インフルエンザ

1月20日、山形県における養豚農場において、発熱等の症状を示した豚からインフルエンザウイルスが分離されたとの発表がありました。当該ウイルスについて、(独)農研機構動物衛生研究所がH亜型検査(遺伝子解析)及びN亜型検査(遺伝子解析)を実施し、H1N1亜型であり、新型インフルエンザウイルスであることが確認され、同農場では、豚が症状を示す前に管理者にもインフルエンザの感染が確認されていたそうです。当該農場には、感染疑いが確認された1月13日から、飼養豚の移動自粛が要請され、臨床検査・遺伝子検査(PCR検査法)により異常がないことが確認されるまで、飼養豚の移動を自粛するよう山形県から要請されています。
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日本航空が会社更生法適用を申請

日航が会社更生法適用を申請した。
複数ある労働組合が原因とも言われている。
管理職はトップの意図することを理解し、目的を達成するするために下位の人に具体的に説明できていたのだろうか?また、下位の意向をトップに伝えられていたのだろうか?
特に、トップの意向と相反する場合にどのようにするかが管理職の一番難しいことである。
そのまま伝えれば、トップは自分の意向に逆らうと判断し、「クビ」にするかもしれない。しかし、下位の意見を黙殺すれば、やる気はなくなり、組織は停滞する。トップは正しい判断ができなくなり、やがて組織は崩壊するだろう。
管理職は、上意下達と下意上達の答えを求めなければならない。

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動物検疫

家畜を病気から守り、畜産物を安定供給するためには、家畜の病気が国内に侵入することを防ぐことが大切です。また、人畜共通感染症の侵入防止は人を病気から守るために重要です。動物検疫所では、輸出入される動物や畜産物をチェックするほか、海外旅行者のお土産やペットなどのチェックを行っており、海外からの病気の侵入を食い止めています。

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農林水産大臣賞(常盤村養鶏農業協同組合)

常盤村養鶏農業協同組合は農林水産省が設置した国民運動推進組織による食料自給率向上に寄与する事業所などの活動を表彰する「フード・アクション・ニッポン アワード2009」の大賞を受賞しました。また、同時に農林水産大臣賞も受賞されました。
今回の常盤村養鶏農業協同組合の表彰は、養鶏飼料の自給率向上をめざして、地元の休耕地で飼料用米を生産、養鶏に活用する取り組みが評価されたものです。
ちなみに、常盤村養鶏農業協同組合さんは、株)食環境衛生研究所の管理農場で、家禽疾病に対しても万全を期しております。

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口蹄疫が発生

今年、1月7日に韓国の乳牛において口蹄疫が確認されました。
平成14年6月以来の8年ぶりだそうです。

日本国の対応は韓国からの偶蹄類の肉等及び稲わら等の輸入手続きを一時保留し、動物検疫所において、韓国からの旅客に対する靴底消毒等の適切な検疫措置を徹底しているところです。

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消費者の選択

数年前に中国産ギョーザの農薬入り事件報道により、中国産食品の農薬分析依頼が相次いだ。一連の報道によって、中国産食品に対する不信感が招いた結果であると思われます。このように輸入食品に関しての問題は、報道がある度に関心が高まり、同時に消費者に対し不信感を募らせます。

しかし、どんなに不信感を抱いたところで、現状、わが国が中国を含めた諸外国に依存しないで食糧を賄うことは不可能です。農林水産省の調べでは、カロリーベースでわが国の食糧自給率は39%であり、群馬県の食糧自給率は34%と全国よりも下回っています。

つまり、食品の61%は輸入に頼っているわけで、どんなに輸入先の問題を取り上げたところで「もう明日から輸入しませんよ。」とは言えない事情にあります。また、輸入品食品の中でも落花生、ニンニク、キノコ類、蛤及びわかめ等はほとんどが中国産です。わが国に距離的に近く、資源が豊富な中国は当然ながらわが国にとっても依存度の高い国と言えます。

ここで一連の報道から情報を得ている消費者にとってはジレンマが生じるのでしょう。私が思うに、食品に対して国産信仰者の多いわが国では原材料に「国産○○」と表示されていると、それだけで安心に思う人が多いのではないでしょうか。

しかし、実際の国産原材料を使用した食材は数量的に非常に少ない。それにも関わらず、「安く入手したい」と思うのが消費者の更なる欲求でしょうが、食品全体からすると数量割合の少ない国産原材料は当然、価値が上がります。

そもそも、どんなに輸入品を敬遠しても消費者の安値を求めた結果が、労働賃金が日本よりも低い諸外国で加工し、輸入する結果になったといえます。逆に言えば、「安くて、国産○○だけを使用した食品」なんて都合のよい物は存在しないのです。そろそろ消費者も「水」や「医療」等で抱いている「安くて安心・安全」のようなわが国の印象を食品すべてに求めてはいけないのではないでしょうか?

今後の消費者の選択は、数少ない「国産○○」の食品を求めるならば、高い値で買えば良いし、安さを求めるならば、数量の多い輸入品を選べば良いのです。「安くて、数量の少ない国産○○のみ使用」のような無理な要求は、販売者を通してメーカーやその先の原材料供給者や農水産業者の経営をどんどん圧迫させてしまいます。これでは更に食糧自給率を減らす事を招き、消費者のジレンマは今以上に膨れ上がるのではないでしょうか?

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寒い季節

1月に入り寒さも厳しい季節となりました。豚は汗腺の発達が悪く、呼吸と皮膚から水分を蒸発させて放熱します。豚の熱放出は、約20%が床への熱伝導、約40%が空中への放出であるといわれています。寒い時期に熱の放出を防ぐ対策がされないと、体熱維持のために飼料効率が悪くなるので、すきま風の防止や断熱など寒さ対策をしっかり行い、温湿度管理を徹底しましょう。

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今後の養豚管理について。‐HACCP取り組み前の準備‐

HACCP(ハセップ)とは、 Hazard(危害)Analysis(分析)Critical(重要)Control(管理)Point(点)の頭文字をとった略称で、わが国では危害分析重要管理点と訳されています。近年の“食”に対する一連の事件や報道からも注目されているシステムで、養豚業界でも近い将来には重要な位置を占めるようになってくると思われます。
最近は各地域でハセップの講習会が盛んに行われており、講習を受けられた生産者も多いのではないかと思います。今回は養豚生産において重要になる明確、明瞭、安心、安全な食の生産と、それらをいつでも行える心と現場の準備について考えていきたいと思います。
HACCPの起源と目的
1960年代に米国が行なった月面探索を目的とするアポロ計画を進める中で、宇宙食の安全性の確保のために開発。食の安全性を保証する目的で、食品自体の安全性を確保するために行なう衛生管理方式。
HACCPのシステム
食品の生産段階から最終製品までの全工程において、①危害の原因となる原材料又は工程を特定し(危害分析HA)、②危害の発生を防止するための管理基準を設定し(重要管理点CCP)、③手続きに従って重要管理点の監視と記録を行なうことによって危害の発生を防止し、④管理手続きの厳守状況を確認し、食品の安全性を確保するという一連のシステムで形成。
トレーサビリティーとHACCP
トレーサビリティー⇒生産履歴 輸送履歴 加工履歴 輸送履歴 陳列履歴⇒安心。
HACCP⇒生産管理.検査 輸送管理 加工管理.検査 輸送管理 陳列管理.検査⇒安全。
今後の健康管理、疾病対策の考え方
今までは疾病発生後の治療(対処療法)に追われていましたが、これからは疾病を発生させない事前の対応(治療回数の減少、敵を作らない予防衛生管理)が重要。
健康管理、疾病対策の失敗と考え方
失敗例①薬剤:無目的、無考察、多量、多数の薬剤の使用。
失敗例②設備:畜舎構造と設備への不満、言い訳。補修や設備改善の不備。
失敗例③人材:上司、部下、同僚等への愚痴、不平、不満。
失敗例④飼料:飼料内容の未確認。摂取状況の未確認。取り扱いの不備。飼料からの疾病感染。
失敗例⑤飲水:摂取状況の未確認。高圧、低圧による不備。水質検査の未実施。飲水からの疾病感染。
失敗例⑥種豚:種豚の能力(長所、短所)を正確に把握していない。初回交配までの未経産管理を重要視していない。更新、淘汰のバランスが乱れている。
失敗例⑦雄豚:導入先が不規則。生後5~6ヶ月齢頃の導入ではなく、いきなり8ヶ月齢を超える大きさの導入が頻繁。自家更新による劣性遺伝。雄豚への駆虫、疾病対策が行われていない。
実践する健康管理、疾病対策(順不同)
①清潔な飼養環境の提供。(塵埃の汚染を軽減し、適度な湿度を保つ)
例えば種豚舎⇒母豚は全過程の80%近くを種豚舎で過ごす。この時期を分娩舎なみの衛生レベルを保つことが出来れば種豚能力の安定に繋がる。今現在の疾病はほとんどが母子感染で成立。
②過換気(過度の換気量)の改善。
特に子豚舎。導入直後の多すぎる換気量(急な稼働、急な風当たり、乾燥、低温状態等)、この時期は湿度も基準にして管理する事が重要。
③酸素供給量(新鮮空気)の改善。
特に肥育舎。呼吸量が多くなり、食欲が増して増体が加速する時期なのに、十分な量の良い空気が提供されておらず、飼料要求率の悪化、出荷遅延等に繋がる。
④塵埃(飼料ホコリ、糞塵等)汚染の軽減。
病原菌や病原ウイルスは、そのまま剥き出しで存在しているのではなく、媒体となる塵埃(飼料ホコリ、糞塵等)中に多量に存在。
⑤カビ毒への対応。
カビ毒による、繁殖障害、下痢症状、皮膚炎症状、関節炎、股開き等は増加傾向。
⑥飼料管理。
給餌器の種類と数の選択、給餌場所、給餌状況、腐敗等のチェック。
⑦飲水管理。
給水器の種類と数の選択、給水場所、給水状況のチェック、水質検査の実施。
⑧光線管理。
光線管理は、繁殖成績、食欲、日々の管理作業等に対して重要。
⑨ボディコンディション管理。
適正なボディコンを持った母豚は、手間の掛からない、安定した繁殖成績を農場にもたらしてくれる存在。
⑩豚に掛かるストレスの改善。
人や豚に与えている無駄な“ストレス”を如何に少なく出来るかが重要。
⑪適正な薬剤プログラムの選定。
費用対効果の選定。コンプライアンス(法令順守)を厳守した使用。
⑫管理・作業の日々の確認。
“見る”から“観る”への意識改革。常に目的を持ち、疑問に思い、知恵を働かせる事が重要。

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ちょっとした勘違い。-駆虫プログラムの注意点-

近年は昔と異なって衛生状態が良くなったこともあり、各農場で皮膚炎症を起こしている種豚や子豚は見られなくなりましたが、近頃ちらほらですがまた発生が目立って来ているように感じます。
原因としては飼料の栄養バランスの乱れや、炎症などが起こりやすい品種の存在、妊娠期間の清掃不備、近年の異常気象による乾燥環境などがあげられますが、
意外に駆虫対応プログラムの勘違いや失敗が原因になっていることも考えられます。
今回は駆虫プログラムを的確に実施していると安心していた農場の一例を基に、実際に起こった外部寄生虫汚染(疥癬)と内部寄生虫汚染(回虫)について、その発生原因と対応について考えていきたいと思います。
外部寄生虫汚染(疥癬)が発生した農場の概要
①400頭一貫経営の農場、飼養品種はLW、外部導入システム。
②イベルメクチン製剤(注射薬)を使用。
③種豚舎、分娩舎の衛生状態には特に問題が見られない。
外部寄生虫汚染(疥癬)の発生原因として考えられること
①イベルメクチン製剤(注射薬)の注射量不足。体重1kg当たり0.03mlの接種量が必要だが、飼養している種豚の体格が良いのにも関わらず、1回の接種量が5ml/頭になっていた。
②雄豚への接種が行なわれていなかった。
③導入豚(♂、♀)への接種が行なわれていなかった。
外部寄生虫汚染(疥癬)の対応として行ったこと
①イベルメクチン製剤(注射薬)の注射量の再考。
導入時:4ml/頭。初産母豚:6~7ml/頭。経産母豚:7~8ml/頭。雄豚:8~9ml/頭。※あくまでも対象豚の大きさ(体重)から換算することが必要。
②雄豚への接種を実施。導入時に1回接種、その後は淘汰するまで年間2回以上の接種。
③導入豚(♂、♀)への接種を実施。導入後早い時期に1回接種。
内部寄生虫(回虫)が発生した農場
①300頭一貫経営の農場、飼養品種はLW、外部導入システム。
②イベルメクチン製剤(プレミックス)を使用。
③種豚舎、分娩舎の衛生状態には特に問題が見られない。
内部寄生虫汚染(回虫)の発生原因として考えられること
①イベルメクチン製剤(プレミックス)の投薬期間の不備。分娩舎入舎時(分娩予定の3~5日前平均で入舎)での1回投薬法で実施していた。
②雄豚への実施がされていなかった。
③導入豚(♂、♀)への実施がされていなかった。
内部寄生虫汚染(回虫)の対応として行ったこと
①イベルメクチン製剤(プレミックス)の使用プログラムの再考。
導入時:導入後早い時期に7日間のトップドレスにて投薬。
母豚:分娩4週前~3週前の7日間、トップドレスにて投薬。又、非生産母豚の存在
があるので、11月頃の年1回で7日間のみ、種豚群全体にトップドレスによる投薬を追加実施。
雄豚:1回7日間で年間2回以上、トップドレスにて投薬。
②種豚群のプログラムが一順する間、子豚へのイベルメクチン製剤(注射薬)を使用した防除プログラムを実施。※離乳時頃に全頭接種。
総括
外部寄生虫汚染(疥癬)が発生した農場や、内部寄生虫汚染(回虫)が発生した農場において、今回提示した対応を行って貰ったところ、どちらの農場でも顕著に改善が認められました。今回のようなちょっとした勘違いは、折角使用している薬剤自体の無駄にも繋がり、“費用対効果”が薄れてしまいます。今後はこのような勘違いが起こらないように、さらなる確認と説明を行っていきたいと思います。

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