食品のカビ毒について①

今回は食品の「カビ毒」について。

このカビ毒は、度々輸入品の胡椒やピーナッツ、米等から
検出され、メディアにも取り上げられています。
また日本でも2011年に国産の米が毒性の強いカビ毒である
アフラトキシン類という毒素によって汚染された
事例があります。

先ず、「カビ毒(マイコトキシン)」とは
その名の通り“かび”が産生する化学物質で、
人や家畜の健康に悪影響を及ぼします。
カビ毒の特徴は、①通常の調理や加工温度や時間では
分解が難しく、②非常に毒性が強い点があります。
そのため、一度できてしまうと取り除くことが
非常に難しいのです。

また、カビの場合は繁殖すると肉眼で観測することが
可能ですが、カビ毒の場合は見た目ではわかりません。

カビ毒は、気温と湿度が高い場所で長い間貯蔵や、
不衛生な環境に乾燥・貯蔵することで
農作物にかびを生育するため産生されます。
そのため、かびを発生させない管理が大切です。

しかし、上記にもあるようにカビ毒は肉眼で見ることは
できないため、基準値における機器分析等による測定が
必要になっています。
農林水産省では2002年度から毎年度、カビ毒による
国産農産物の汚染実態の把握のための調査を実施しており、
国内におけるリスク管理も進められています。

次回は、カビ毒の種類とどのような健康被害があるかについて
ご紹介しようと思います。

研究検査部 山田

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