質量分析法とは?わかりやすく解説①概要
質量分析法(マススペクトロメトリー)
質量分析法(マススペクトロメトリー)は、物質の質量を測定することで、分子量や構造に関する情報を得る方法です。
その原理は、イオン化させた分子を、その質量と電荷の比(m/z)に応じて分離し、検出するもので、イオン化と分離に多くの種類があり、試料の性質に応じて使い分けることでその適量範囲は非常に広いものとなっています。また、分子を壊さずに分子イオンを主に検出する場合と大きなエネルギーをイオン化時に与えて断片化(フラグメンテーション)させることで、より細かな構造情報を得る場合があり、必要とされる情報に適したイオン化法を選ぶことが重要となっています。
もう少し細かく原理を考えてみます。物質は原子や分子が数多く集まってできています。分子は、原子が化学結合することで作られますが、分子も原子自体もとても小さな質量を持っています。これを測定するのが質量分析です。「イオン化部」と呼ばれる部分で原子や分子を気体状のイオンにします。イオンは質量と電荷数によって運動性が異なります。質量が小さく電荷数が高いイオンは動きが素早く、質量が大きく電荷数の小さいイオンは動きが鈍いとされます。イオン化された後に「分析部」という部分に導入されると、そういった性質の違いを利用し質量ごとに分けられます。
そして検出器に到達すると電気的に増幅され、コンピュータでスペクトルの形に変換後、表示されます。
質量分析計の構成
↑質量分析計は、すっきりとした見た目をしていますが、その中身は複雑な構成となっています。
1.試料をイオン化する部分(イオン化部)
2.イオンを質量の違いによって分離する部分(質量分析部)
3.イオンを検出する部分(検出器)
4.スペクトルに変換する部分(コンピューター)
参考文献
1.マススペクトロメトリーってなあに、日本質量分析学会(株)国際文献印刷社刊
2.コンパス 分析化学、南江堂
リンク
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>>質量分析法とは?わかりやすく解説③質量分析部はこちらから
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