腸内細菌検査①

 食品の製造や飲食業に携わっている方であれば、一度は「検便検査」を経験されたことがあると思います。食品の製造業であれば、最低でも年に1~2回、給食施設などに従事している方であれば、月2回の頻度でなされていることでしょう。では、なぜこのように食品業界で「検便検査」が行われているのでしょうか?
 
 ひとつは、健康保菌者の確認のためとなります。健康保菌者とは、一見、健康に見えながらも体内に病原体を保有している人のことで、下痢や嘔吐といった症状がなくても、腸管内に食中毒の原因菌を保菌している可能性があります。第三者にその菌が移行した場合に感染してしまう可能性をはらんでいるのです。さらには、少し体調が優れないときなどの軟便や下痢なども、細菌由来であることも考えられます。
 
 また、食中毒の感染経路を調査するためにも、用いられます。食中毒が発生したときに、ヒトを介した二次感染によるものなのか、食品の汚染そのものが原因であるのかを探るための手段のひとつとなります。

続く

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です