痒がる豚はいませんか?~皮膚炎対策の意味~

皆さんの農場で種豚や子豚が痒がり、壁や柵などに体をこすりつける症状はでていませんか?近年は飼養される豚の種類も多く、皮膚色や毛色によっては皮膚炎症とは気がつかない農場も多く見られています。

耳介部や首筋、背中にかけてはっきりとした皮膚炎症状が出ていれば対応も真剣になるのでしょうが、首、足、腹部の内側に炎症がある場合は見過ごす傾向が高くなります。

たかが皮膚炎とは思ってはいないでしょうが、皮膚炎はあまり目立たなく確実に進行していくサイレンサ―的な疾病であるため、そのストレスは想像を超えてあらゆる疾病の温床になり易く、ワクチンや薬剤、飼料の栄養に至るまで効果効能を下げてしまう怖い存在なのです。

◎皮膚炎の原因◎

①疥癬ダニ

②シラミ

③黄色ブドウ球菌(スス病)

④真菌(カビ)

⑤アレルゲン(おがくず、もみ殻、そばがら、廃棄食材など)

⑥乾燥環境、塵埃環境

⑦薬品炎症(豚体消毒薬の濃度不備、洗浄行為の不備など)

◎皮膚炎から起こりやすい弊害◎

①皮膚炎症から来る様々なストレス

②繁殖障害(不受胎、再発、受胎率低下、産子数の低下とばらつき、生時体重の低下とばらつき、流産、早産など)

③離乳体重の低下とばらつき

④虚弱子豚の増加

⑤事故率の増加(肺炎、下痢、発育不良の誘発)

⑥出荷日齢の遅延

⑦枝肉のばらつき

⑧肉質低下

◎考えてほしいこと◎

①種豚、子豚、肥育豚の皮膚状況や行動状況のチェック

②色々な対応は行っているが生産性の改善がイマイチ見られない農場は要注意

③現在行っている外部寄生虫対策の再確認

④外部寄生虫対応資材について

  ・注射タイプ:薬剤の注射量、注射部位、注射時期に注意。効果が半減しやすいこともあります。

※メーカー別で若干使用方法が異なります。良く確かめてください。

・添加タイプ:薬剤の添加量、投薬日数、投薬時期に注意。効果の半減や事故になることもあります。

※メーカー別で若干使用方法が異なります。良く確かめて下さい。

豚体消毒タイプ:薬液の濃度、洗浄・消毒方法、実施時期に注意。

⑤♂豚舎の清掃管理

⑥導入豚舎・自家育成管理舎の清掃管理

⑦ストール舎・交配舎の清掃管理

⑧分娩舎の清掃管理

⑨蛍光灯の清掃、明るさの見直し

 



youtube