食品の産地判別の方法として、食品中の元素組成を解析することにより、食品の産地(地質)の特徴から判別することが可能です。
日本の地質調査も行われており、化学地図(元素地図)として発表されています。
例えば、
出典:国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター(GSJ)HP
※10/26(土)には、元素で見る『地球化学図』特別講演会があります。
現在、弊社HPに記載のある食材や産地以外も分析を進めて随時更新しておりますので、ご相談いただきたくお願いいたします。
食環境衛生研究所 の従業員が書き込むブログです
食品の産地判別の方法として、食品中の元素組成を解析することにより、食品の産地(地質)の特徴から判別することが可能です。
日本の地質調査も行われており、化学地図(元素地図)として発表されています。
例えば、
出典:国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター(GSJ)HP
※10/26(土)には、元素で見る『地球化学図』特別講演会があります。
現在、弊社HPに記載のある食材や産地以外も分析を進めて随時更新しておりますので、ご相談いただきたくお願いいたします。
スーパーで購入した「アジ(茨城県)」について、各3検体のマイクロプラスチック検査をしました。
<魚介類のマイクロプラスチック検査方法>
〈観察像〉
<結果>
全ての検体において、微細な難消化性組織(甲殻類や鱗片など)は観察されたが、マイクロプラスチックは観察されなかった。
<考察>
今回の調査で市販アジの消化管の内容物からはマイクロプラスチック(5mm未満)およびプラスチック片(5mm以上)は確認されなかったが、アジの消化管の内容物からはプラスチック類に類似した半透明色の甲殻類の組織片や魚類のウロコなどが多く確認され、浮遊するマイクロプラスチックをアジが誤食する可能性は高いものと推察された。マイクロプラスチックの汚染海域はバラツキがあるものと思われ、海流などの条件で汚染海域も変化するものと考えられる。今後も継続して調査をしていきたい。
弊社の「マイクロプラスチック検査」(簡易顕微鏡検査)は、前処理と顕微鏡観察により飲料水や食塩、魚介類の消化管等にマイクロプラスチックが含まれているかどうか、マイクロプラスチックの大きさ、形状、数量を簡易的に判断できる検査です。
※ 検体により納期、価格が変動する場合がございます。あらかじめご相談ください。
詳しくは弊社HP→「マイクロプラスチック検査」
現在、マスコミ等で取り扱っている「マイクロプラスチック」は環境中に放出された5mm以下のプラスチックごみとされています。
マイクロというと1000分の1mm(0.001mm)を想像してしまいますが、「マイクロプラスチック」のマイクロは「とても小さな」という意味で使用されています。
マイクロプラスチックが問題とされているのは、直接的な被害を受けている海洋生物や海鳥などだけではなく、プラスチックに吸着しやすい有害な化学物質(DDTやPCBなど)で汚染された魚介類を食べることによりヒトの健康に影響がでる可能性もあるからです。
弊社の「マイクロプラスチック検査」(簡易顕微鏡検査)は、前処理と顕微鏡観察により飲料水や食塩、魚介類の消化管等にマイクロプラスチックが含まれているかどうか、マイクロプラスチックの大きさ、形状、数量を簡易的に判断できる検査です。
また、「マイクロプラスチック検査」(FT-IR分析による物質同定検査)は、検体に含まれるマイクロプラスチックの観察結果のみでなく、プラスチックの種類などの詳細な検査データをご報告いたします。
※ 検体により納期、価格は変動する場合がございます。あらかじめご了承ください。
詳しくは弊社HP→「マイクロプラスチック検査」
食環境衛生研究所に導入されている「走査電子顕微鏡 JSM-IT100」について紹介いたします。
走査電子顕微鏡(SEM)は医学、生物学、素材開発、金属材料、半導体関連などの分野で利用されおり、金属部品、めっき、電気部品、食品、化粧品、医薬品等、各種工業製品などの材質確認、異物・不良解析に幅広く利用できます。
食環境衛生研究所では、現在までのところ細菌類や昆虫類、毛髪の鑑定などに使用しています。生物試料では前処理を施すことにより20000倍程度まで拡大観察が可能になっています。
今後は昆虫類の亜種などの判別、蜂蜜の中にある花粉の種類、汚染菌の付着状況の観察などにも利用可能と考えてます。
観察例①:酵母菌(20000倍)
観察例②:イヌの毛髄質(1000倍)
さらに、走査電子顕微鏡(SEM)の電子線により発生する特性X線を利用したEDS分析により、観察領域の元素組成の定性、定量分析および元素マッピングが可能です。
現在までのところ、岩石表面の元素組成の観察や食材に混入した金属粉の材質の判別などに使用しています。衣類に付着したPM2.5(2.5μm)程度の物質についても元素分析が可能と考えられます。
分析例:岩石破断面のEDS分析
走査電子顕微鏡(SEM)を使用した解析について、お気軽にお問い合わせください。
食品検査室(イワザキ)
農林水産省から、「国産農産物中のカドミウムの実態調査」の結果について、プレスリリースがありました。
弊社もご協力させていただいた調査事業であるため、ご連絡させていただきます。
国内のカドミウム摂取量の低減対策の効果検証です。
なかなか大きく低減というわけにはいかないようです。
(イワザキ)
今回は弊社で使用しているデジタルマイクロメーターのご紹介です。
デジマチック標準外側マイクロメータ(Mitutoyo)
観察検査の基本である外観形状について、厚み測定用にデジタルマイクロメーターを購入しました。
異物混入サンプル(フィルムなど)の材質が同じ場合の判別において、厚みの測定許容誤差は0.01mm程度だと思いますので、マイクロメーターは必需品です。
外形などの大きさについては、既にご紹介したデジタルマイクロスコープ(KEYENCE)が毎日活躍しています。
ノギスやマイクロメーターの取扱いについては技能検定を取得していますが、デジタルは簡単便利で安心感があります。(イワザキ)
エネルギー分散型蛍光X線分析装置:EDX-8000
おもに異物鑑別で効率的に稼働しているEDX分析装置をご紹介します。
はじめに蛍光X線分析装置の原理とは
試料にX線を照射すると、試料に含まれる原子から固有のX線が放出されます。
このX線は蛍光X線と呼ばれ、各元素で特有のエネルギーを持っていることから、試料中に含まれる元素の組成が定性的に分析できます。
また、蛍光X線の強度を濃度に換算することにより定量的に測定できることになります。
簡単に説明すると、試料の元素組成が分析できる機械ということです。
通常の試験では、試料を目的とした測定に適した状態に処理してからになりますが、今回は500円玉を簡単に測定してみました。
コンパクトな分析装置ですが、試料室は大きいです。
蓋を開けた装置の中央(X線の照射口)に500玉をセットします。
蓋を閉めて分析を開始します。
測定結果は、おもに銅が74%、亜鉛が16%、ニッケルが8%でした。
規格値の組成とほぼ同様の結果が得られました。
実際の異物鑑別では、0.1mm程度の金属粉でも高精度に測定出来ています。
その他、おもちゃや筆記用具の重金属スクリーニング試験等も行っています。
コンパクトで高性能なEDX-8000を今後とも活用していきたいと思います。
(イワザキ)
徐々に異物検査などで活躍し始めたデジタルマイクロスコープVHX-5000(KEYENCE)。
寸法測定のサンプル画像をご紹介します。
ステージ上で撮影できる大きさは、×5レンズで約70mmほど。
(500円玉、100円玉、10円玉を並べたくらいです)
レンズ交換して最大倍率×1000で0.2mmほど。
(10円玉の平等院の鳳凰の頭くらいです)
焦点位置をずらしながら合成撮影できるので、凹凸面などもすべてにピントの合った画像が撮影できます。
また、撮影画像から寸法測定が高精度にできるので、異物や組織の形状確認に役立っています。
特に昆虫の観察では高精度に観察できるのですが、リアル感がものすごいので、ここでのご紹介は控えさせていただきます。
また、いいサンプル画像がありましたらご紹介したいと思います。
次回は、効率的な測定に活躍し始めたEDX-8000をご紹介したいと思います。
(イワザキ)