今さら聞けない?意外に多い養豚管理の基本について!(2)

前回お話をさせていただきました養豚管理の基本について、今回はその第2弾として、管理のポイント毎に分けて記載したいと思います。

ポイント(1)

飼料、飲水のチェック

<飼料>

各ステージにあった適性給餌器の設置。
 給餌器の設置数(頭口数)の確認。
 給餌器の損傷確認。
 給餌器の飼料出量の調整。
 飼料こぼしや飼料の腐敗の確認。
 腹部の状態と血色、排泄便状態の確認。

<飲水>

各ステージにあった適性給水器の設置。
 給水器の損傷、設置位置、設置数、飲みやすさの確認。
 給水器の出水圧力の確認。
 水温の確認。
 腹部の状態と血色、排泄便状態の確認。
 水質の確認。

ポイント(2)

分娩舎内での管理。
同一豚房内に適正環境の異なる母豚、哺乳子豚がいるため、両者を同時に満足させる環境管理が重要です。
新生子豚の適温は生時で約36℃、母豚の適温は約18℃です。
特に新生子豚や哺乳子豚へ、風が当たる行為は絶対に避けなければなりません。
子豚の様子を観察しながら(重なり合ってはいないか、母豚の腹の上に寝てはいないか等)、体温低下を防ぐ熱源管理(ブルーダー、コルツヒーター、床暖房、ゴムマットや敷材等)を行います。
下腹部を冷やさないことが下痢の発生を防ぎます。

ポイント(3)

離乳〜子豚期での管理。
<保温と換気>
 この時期は、換気よりも保温が重要です。(ただし、換気を全く行わないという意味ではありません。)
 分娩舎内の温度を基準に最初は温度を確保し、その後徐々に下げていく。換気量を最低にして、相対湿度を高めることが基本になります。ただし、すきま風や子豚の下腹部側に当たる風は換気とは異なります。
<ガス、アンモニアと過湿>
 保温が主体になる子豚でも、ガス、アンモニアの発生は呼吸器系の発生を促します。
 湿度も大事ですが、過湿になると微生物が増殖し、皮膚炎や下痢、関節炎、肺炎等の発生が助長されます。
<下痢の注意>
 細菌やウイルスによるもの、過食によるもの等があり、寒さ等のストレスがそれを引き起こす原因となります。
 豚舎の保温、消毒、飼料の給与量に十分な注意を払います。

ポイント(4)

肥育期での管理。
<温度格差>
 比較差を5度以内(出来れば2度以内)に収めることが必要です。
 室内の温度ばかりではなく、豚が直に感じている体感温度が重要な指標になります。比較差が5℃を超えると、増体の遅れや肺炎、下痢の発生等の事故につながります。
<湿度調整>
 咳き込みや粘膜の抵抗力の低下を防ぐためにも、散水等で適正湿度を確保することが重要になります。
<換気>
 豚舎内に常に新鮮な空気を供給し、冷たい空気が直接豚体に当たらないようにします。

< 初出:ピッグジャーナル 菊池雄一 >

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