過去、畜産現場では、抗生物質を餌として使い、通常の繁殖サイクルを保つためにホルモン剤を使用し続けてきました。殺菌を目的に多用される消毒液は、有機物だらけの現場ではほとんど効果がなくなっています。そして、洗い流された消毒液は環境を汚染し続けているのです。
化学物質に依存せず、生産性を維持するため、病原性微生物の薬剤感受性や、家畜の種々病原体に対する免疫力を検査することで、農薬や抗生物質やワクチンの適所かつ適量の使用を目指す動きが、ここ数年広まっています。
畜産における大量の糞尿や、食品に供されない農作物の残渣は、生産者自身の持つ田畑に還元できる量を遥かに超え、廃棄場所不足や誤った処理による悪臭問題・環境汚染問題を随所で引き起こしている現状が認められました。
食環研は、食品加工工場からでる農作物の残渣を有効利用し、家畜の飼料および有機質肥料としての循環資源利用を積極的に進めております。