、ある参加者が隣の水道の鏡の前に立ち、髪をセットしなおし、手を洗わずにそのまま出て行ってしまいました。次の人は指先を少し濡らした程度で手を洗い終え、行ってしまいました。
少し観察していたのですが、実際に手をしっかり洗っていたのは、10人中2人だけでした。

講習会の参加者は、もちろん食品に携わる企業・団体の品質管理担当者、従業員を指導する立場の人です。他の講習会でも、やはり指先を少し洗って終える人が大半だったことがありました。
自分も含めて、手洗いの重要性を指導していながら、実際の生活では出来ていないことがある、と再認識させられました。

んなことを考えはじめた頃、東京都の小学校で教員を含め417名のノロウイルスによる集団胃腸炎が発生しました(2005年11月下旬)。
調査の結果、体育館のモップからノロウイルスが検出され、体育館の床がウイルスに汚染されていたことがわかったとのこと。そこから、朝会で床に座っている際に手に付着し感染したと考えられている、という話でした。
ここでの感染経路は、『床 → 手 → 口 ⇒ 感染 』 で、手が感染経路になってしまった一例と言えます。

社でも手指の拭き取り検査(手指に付着した菌の数を測定)を実施しています。ですが、手洗い前より手洗い後の結果が悪いことがよくあります。
手洗い順序はマニュアルどおり正確で、洗剤を使用して、消毒用アルコールも噴霧していても、そのようなときがあります。いったい何が問題なのでしょうか?

それは手洗いにかける時間と洗うポイントにあると言えます。
    (1) 洗う時間が少ない(数秒)ために、雑菌が流されていない
    (2) 手の平と甲のみで指先や爪の間、指の間、親指の周り、手首、手のしわを注意して洗っていない
    (3) アルコール噴霧後、手をバタバタさせ乾燥させるだけで、アルコールの擦り込みが出来ていない
といったことが言えます。

上のことから、手洗いについて、無意識の状態下ではもちろん、意識していても正しく実行しないと、ノロウイルスや病原大腸菌O157などの感染力の強いウイルスや細菌を容易に拡散させてしまう、ということを理解する必要があります。
食品従事者はそれらから身を守るためにも普段から意識し、しっかり時間をかけて手を洗いましょう。

< 初出:2007年3月14日 SHOKUKANKEN.Blog >


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