コラム: サルモネラについて
今回は、ノロウイルスに次ぐ食中毒の発生件数及び発症者数を記録するサルモネラについて報告させていただきます。
サルモネラは、血清型というタイプ分けをすると2000種以上あり、そのなかで、人に病原性を起こすのは1300種あります。ウシ、ブタ、ニワトリなどの家畜は、腸管内に常在菌として保菌しています。また、カメなど爬虫類や、身近なところでは、犬・猫などペットの糞便からも検出されています。
実際に、大分県衛生環境研究センターが、1992-93年にかけて動物病院受診犬と捕獲犬185頭を対象に調べた結果、2.2%の確率で検出されたことが報告されています (同センター年報 第20号,1992年)。
このように自然界のあらゆる場所にサルモネラは生息しています。
サルモネラ(Salmonella )は、腸チフスやパラチフスを起こす 「チフス菌 (S. Typhi)」 や 「パラチフス菌 (S. Paratyphi A)」 のように、人から人への感染力が強いため感染症法の2類感染症 (コレラ、細菌性赤痢と同類) に指定されている菌とそれ以外の菌に分けられます。
それ以外のサルモネラも感染症に指定されていないからといって安心することは出来ません。
実際に、食中毒の原因菌になるのは、それ以外のサルモネラによるものであり、平成16年度の厚生労働省の調べでは、平成17年3月1日時点で、218施設(患者数3575人)となり、発生施設数、患者数ともにノロウイルスに続いて2番目になります。
食中毒の主な原因物質は、家畜から作り出された、肉、乳製品、卵などの加工品によるものであり、その他、乾燥イカ菓子を原因食品とする1500名以上の患者を出した食中毒もありました。
ネズミ、ゴキブリ、ハエなどを媒介としても広がるため、不衛生な状態そのものがサルモネラ汚染の原因及び拡大につながると考えてよいでしょう。
サルモネラ食中毒は、主に、急性胃腸炎であり、潜伏期間は5〜72時間で、水様性の下痢、腹痛、発熱(38℃以上)などでの症状を伴い、死亡率は 0.1〜0.2%になります。
約50%の患者には、回復後2〜4週間の排菌がみられ、また、10〜20%の患者では排菌は数ヵ月に及ぶと国立感染症研究所で報告しています。
このようなサルモネラ食中毒を起こさないためにも食品従事者は、
(1) 定期的な自主検便(保菌の確認)等による自身の健康管理
(2) 手洗いの徹底
(3) 不衛生な食材を扱わず、十分な加熱の実施
(4) 作業場の清潔な環境作り
が大切になります。
< 初出:2007年1月10日 SHOKUKANKEN.Blog >
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