TPPとは?畜産に及ぼすかもしれない影響

TPP(環太平洋パートナーシップ)とは・・・太平洋周辺の国々の間で人、物、サービス、お金の移動をほぼ完全に自由にしようという国際協定。

参加のメリットとは?

・関税の撤廃により貿易の自由化が進み日本製品の輸出額が増大する。
・整備・貿易障壁の撤廃により、大手製造業企業にとっては企業内貿易が効率化し、利益が増える。
・鎖国状態から脱しグローバル化を加速させることにより、GDPが10年間で2.7兆円増加すると見積もられている。

政府の試算では、GDPが年間2700億円増加する見込み。

経済産業省の試算では、TPPに参加しないと雇用が81万人減る。

参加のデメリットは?

・海外の安価な商品が流入することによってデフレを引き起こす可能性がある。
・関税の撤廃により米国などから安い農作物(特に米)が流入し、日本の農業に大きなダメージを与える。
・食品添加物・遺伝子組み換え食品・残留農薬などの規制緩和により、食の安全が脅かされる。
・医療保険の自由化・混合診療の解禁により、国保制度の圧迫や医療格差が広がると危惧されている。

農林水産省の試算では、農業予算は3兆円増やす必要がある。

農林水産省の試算では、TPPに参加すると雇用が340万人減る。
農林水産省の試算では、TPPに参加すると食料自給率が40%→13%に。


畜産への影響

牛肉や豚肉、一部の乳製品では長期的には価格が下落する可能性があるとしています。

牛肉

国内産の和牛の昨年度の平均価格は1キロ当たり2977円、和牛と乳牛を掛け合わせた交雑種の価格は1893円なのに対して、国際価格は633円と大きな差がありますが、品質による差別化が図られているとしています。 

一方、肉用のオスのホルスタインの価格は1251円となっていて、農林水産省では、長期的には輸入牛肉と競合するとして、国内産全体の価格が下落する可能性もあるとしています。
 

豚肉

豚肉は、価格の安い肉にかけている1キロ当たり最大482円の関税を段階的に引き下げ、10年目に50円になります。

国内の畜産農家と競合する安い豚肉ほど関税を高くする今の差額関税制度を維持することや、中国など海外で豚肉の需要が急激に伸び、ほかの輸入国との買い付け競争が激しくなる可能性があることから、当面は輸入の急増は見込みにくいとしています。 
ただ、長期的には関税の引き下げに伴って、価格の安い豚肉の輸入が増えることによって、国内産の価格が下落する可能性もあるとしています。 

参照:農林水産省

youtube