アフリカ豚コレラについて

農林水産省により
8月3日中国遼寧省瀋陽市にある養豚場でアフリカ豚コレラの発生が確認
されました。

<状況推移>
8月1日:飼養する383頭の内、47頭が死亡
8月3日:アフリカ豚コレラと確定 残り336頭をすべて殺処分
防疫処置が終わるまで領域隔離、周辺道路の封鎖令を出す。~現在進行中
アフリカ豚コレラの発生はアジア地域では中国が初めてであり、
日本では今までに発生はありません。


アフリカ豚コレラについて下記に記載させていただきます。

<清浄国への侵入事例と日本での対応について>
感染した豚の非加熱畜産物が混入したものが空路、海路で移動し残渣、残飯として養豚に使用されて広がった例がほとんどとされています。
そのため、動物検疫所では定期的に畜産物が適正に処理されているか検査を実施しています。
 それ以外にも、農林水産省では発生国からの肉の輸入禁止措置および
発生国では養豚場への出入を控えるよう注意喚起を行っています。

<感染経路>
1.  ウイルスに感染したダニが豚を吸血することによって感染拡大
2.  感染豚の排泄物、分泌物、汚染物を介した接触感染(主に経口・経鼻感染)
3.  ハエや使用済注射針からの伝播も認められる

<臨床症状>
甚急性~慢性まで症状は様々存在します
1. 甚急性(じんきゅうせい)(急性よりも早く症状が出る):前触れもなく死亡
2. 急性(アフリカ諸国で一般的):発熱(40~42℃)が認められる。食欲減少、
 呼吸困難、嘔吐、出血を伴う便、体表のチアノーゼなどを示し、1週間以内
 に死亡する(100%)
3.  亜急性:慢性呼吸障害、肺炎、関節炎による跛行、壊死性皮膚炎 
  数週~数ヶ月で死亡
4.  慢性型:削痩、被毛粗剛、跛行、皮膚潰瘍 数ヶ月で死亡
5.  不顕性型:感染するが発症せず症状を示さない

<感染性の維持>
血液、血清、糞便中に長期間感染性を維持する
血清:室温で18か月間、4℃で6年間、感染性を有する
血液:37℃で1か月間、感染性を有する
加熱のハムやソーセージなどの加工肉や冷蔵肉では3~6か月間感染性が残るので感染豚の肉処理は70℃・30分以上、または80℃・3分以上で加熱することで感染力を失活させる必要があります

<消毒薬について>
アフリカ豚コレラウイルスはエンベローブを有しており市販されている消毒薬
にて効果があります。
その中でもヨード系(クリンナップ A、ファインホール、バイオシッド30など)
塩素系消毒薬(アンテックビルコン S、クレンテ、スミクロールなど)の使用が
推奨されています。
ダニがウイルスを媒介する場合もあるので、豚舎に対してダニ殺虫剤
(フェニトロチオン製剤、トリクロルホン製剤、プロペタンホス製剤、カルバリル
製剤等)を布することも有効となります。

<治療・防止策>
ワクチン・治療薬はないので、速やかに摘発・淘汰することになります。
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