膣カンジダのおりものの特徴は?発症原因や症状・治療法なども解説

「おりものの様子がいつもと違う・・・」
このようなときには多くの女性が不安になります。特に白っぽくポロポロしたおりものが出ていると「もしかしてカンジダかも?」と心配になる方も多いでしょう。

おりものは女性の体調の変化を知らせてくれる大切なサインです。

カンジダによるおりものには、「白くてポロポロとしたカッテージチーズ状」という見た目や状態に分かりやすい特徴があります。

ただし、おりものの状態だけで判断することは難しい場合があり、カンジダ以外でも同様のおりものの状態が確認されることもあります。

この記事では、カンジダのおりものの特徴をはじめ、併発しやすい症状や原因、治療法などを専門的に解説していきます。

おりものの不安や、カンジダの判別について参考になるよう詳しく説明していますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

膣カンジダ症とは

膣カンジダ症とは?

「膣カンジダ症」は、カンジダ(カンジダ・アルビカンス)という真菌(カビの一種)が膣の中で異常に増えることで起こる炎症です。カンジダ膣炎とも呼ばれます。

まず、カンジダ菌は健康な人の皮膚や口の中、腸や膣に常在している菌です。

通常は体の免疫力や膣内の善玉菌(乳酸菌)のバランスによって、カンジダ菌の増殖は抑えられています。

しかし、何らかの原因でこのバランスが崩れるとカンジダ菌が急激に増えて、膣カンジダ症を発症してしまいます。

また、膣カンジダ症の特徴として「再発しやすい」という点があります。一度治ってもホルモンバランスの変化や免疫力の低下が起こると再びカンジダ菌が急増し再発してしまいます。

年に4回以上、再発を繰り返す場合は「再発性カンジダ症」が疑われ、より専門的な治療が必要になるケースがあります。

参考:カンジダ症|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイトホームページ

膣カンジダの原因

前述した通り、膣カンジダ症はカンジダ菌が異常に増えることで発症しますが、その背景にはいくつかの原因があります。

膣カンジダの原因
  • 免疫力の低下によるカンジダ菌の増殖
  • 抗生物質による善玉菌の減少
  • ホルモンバランスの変化による膣内環境の悪化
  • 膣内環境の変化によるカンジダ菌の増殖
  • 性行為によるカンジダ菌の感染

免疫力の低下による発症

免疫機能が低下すると、体内に常在するカンジダ菌の増殖を抑制することができなくなります。

具体的には、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかった時や睡眠不足や過労が続いた時、強いストレスを感じている時などに免疫力が低下し、カンジダ菌が増えやすくなります。

また、糖尿病の方は高血糖状態によって免疫機能が低下しやすく、さらにカンジダ菌が糖分を栄養源として増殖しやすいため、膣カンジダ症を発症しやすい傾向があります。

抗生物質による影響

抗生物質は細菌感染症の治療に用いられますが、病原菌だけではなく膣内の善玉菌である乳酸菌も減少させてしまいます。

膣内の乳酸菌が減ると、カンジダ菌の増殖を抑える働きが弱まり、膣カンジダを発症しやすくなります。

そのため、免疫を抑える薬やステロイド薬を長期間使っている方は、カンジダ症になりやすい傾向があります。

また、風邪や膀胱炎などで抗生物質を服用した後に膣カンジダを発症するケースは珍しくありません。

ホルモンバランスの変化

女性ホルモンのバランスが変化すると、膣内環境も影響を受けます。

妊娠中は特にエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が増加し、膣内のグリコーゲン量がふえることでカンジダ菌が増殖しやすい環境になります。

また、月経前後のホルモン変動時期や、ピルを服用している場合も膣カンジダを発症しやすくなります。

更年期においてもホルモンバランスの変化により発症リスクが高まります。

膣内環境の変化

膣内を洗いすぎることで、本来バリア機能を持つ膣内の正常な細菌叢が乱れ、カンジダ菌が増殖しやすくなります。

特にビデや膣洗浄剤を頻繁に使用すると、膣内の自浄作用が低下します。

また、ナプキンやおりものシートを長時間交換せずにいると、蒸れて湿度が高くなり、カンジダ菌が繁殖しやすい環境になります。

通気性の悪い下着やきつい衣類も同様に蒸れの原因となります。

性行為による感染

膣カンジダは主に自己感染ですが、性行為を通じてパートナーから感染する可能性もあります。

特に男性がカンジダ菌を保有している場合、性行為によって女性の膣内にカンジダ菌が移行し、発症につながることがあります。

男性パートナーで包茎の方や糖尿病の方は、亀頭や包皮の内側にカンジダ菌が繁殖しやすい傾向があります。

女性が繰り返しカンジダ症を発症する場合、パートナーの検査と治療も検討すべきケースがあります。男性の症状としては、亀頭の赤み、かゆみ、白いカス状の付着物などが見られることがあります。

その他の要因

その他の膣カンジダの発症要因として妊娠や糖尿病、ステロイド剤の使用、免疫抑制剤の投与、HIV感染などによって免疫機能が低下するなどが挙げられます。

実際、妊娠中の女性は通常の1.5〜3倍カンジダ症を発症しやすいというデータがあります。

また、肥満の方は皮膚のひだに湿気がこもりやすく、カンジダ菌が繁殖しやすい環境になります。

参考:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9329029/

膣カンジダ症が疑われる症状

膣カンジダの症状は多岐にわたり、その程度も人によって異なります。

そのため、症状一つを見て断定することは難しいですが、早期治療をするための目安として典型的な症状を知っておくことは大事です。

どのような症状が膣カンジダ症の可能性があるのか、順番に解説していきます。

おりものの変化や異常

膣カンジダ症では、通常のおりものとは明らかに異なる、白くてポロポロとしたカッテージチーズ状または酒かす状のおりものが出ます。

このおりものは粘度が高く、ヨーグルトのような質感をしていることもあります。

また、おりものの量が増えることも多く、下着に付着して気になることがあります。

※おりものの量や性状には個人差があり、必ずしも典型的なカッテージチーズ状にならないこともあります。

外陰部と膣のかゆみ

最も特徴的な症状が、外陰部と膣のかゆみです。

このかゆみは非常に強く、我慢できないほどの不快感を伴うことが多いです。

特に夜間や入浴後に症状が強くなる傾向があります。

かゆみは外陰部全体に広がることもあれば、膣の入り口付近に集中することもあります。

かゆみのために掻いてしまうと、皮膚が傷つき炎症が悪化し、さらにかゆみが増すという悪循環に陥ることもあります。

外陰部の赤みや腫れなどの炎症

外陰部の炎症が起きると、周囲が赤く腫れ、ヒリヒリとした強い灼熱感や痛みを感じることがあります。

特に排尿時には、尿が炎症を起こしている皮膚に触れることで “しみるような鋭い痛み” が生じやすく、これが大きな不快感につながります。

この痛みは膀胱炎のように尿を出す時の内側の痛みではなく、尿が外陰部の炎症部位に触れた瞬間だけ強くなる という点が特徴です。

症状が悪化すると、外陰部の皮膚がただれてしまったり、細かな亀裂が入ったりして、ピリピリ・ズキズキした痛みが長時間続くこともあります。

焼けるようなヒリヒリ感が持続し、下着とのこすれや入浴時のお湯でも刺激を感じる場合があります。

このような状態では、日常生活での動作や排尿のたびに痛みが増し、非常に辛く感じられることも少なくありません。

性交時の不快感や痛み

膣の炎症により、性交時に痛みや不快感を感じることがあります。これは膣粘膜が炎症によって敏感になっているためです。

また、性交後に症状が悪化することもあります。

膣の乾燥感

カンジダ感染によって膣粘膜が炎症を起こすと、潤いが失われて乾燥感を覚えることがあります。

この乾燥感により、日常生活でも違和感を感じることがあります。

においの変化

膣カンジダでは、細菌性膣症やトリコモナス膣炎のような悪臭はほとんどありません。

発酵したような軽い酸っぱいにおいを感じることはありますが、強いにおいではありません。

もし強い悪臭を伴う場合は、カンジダ以外の感染症を合併している可能性があります。

軽症の場合や無症状の場合

すべての人が強い症状を示すわけではなく、軽いかゆみやおりものの変化だけで済む場合もあります。

また、カンジダ菌が膣内に存在していても、まったく症状が出ない「保菌状態」のこともあります。この場合は治療の必要はありません。

カンジダ特有の症状?白いおりものが出たら要チェック

カンジダ特有の症状?白いおりものが出たら要チェック

白いおりものが出たからといって、必ずしもカンジダとは限りません。

しかし、カンジダの最も特徴的なサインの一つが白いおりものであることは確かです。

そのため、色だけではなくその他の性状やにおいなど、さまざまな角度からおりものをチェックすることが望ましいです。

この項目では、正常なおりものとカンジダによる白いおりものを見極めるためのチェックポイントを詳しく解説します。

正常なおりものとの違いを見極める

まず、正常なおりものは、膣から分泌される粘液や、剥がれ落ちた細胞、子宮頸管からの粘液などが混ざったもので、体にとって必要な生理的な分泌物です。

正常なおりものの特徴
  • 色:透明〜乳白色
  • 性状:やや粘り気がある
  • におい:わずかに酸っぱいにおいがあるが、不快な悪臭はない
  • 量:個人差があり、月経周期によって変わる(特に排卵期には透明で伸びるおりものが増える)

健康なおりものは透明から乳白色で、サラサラまたは少し粘り気がある程度ですが、カンジダのおりものは明らかに異なります。

恥垢とカンジダのおりものの違い

恥垢とカンジダによるおりものは、どちらも白い物質として見えるため混同されがちですが、全く別のものです。

恥垢とは 外陰部の皮膚から出る皮脂、汗、剥がれた角質、尿やおりものなどが混ざって溜まったものです。

特に小陰唇と大陰唇の間、陰核(クリトリス)の周りの溝などに溜まりやすく、白色〜黄白色のペースト状や粒状の物質として見られます。

恥垢自体は病気ではなく、誰にでもできる生理的なものですが、清潔にしていないと溜まって悪臭や炎症の原因になることがあります。

カンジダのおりものとは 膣の中から出てくる病的な分泌物で、カンジダ菌の増殖と炎症の結果として作られます。

膣の内部から出てくるという点が、外陰部の表面に溜まる恥垢との根本的な違いです。

【見分け方のポイント】
  • 【場所】恥垢は外陰部の特定の場所(溝やひだ)に付着しているのに対し、カンジダのおりものは膣の中から流れ出て下着に付きます。
  • 【除去方法】恥垢は水やぬるま湯で洗えば取れますが、カンジダのおりものは洗っても膣の中から次々と出てくるため、治療しないと止まりません。
  • 【症状】カンジダ症では強いかゆみ、赤み、腫れなどの炎症症状を伴いますが、恥垢が溜まっているだけではこうした強い症状は通常出ません。

カンジダによるおりものの特徴

カンジダによるおりものには、いくつかの特徴的な性状があります。

その特徴を知ることで、自分の症状がカンジダによるものかどうかを判断する手がかりになります。

カンジダによるおりものの特徴を以下まとめてみました。

カンジダによるおりものの特徴
  • 白色(正常なおりものより明らかに白い)
  • ポロポロとしたカッテージチーズ状、酒粕状
  • 強い悪臭はない
  • 増えることが多い

具体的には、カッテージチーズを崩したようなポロポロとした塊状、または日本酒を作る際にできる酒かすのような白い塊が混じったおりものが特徴的です。

この塊は指で触るとモロモロと崩れる質感があります。また、ヨーグルトのようなどろっとした白いおりものとして現れることもあります。

重要なのは、このおりものが均一ではなく、塊と液体が混ざった状態になっている点です。

下着やトイレットペーパーに付着した際に、白い塊が確認できたら、カンジダの可能性が高いと考えられます。

ただし、排卵期には透明な粘液性のおりものが増えますし、月経前には白っぽいおりものが増えることもあります。

これらは生理的な変化であり、カンジダとは異なります。

カンジダのおりものは、生理周期に関係なく突然現れ、特徴的な塊状の形状を持つ点で区別できます。

見た目や粘度状態は「カッテージ状」

見た目や粘度状態は「カッテージ状」

カンジダ症で最も特徴的なのが、白色でポロポロとした「カッテージチーズ様」「酒粕様」と表現されるおりものです。

なぜこのような性状になるのか カンジダ菌は、酵母の形態と菌糸(糸のような形)の2つの形態を取ります。

膣の中で増殖する際、この菌糸が伸びて膣分泌物や白血球、剥がれた細胞などを巻き込んで固まりを作ります。

これがマクロで見るとポロポロとした白い塊として見えるのです。

具体的な性状
  • 白色の小さな塊〜粒状
  • カッテージチーズ、おから、酒粕のような見た目
  • 粘り気はあるが、指で伸ばそうとすると伸びずにポロポロと崩れる
  • 正常なおりものと比べて明らかに白く、塊がある

ただし、すべての方がこの典型的なカッテージチーズ様のおりものを示すわけではありません。

感染の程度や炎症の強さ、個人の体質によって、おりものの性状は変わります。水っぽいおりものやクリーム状のおりものの場合もあり、見た目だけでは判断できないこともあります。

いつもと違う白いおりものに気づいたら、他の症状(かゆみなど)と合わせてカンジダを疑うべきです。

おりものの色は「白〜黄色」

カンジダによるおりものの色は、基本的には白色です。

カンジダ菌自体が白っぽい色をしているため、その増殖によって生じるおりものも白色になります。真っ白というよりは、乳白色〜オフホワイトといった色合いが一般的です。

炎症が強い場合や、白血球が多く混じっている場合は、おりものが薄い黄色〜クリーム色を帯びることがあります。

また、時間が経過したおりものが下着に付着して酸化すると、やや黄色っぽく見えることもあります。

月経前後や月経期間中にカンジダを発症した場合は、経血が混じることで、ピンク色や薄い茶色に見えることもあります。

この場合、カンジダのおりものなのか、月経によるものなのか判断が難しくなることがあります。

他の色の場合は要注意
  • 【灰白色で魚臭いにおいがある場合】細菌性膣症の可能性
  • 【黄色〜黄緑色】膿のような場合は、淋菌やクラミジアなどの性感染症の可能性
  • 【茶色や血が混じる場合】他の婦人科疾患の可能性

おりものの色だけで判断せず、においや性状、随伴症状と合わせて総合的に判断することが大切です。

においは「強くない」

カンジダのおりものの特徴として、においが強くないという点が挙げられます。これは他の膣感染症と鑑別する上で重要なポイントです。

健康な膣は弱酸性に保たれており、乳酸菌の働きによって軽い酸っぱいにおいがするのが正常です。

カンジダの場合も、この正常な酸っぱいにおいか、あるいはそれに加えて発酵したようなわずかなにおいを感じる程度です。パンやビール酵母のような、ほのかな発酵臭と表現されることもあります。

重要なのは、不快な悪臭ではないという点です。魚が腐ったようなにおい、生臭いにおい、アンモニア臭などの強い悪臭は、カンジダではほとんど見られません。

もし、おりものから強い悪臭がする場合は、カンジダ以外の感染症の可能性を考える必要があります。

例えば、細菌性膣症では魚の腐ったような悪臭が特徴的ですし、トリコモナス膣炎でも悪臭を伴うことが多いです。

また、子宮内感染や子宮頸がんなどの重大な病気でも悪臭を伴うおりものが出ることがあります。

ただし、においの感じ方には個人差があり、自分では気にならなくても、他人から指摘されることもあります。

また、月経前後や性行為後など、ホルモンバランスや膣内環境の変化によって、においが一時的に強くなることもあります。

カンジダのおりものでにおいが気になる場合、それは量が多くて下着が湿った状態が続くことによる蒸れのにおいであることも多いです。

この場合は、おりものシートをこまめに交換し、通気性の良い下着を着用することで改善します。

つまり、カンジダのおりものはにおいが弱いか、軽い酸っぱいにおいがする程度であり、強い悪臭を伴う場合は他の病気を疑う必要があります。

白いおりものと強いかゆみがあり、においがほとんどない場合は、カンジダの可能性が高いと判断できます。

おりものの量は増える傾向がある

カンジダに感染すると、おりものの量が増えることが多いです。

これは、膣粘膜の炎症反応によって分泌物が増加するためです。

通常、おりものの量は生理周期によって変動します。

排卵期には透明で粘り気のあるおりものが増え、月経前には白っぽいおりものがやや増える程度です。

また、性的興奮時にもおりものは増えます。これらは生理的な変化であり、心配する必要はありません。

しかし、カンジダによるおりものの増加は、こうした生理的な変化とは異なります。

生理周期に関係なく、突然おりものが増え、その状態が続くのが特徴です。量としては、下着が湿って気になるほど、または頻繁におりものシートを交換しなければならないほど増えることがあります。

おりものの量が増える理由は、カンジダ菌の増殖によって膣粘膜が刺激され、炎症反応が起こるためです。体は異物や刺激を排出しようとして分泌物を増やすため、結果としておりものが増加します。

ただし、すべてのカンジダ症例でおりものが大量に出るわけではありません。

症状が軽い場合や初期段階では、おりものの量はあまり変わらず、質の変化(白くてポロポロとした塊が出る)だけが目立つこともあります。

逆に、重症の場合は大量の白いおりものが流れ出るように出ることもあります。

カンジダに感染していてもおりものの増加がない事もある

カンジダに感染していても目立ったおりものの増加がみられないケースも存在します。この場合、強いかゆみや外陰部の炎症だけが症状として現れることがあります。

カンジダ菌が主に外陰部で増殖し膣内への影響が少ない場合に、このような症状パターンになることがあります。

重要なのは、おりものの量だけでなく、質の変化や他の症状(かゆみ、炎症など)も合わせて総合的に判断することです。

おりものが急に増えて、白いおりものや塊が見られ、強いかゆみがある場合は、カンジダの可能性が高いため、医療機関を受診することをお勧めします。

一方で、おりものの量が増えていても、透明または乳白色で、かゆみや炎症がなく、においも正常であれば、生理的な変化や他の原因(排卵期、妊娠初期など)の可能性があります。

この場合も、心配であれば医師に相談するのが良いでしょう。

おりものに異常を感じたら「おりもの検査」をしよう

おりものに異常を感じたら「おりもの検査」をしよう

おりものの異常を感じたら、自己判断せずに医療機関でおりもの検査を受けることが大切です。

おりもの検査は簡単で痛みもほとんどなく、正確な診断と適切な治療につながります。

おりもの検査はどんな検査をする?

おりもの検査(帯下検査)は、膣内から分泌物を採取し、感染症や炎症の原因となる微生物・状態を調べる検査です。

おりものの変化がある場合に行われ、細菌・真菌・原虫などさまざまな病原体の有無や膣内環境を総合的に診断できます。

検査自体は数分で終わり、痛みもほとんどありません。

おりもの検査の流れ
  • 婦人科の診察台に座る
  • 膣鏡(クスコ)で膣を開く
  • 綿棒状の器具でおりものを採取する
  • 採取した検体を検査へ
検査で分かること
  • カンジダ菌の有無・量
  • 細菌の種類と量
  • 白血球の量(炎症の程度)
  • 膣内のpH
  • 性感染症の有無

顕微鏡検査では、その場でカンジダ菌の菌糸や胞子を確認できることもあります。培養検査の結果は数日〜1週間程度かかりますが、より正確な診断が可能です。

おりもの検査の費用について

おりもの検査は保険適用となるケースがほとんどです。

初診料・診察料を含めて、3割負担の場合は以下が目安となります:

・ 顕微鏡検査のみ: 約1,500〜2,500円
・培養検査を含む場合: 約3,000〜5,000円

症状があり医師が必要と判断した検査は保険適用されますが、症状がない状態での検査(検診目的)は自費診療となる場合があります。

カンジダ症の治療法

カンジダ症の治療は、抗真菌薬を使って行います。

放置するとかゆみやおりもの異常が長引いたり、再発を繰り返すこともあるため、早めに適切な治療を受けることが大切です。

適切に治療すれば、ほとんどの場合1〜2週間で症状は改善します。

基本的には抗真菌薬による治療(内服・外用)となりますが、日々患部を清潔に保つことも重要とされます。

参考:MSDマニュアル|カンジダ症

膣錠による治療が基本

カンジダ症の第一選択治療は、膣の中に入れる膣錠(腟坐剤)です。

膣錠とは 抗真菌成分を含む錠剤を膣の奥に挿入する治療法です。

主に使われる薬剤には、イミダゾール系抗真菌薬(クロトリマゾール、ミコナゾール、イソコナゾールなど)があります。

膣錠の種類と使い方
  • 1日1回タイプ:6日間連続で使用
  • 1回タイプ:1回の挿入で効果が持続(徐放性製剤)

医師が膣錠を挿入してくれる場合と、自分で挿入する方法を指導される場合があります。

自己挿入の場合は、手を清潔にしてから、膣錠を人差し指で膣の奥(指の第二関節くらいまで)に入れます。

膣錠治療の効果 直接病変部に薬剤が作用するため、効果が高く、副作用も少ないのが特徴です。多くの方は治療開始後2〜3日で症状が軽減し始め、1週間程度で症状がほぼ消失します。

外用薬(塗り薬)との併用も効果的

外陰部のかゆみや炎症が強い場合は、膣錠と併せて外用薬(クリームや軟膏)を使用します。

膣錠の種類と使い方
  • 抗真菌薬クリーム:カンジダ菌を直接殺菌します
  • ステロイド配合クリーム:炎症やかゆみを素早く抑えます

外陰部を清潔にした後、1日2〜3回、薄く塗布します。

かゆみが強いからといって頻繁に塗りすぎると、かえって皮膚を刺激してしまうことがあるので、用法用量を守ることが大切です。

内服薬が必要なケースもある

膣錠だけでは効果が不十分な場合や、再発を繰り返す場合、妊娠中で膣錠が使いにくい場合などは、抗真菌薬の内服薬を使用することがあります。

主な内服薬 フルコナゾール(ジフルカン)などのトリアゾール系抗真菌薬が使われます。通常、150mgを1回服用、または50〜100mgを1日1回、数日間服用します。

内服薬の利点と注意点 全身から薬が効くため、外陰部や膣だけでなく、腸管などに潜むカンジダ菌にも効果があります。

ただし、肝機能障害のある方や妊娠中の方は使用できません。また、他の薬との相互作用に注意が必要です。

治療期間中の注意

治療の効果を高めて再発を防ぐために、医師の指示なく治療を止めてはいけません。

自己判断で治療をやめると、カンジダ症の再発リスクが高まります。

症状が少し改善したと思っていてもカンジダ菌が完全に減っているとは限りませんので、必ず医師の判断で治療の止め時を決めることが重要です。

また治療中は生活習慣の改善や患部のケアも同時に行うことが大切です。

デリケートゾーンのケア
  • 通気性の良い綿の下着を着用する
  • きつい衣服は避ける
  • 生理用ナプキンはこまめに交換する
  • 外陰部は石鹸で優しく洗い、膣内は洗わない
  • 入浴後はよく乾かす
生活習慣の改善
  • 十分な睡眠とバランスの良い食事で免疫力を保つ
  • ストレスを溜めない
  • 糖分の取りすぎに注意(特に糖尿病の方)

性交渉についてですが、治療中は控えることが推奨されます。完治するまで待つことで、パートナーへの感染リスクも減らせます。

治療終了の判断基準

一般的に、以下の条件が揃った時点で治療終了と判断されます。

  • 自覚症状(かゆみ、おりもの異常)が完全に消失している
  • 診察で外陰部や膣の炎症が治まっている
  • 可能であれば、おりもの検査でカンジダ菌が検出されない、または正常範囲内まで減少している

多くの場合、治療開始から1〜2週間で上記の状態になりますが、症状が重い場合や再発を繰り返している場合は、3〜4週間かかることもあります。

症状がなくなったからといって自己判断で治療を中断すると、2〜3週間後に再発するケースが多いため、必ず医師の指示に従ってください。

カンジダは自然治癒する?放置しても大丈夫?

カンジダ症は自然に治ることもありますが、基本的には治療が必要な疾患です。

軽症であれば一時的に自然に落ち着くこともありますが、多くの場合は症状が長引く、悪化する、再発するという経過をたどります。

また、カンジダの放置には以下のようなリスクがあります。

カンジダ放置によるリスク
  • かゆみやおりものの異常が長期化し、日常生活に支障が出やすい
  • 自己判断で放置すると、ほかの疾患(クラミジア、トリコモナス、淋菌など)を見逃す可能性がある
  • 慢性化するほど治りづらくなることがある
  • 妊娠中の場合、悪化すると分娩時に赤ちゃんへ感染するリスクがある

おりものから自分でカンジダ症を検査できる?

おりものに異常があると、「これって膣カンジダ症?」と不安になる方はとても多いものです。

実際、膣カンジダ症では ぽろぽろ・ヨーグルト状のおりもの がみられることが一般的です。

ただし、似た症状を示す 細菌性膣症 や クラミジア感染症 などもあるため、おりものだけで自己判断するのはとても難しい というのが現実です。

とはいえ、

「仕事が忙しくてすぐ病院に行けない」
「おりものの悩みを誰かに知られるのは恥ずかしい」

と感じる方も多いでしょう。

そんなときに役立つのが 郵送型のカンジダ症検査キット です。

自宅でおりもの(膣分泌物)を採取するだけでよく、匿名性が高いため、人目を気にせず検査できます。

結果も数日で届くため、“おりものの異常が何なのか”を早い段階で確認できる のが大きなメリットです。

もちろん、陽性だった場合や、かゆみ・腫れなどの症状が強い場合には、必ず産婦人科・婦人科での受診と適切な治療が必要です。

検査キットはあくまで、「このおりものの異常は病院へ行くべきかどうか?」を判断するための第一歩 として活用すると良いでしょう。

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カンジダにおけるおりもののよくある質問

おりものが水っぽいけれどカンジダ症?

カンジダのおりものは“ぽろぽろ・ヨーグルト状・白く濁る”が典型的で、水っぽさはむしろ非典型です。

水っぽいおりものの場合は以下の疾患がむしろ疑われます。

カンジダ放置によるリスク
  • クラミジア感染症:無症状〜水っぽいおりもの
  • トリコモナス膣炎:泡立ち・悪臭・黄色〜緑色
  • 細菌性膣症(BV):水っぽい・生臭いにおい

このように、「水っぽいおりもの=カンジダ」とは一概に言えません。

水っぽさで悩んでいる場合は、他の性感染症の疑いを除外するために医師の診察を強くおすすめします。

おりもののにおいが強い場合はカンジダ症?

カンジダのおりものは「においがほぼ無い」点が特徴です。
したがって、以下のようなにおいがある場合は、カンジダ以外の疾患の可能性が高くなります。

カンジダ放置によるリスク
  • 生臭い・魚のようなにおい → 細菌性膣症
  • 強い悪臭 → トリコモナスや他の感染症
  • 腐敗臭・出血混じり → 子宮頸部の異常

「強いにおい+異常なおりもの」は自己判断が難しいため、早めの検査が安心につながります。

まとめ

膣カンジダ症によるおりものは、白くポロポロとしたカッテージチーズ状で、同時に強いかゆみが特徴的です。

おりものの異常に気づいたら、状態の確認をはじめ、その他の症状を冷静に分析し早めに婦人科を受診しましょう。適切な検査と治療により、ほとんどの場合1〜2週間で症状は改善しますので、自己判断で放置などはしないよう注意が必要です。

ただし、年に4回以上再発する場合は、背景に糖尿病などの基礎疾患がないか、生活習慣に問題がないかを含めて、より詳しい検査と治療計画が必要になります。

また、カンジダ菌は常在菌であるため、完全に予防することは困難ですが、免疫力の維持、適切な衛生管理、抗生物質使用時の注意などで発症リスクを下げることができます。

カンジダ症は決して恥ずかしい病気ではありません。多くの女性が経験する一般的な疾患ですので、気になる症状があれば気軽に医療機関に相談してください。

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この記事を書いた人

臨床検査技師
所属学会
・日本臨床衛生検査技師会
・日本性感染症学会

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