キャンピロバクターについて②

それでは、「カンピロバクター」食中毒の予防対策には、どのような事柄が考えられるでしょうか?
 大まかに言えば、食品の加熱と2次汚染の防止の徹底という一言に尽きます。鶏を例に考えると農場レベルでの衛生管理の徹底、菌定着の阻止、処理場内、カット工場内での器具やヒトを介した交差汚染の防止などが対応策として考えられます。しかしながら、鶏の場合、糞便による体表汚染が生じやすいことや、腸管などの破損が起こりやすいこと、皮付きで処理されることなど、牛・豚と比較して汚染の可能性が高く、新たな概念の微生物防御法の開発が待たれている状況のようです。
 
 家庭・個人レベルの対策としては、基本的な衛生管理(十分加熱するなど)に注意し、生食などをなるべく避けるといった、対策が考えられます。冬の間は、比較的に発症件数は低いのですが、生肉などを取り扱う際には、十分意識して携わるように心がけましょう。

カンピロバクター食中毒について①

 「カンピロバクター」は、ヒトの食中毒の原因として代表的な細菌の一つであるといえます。今回、「カンピロバクター」の話題を取り上げるのは、代表的な食中毒菌の中でも、取り分け本属菌による食中毒発生件数が増加傾向にあるからです。
 
 代表的な食中毒菌としては、「サルモネラ属菌」「黄色ブドウ球菌」「腸炎ビブリオ」「病原性大腸菌」などが挙げられます。過去10年の国内における食中毒発生件数の推移を見ると、「カンピロバクター」の件数が増加傾向にあることがわかります。平成13年には、それまで最も多かった「サルモネラ属菌」を上回り、平成15年以降は常に第1位を占めています。
 
 「カンピロバクター」と聞くと、まずは、鶏肉を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。確かに鶏料理を介した感染が最も多く、次いで、その他肉料理、牛レバー刺しとなります。但し、本属菌は、家畜、家禽、野生動物の消化管などに生息しており、河川や下水などからも検出されています。ヒトへは、菌に汚染された食品や飲料水を介して感染するほか、保菌動物との接触によっても感染するようです。このようにカンピロバクターは、環境中に広く分布しており、このことが制御を困難にしている原因の一つとして考えられています。又、本邦においては、食肉を生や不完全加熱調理のまま食べる習慣があるために、リスクは、ことさら高くなることと考えられています。

サルモネラ②

(→続き)実際に、食中毒の原因菌になるのは、それ以外のサルモネラによるものであり、平成16年度の厚生労働省の調べでは、平成17年3月1日時点で、218施設(患者数3,575人)となり、発生施設数、患者数ともにノロウイルスに続いて2番目になります。

 食中毒の主な原因物質は、家畜から作り出された、肉、乳製品、卵などの加工品によるものであり、その他、乾燥イカ菓子を原因食品とする1,500名以上の患者を出した食中毒もありました。ネズミ、ゴキブリ、ハエなどを媒介としても広がるため、不衛生な状態そのものがサルモネラ汚染の原因及び拡大につながると考えてよいでしょう。

 サルモネラ食中毒は、主に、急性胃腸炎であり、潜伏期間は5~72時間で、水様性の下痢、腹痛、発熱(38℃以上)などでの症状を伴い、死亡率は0.1~0.2%になります。約50%の患者には、回復後2~4週間の排菌がみられ、また、10~20%の患者では排菌は数ヵ月に及ぶと国立感染症研究所で報告しています。このようなサルモネラ食中毒を起こさないためにも食品従事者は、①定期的な自主検便(保菌の確認)等による自身の健康管理、②手洗いの徹底、③不衛生な食材を扱わず、十分な加熱の実施、④作業場の清潔な環境作りが大切になります。

サルモネラ①

 今回は、ノロウイルスに次ぐ食中毒の発生件数及び発症者数を記録するサルモネラについて報告させていただきます。
 サルモネラは、2,000種以上の血清型があり、そのなかで、人に病原性を起こすのは1,300種あり、ウシ、ブタ、ニワトリなどの家畜の腸管内には常在菌として保菌しています。また、カメなど爬虫類や身近なところでは、ペットの糞便からも検出されています。
 実際に、大分県衛生環境衛生研究センターが、1992-93年にかけて動物病院受診犬と捕獲犬185頭を対象に調べた結果、2.2%の確率で検出されたことが報告されています。このように自然界のあらゆる場所にサルモネラは生息しています。
 サルモネラは、腸チフス(Salmonella Typhi)やパラチフス(S. Paratyphi A)のように、人から人への感染力が強いため感染症法の2類感染症(コレラ、細菌性赤痢と同類)に指定されている菌とそれ以外の菌に分けられます。それ以外のサルモネラも感染症に指定されていないからといって安心することは出来ません。(続く)

最近のラーメン屋

群馬ってラーメン屋多いですよね。
私は九州出身ですのでもともとラーメン屋の多いところにすんでいたのですが
群馬も結構多いのでちょっと驚きました。
よく前橋のラーメン屋をめぐっていたのですが最近のラーメン屋って店の中がきれいですよね。
少し前までは「きたないところがうまい!?」なんて言っていた頃もあったような・・・。
特に小さなお店は目も当てられないようなところもありました。
でも最近は新しいラーメン屋が増えたせいか小さなお店でもそこそこ掃除がいきとどいていた
りして昔のラーメン屋のイメージとは変わってきた気がします。
私のいきつけのラーメン屋もカウンター6席でちょっと無精ひげのオヤジがやっている
小さなお店なのですがトイレが洋式でよく磨かれていたり(笑)そして結構おいしいんですよ!
きれいでおいしかったらいうことなしですよね。SATYの近くの17号沿いのお店です。

でもたまに昔なつかしのちょっと汚い店にも
行ってみたかったりして・・・(笑)。

kankisen

製造所固有記号

先月末、こんにゃく入り食品に製造所固有記号の表示のない商品が出荷されたため、製品回収を行うとのお知らせが新聞に掲載されていました。そもそも製造所固有記号って何だか分かりますか?自分もよく分からなかったので、調べてみました。
 
食品衛生法に基づく表示基準は、原則として「製造所の所在地」及び「製造者の氏名(法人にあっては、その名称。」の表示を義務付けています。『食品衛生法第21条第10項』。
しかし、次の(1)、(2)のような必要がある場合などには、例外的に、あらかじめ厚生労働大臣に届け出た(書類に必要事項を書いて提出するだけです。ちなみに登録料金はかかりません。)製造所固有記号をもって表示できるようにした制度が、製造所固有記号制度です。
(1)本社とは異なる所在地の自社工場で製造した食品に本社の名称、所在地を表示したい場合
→製造所固有記号の表示により、自社工場の所在地に代えて、本社の所在地を表示できます。
(2)製造を他社工場(製造所)に委託している販売者が、自社の名称、所在地を表示したい場合
→製造所固有記号の表示により、委託先他社工場の名称、所在地に代えて、販売者の名称、所在地を表示できます。ただし、その際に表示する販売者の名称、所在地は本社とします。

ただし、乳・乳製品等については、(2)(他社工場の名称、所在地に代えて、販売者の名称、所在地を表示する場合)の製造所固有記号の表示は、認められていません。

実際には、販売者『株式会社 ○○食品 SHO』のSHOの部分で、製造所固有記号は、製造した場所を特定するためのものです。

今回の自主回収は、食品衛生法第19条 『厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、販売の用に供する食品若しくは添加物又は前条第一項の規定により規格若しくは基準が定められた器具若しくは容器包装に関する表示につき、必要な基準を定めることができる。
② 前項の規定により表示につき基準が定められた食品、添加物、器具又は容器包装は、その基準に合う表示がなければ、これを販売し、販売の用に供するために陳列し、又は営業上使用してはならない。』
 による対応でした。

今回、回収した製品(内容物)自体には問題はないということでした。しかし、表示の固有記号の欠落というだけでの製品回収。表示の厳しさを再認識する謝罪広告でした。

コバ

ローカルな話で・・・

 ローカルな話で恐縮ですが、弊社の所在する群馬県で、今年の7月より公衆浴場におけるレジオネラ属菌対策に関する条例が施行されます。

 レジオネラ属菌とは、レジオネラ肺炎の原因とされる細菌で、死亡例も確認されており、非常に重要視しなければならない細菌のひとつです。
 
 土の中や、河川、湖沼などに自然に見られる細菌なのですが、水が滞留する場所やエアロゾルが発生する場所では、増殖や感染の危険性が高くなるという特徴があります。温泉施設などの公衆浴場が、その環境を備えているといえるでしょう。

 ただし、適切な清掃や消毒の方法などを導入している施設では、検出されない事が多く、いかに適切な管理がが出来るかどうかが、レジオネラ属菌の感染を防ぐポイントとなります。

 群馬県は全国的に見ても、非常に温泉施設が多く有名な県です。たとえ、1施設でもレジオネラの発症が出れば、その後の経済的損失は非常に大きいものとなるでしょう。日々の管理方法や検査をしてみたいという方は、ぜひ、弊社へお問い合わせください。

いよいよですが②

つづき→

 ここで注意が必要なのが個々に基準値があるもの、つまり「残留基準」および「暫定基準」(合わせて300位が多い)だけが検査項目として適用、と言うものではなく、まず799項目全てに一律基準値である0.01ppmを当てはめ、「残留基準」および「暫定基準」が定められた項目はそちらを適用する、となっております。つまり対象食品全てに799項目が適用されるのです。  

 また加工食品で「残留基準」および「暫定基準」がないものに関しては、それらが定められている原材料の段階で基準値をクリアしていれば問題なし、加工食品そのものを検査する場合は全項目に一律基準が適用となります。
 
 最後にポジティブリスト制度は、食品に残留する農薬等の分析を食品事業者等に義務づけるものではなく、したがって基準が設けられた物質すべての検査をしなければならないわけではありません。従来からの残留農薬等に対する取組みと同様、「信頼できる事業者と取引する」「使用される可能性のある農薬等の種類や方法、残留基準、違反事例の有無などを確認する」「必要に応じ残留状況について検査する」などの取組みが原材料の安全の確保のために必要になるのです。

 ・・・というわけで2回に分けて、大まかな制度の概要を述べました。但し、~農薬等の分析を食品事業者等に義務づけるものではなく・・・とありますが、実際に食品業界の反応は、そうもいかないようで、検査証明書を添付しなければ取引が出来ない状況が多いようです。

 現実的には、一つの食品について全ての農薬の残留を分析するのは、無理な話ですから、一番ベストな対応方法として、原材料の使用農薬を追跡調査し、それらの項目についての検査を行い、+αで一斉分析を行うということが挙げられます。農薬が適切に使用されているのかをチェックすると共に、使用農薬以外の付着などがないのかをチェックするわけです。

それでも、原材料の種類や購入先によっては、使用農薬の追跡を行うのが非常に困難な場合も多々見られます。その場合は、その作物で登録されている農薬の調査を行うのが、ベターでしょう。

 施行後の食品業界の動向はまだ、若干不透明ですが、弊社も検査会社としてお客様のご利用しやすさを追及していますので、ご興味をもたれた方は、ぜひ本サイトもご覧ください(左上の会社名をクリック!)。

いよいよですが

 平成18年5月29日(月)に「食品衛生法等の一部を改正する法律」により、いわゆる「ポジティブリスト制度」が施行されます。

 この制度は今まで残留基準の定められていなかった農薬、飼料添加物及び動物用医薬品(以下「農薬等」)について新たに残留基準を設定 → 一定量を超えて農薬等が残留する食品の流通の禁止とするものです。

 食品衛生法によると「食品は農薬等が厚生労働大臣の定める量(一律基準:0.01ppm=1億分の1の濃度)を超えて残留するものであってはならない。ただし、別に食品の規格(残留基準)が定められている場合は、この限りでない。」 とあります。
 
 現在対象となる農薬等の数は、人の健康を損なう恐れのないものと規定されている物質を除き799項目、基準値にはポジティブリスト施行前からあった「残留基準」、施行に伴い設定された「暫定基準」および前述の「一律基準」の3種類あり、このうち対象食品毎に個別に基準値があるものが「残留基準」および「暫定基準」、ないものが「一律基準」となります。そして「残留基準」および「暫定基準」が定められた食品は、農産食品・畜水産食品・加工食品等約280種類あります。

(続く;)

今年の春は

すごく短い感じがします。少しあったかくなってきたと思ったら、連日のジメジメとした天候。
もう、梅雨入り?ってかんじですよね。

この季節になって、気温が徐々に上がってくると、食品関係者の悩みのタネとなるのは、昆虫の混入ではないでしょうか。

弊社でも昆虫を含めた異物の同定検査などを行っていますが、やはりこの時期に検査依頼の件数が多いような気がします。

そこで、食品関係者の方へアドバイスを一つ。

①発生源を見つける。
②進入源を見つける。

すごく、初歩的なことで「そんなことかよ」と思われる方が居るかもしれませんが、
結構わかっていても出来ていないことが多いのです。
例えば、ゴミ置き場。キャパオーバーになってあふれていたり、周囲にゴミが散らかって不衛生な状態になっていませんか?
ゴミ置き場などは、昆虫にとってパラダイスです。そのような場所を発見し、衛生的な状態にするのがまず第一歩となります。

進入源についても同じことが言えます。建物内に入るときに、あまり注意をしないで入ったり、気づきにくいところに穴が開いていたり・・・。

ごくごく初歩的な事柄ですが、最近昆虫の混入が多いなぁなんて思っている方は、もう一度確認してみては、いかがでしょうか?