(株)食環境衛生研究所(食環研)は、食の「生産者」から「消費者」まで・・・人の「安全・安心」と「命」を守る企業です。 English page | Shoku-Kan-Ken,inc.

どうぞお気軽にお問い合わせください TEL.027-230-3411 営業時間/平日8:30~17:30(土日祝 休)

食環研コラム

トランス脂肪酸とは

トランス脂肪酸とは


脂質の主な成分である油脂は、グリセリンと脂肪酸が結合したものです。これをアシルグリセロールといい、結合する脂肪酸の種類や数(1~3個)によって多くの種類があります。脂肪酸には、炭素の数や二重結合の数などの違いにより、多くの種類があります。このうち、二重結合がないものを飽和脂肪酸、二重結合があるものを不飽和脂肪酸といいます。不飽和脂肪酸には、二重結合のまわりの構造の違いにより、シス型(水素原子が二重結合をはさんで同じ側にあるもの)、トランス型(水素原子が二重結合をはさんで反対側にあるもの)があります。トランス型の二重結合が一つ以上ある不飽和脂肪酸を、まとめて「トランス脂肪酸」といいます。(1)


食品に含まれるトランス脂肪酸の由来


 食品に含まれるトランス脂肪酸には、天然に生じるトランス脂肪酸と、油脂の加工・精製工程で工業的に生じるトランス脂肪酸があります。  天然に生じるトランス脂肪酸は、牛、羊、山羊などの反芻(はんすう)動物の胃に存在している微生物の働きにより、不飽和脂肪酸中のシス型C=C結合の一部がトランス型二重結合に変化して生成されます。 そのため、牛や羊、山羊の肉や乳、その加工品に、トランス脂肪酸が含まれています。  工業的に生じるトランス脂肪酸は、油脂の加工・精製工程のうち、常温で液体の油脂から半固体、固体の油脂を作り出す水素添加※1(硬化処理)という技術や、好ましくない臭いや不純物を除去するために油脂を高温で加熱する脱臭する方法を用いる際に、不飽和脂肪酸中のシス型C=C結合の一部がトランス型二重結合に変化して生成することがあります。(2)

※1 水素添加処理について
不飽和脂肪酸の割合が高い油脂は常温で液体の油になり、逆に飽和脂肪酸の割合が高い油脂は常温で固体の脂肪になることが知られています。そこで、不飽和脂肪酸の割合が高く、常温で液体の植物油や魚油から、常温で固体の油脂を製造する方法の1つとして、不飽和脂肪酸にあるC=C二重結合に水素を付加することで二重結合の数を減らし、飽和脂肪酸の割合を増やす技術があります。この技術によって、酸化による品質劣化がしにくい油脂や、特定の温度で融ける油脂など、様々な特徴を持つ油脂を作ることができます。この技術を「水素添加(硬化処理)」といい、この方法で製造された油脂を「水素添加油脂」といいます。水素添加油脂には、不飽和脂肪酸の全てを飽和脂肪酸にした「完全水素添加油脂」と、不飽和脂肪酸の一部を飽和脂肪酸にした「部分水素添加油脂」があります。完全水素添加油脂にはトランス脂肪酸も含め不飽和脂肪酸は含まれていませんが、不飽和脂肪酸が残っている部分水素添加油脂にはトランス脂肪酸が多く含まれていることがあります。


トランス脂肪酸の健康リスク


 脂質は三大栄養素の一つであり、食品からとる量が少なすぎると健康リスクを高めることがあります。一方で、脂質は炭水化物(でんぷんや糖類)、たんぱく質に比べて、同じ量当たりのエネルギーが大きいため、とりすぎた場合は肥満などによる生活習慣病のリスクを高めることも知られています。そのため、世界保健機関(WHO)は、飽和脂肪酸やある種の不飽和脂肪酸について、食品からとる量の基準を定めています。  トランス脂肪酸については、食品からとる必要がないと考えられており、むしろ、とりすぎた場合の健康への悪影響が注目されています。日常的にトランス脂肪酸を多くとりすぎている場合には、少ない場合と比較して心臓病のリスクが高まることが示されています。国際機関が生活習慣病の予防のために開催した専門家会合(食事、栄養及び慢性疾患予防に関するWHO/FAO合同専門家会合)は、食品からとる総脂質、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸等の目標値を2003年に公表しました。その中で、トランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%に相当する量よりも少なくするよう勧告をしています。日本人が1日にとるエネルギー量の平均は約1,900 kcalであり、この1%に相当するトランス脂肪酸の量は約2グラムです。(3)

食品に含まれるトランス脂肪酸の由来


 「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針(消費者庁)」では、トランス脂肪酸の食品表示は以下のように定められています。(4) 「トランス脂肪酸の含有量の表示においては、名称及び含有量を表示する。表示に当たっては、栄養表示基準に定める一般表示事項(熱量並びにたんぱく質、 脂質、炭水化物及びナトリウムの含有量)に加え、飽和脂肪酸及びコレステロールの含有量を併せて表示する。」 「0(ゼロ)g と表示することができるのは、原則として当該食品にトランス脂肪酸が含まれない場合に限られる。しかしながら、分析精度には、ばらつきがあることから、食品100g当たり(清涼飲料水等にあっては100ml 当たり)のトランス脂肪酸の含有量が 0.3g 未満である場合には、0g と表示しても差し支えない。」

弊社では今回ご紹介した トランス脂肪酸 や 飽和・不飽和脂肪酸組成 を含め様々な栄養成分を検査可能です。 検査のご相談等も承りますので、お気軽にお問い合わせください。

参考文献
(1) 食品中の脂質とトランス脂肪酸濃度, 農林水産省
(2) 食品に含まれるトランス脂肪酸の由来, 農林水産省
(3) すぐにわかるトランス脂肪酸, 農林水産省
(4) トランス脂肪酸の情報開示に関する指針について, 消費者庁



『脂肪酸検査』については、こちらをご確認ください。 → 

                      → 

« 食品衛生法(HACCPの制度化)と罰則 | 食に関するコラム | 石綿(アスベスト)とは? »

検査項目

食品分野
食品分野


1. 食品表示成分検査


2. 安全性確認検査


3. クレーム対応・付加価値検査

環境・衛生分野


1. 衛生検査


2. 環境検査


3. 資材・廃棄物検査

畜産分野

新型コロナ対策(お役立ち情報)

セミナー・イベント情報

お役立ち情報

ISO17025 認定検査

用語辞典

病気

コラム

採用情報

食環研Blog

ページの先頭へ戻る



株式会社食環境衛生研究所

【本社】
〒379-2107 群馬県前橋市荒口町561-21
TEL:027-230-3411 FAX:027-230-3412
【食品医薬品分析センター】
〒379-2104 群馬県前橋市西大室町1228-1
【品質管理センター】
〒379-2106 群馬県前橋市荒子町643-4
【東京オフィス】
〒105-0004 東京都港区新橋1丁目5番5号
国際善隣会館 6階A
TEL:03-6264-5313 FAX:03-6264-5314
【東北営業所】
〒981-3341 宮城県富谷市成田2-3-3
TEL:022-342-9614 FAX:022-342-9615
【高崎営業所】
〒370-3334 群馬県高崎市本郷町66-1

・国際規格 ISO/IEC 17025:2017
・登録衛生検査所 第41号
・計量証明事業 環第51号
・GCP 29動薬第1665号-3
・GLP 元動薬第2730号-3
・GLP 24消安第4322号
・GMP 29製造薬第399号
・GMP 元製造薬第442号
・学術研究機関
・届出伝染病等病原体取扱施設
・実験動物生産施設等福祉認証17-015号
・GMO二種使用等拡散防止措置確認

会社概要
  • 地域未来牽引企業

  • 事業継続力強化計画

  • 採用情報リクナビ