今回は「保存料」について。
具体的な物質名としてはハムや清涼飲料等に入っている
「ソルビン酸」や「安息香酸ナトリウム」が有名どころでしょうか?
食品を通常に比べ長時間、変質や腐敗なく、一定の品質を維持して
保存しておく為に添加する食品添加物が、「保存料」です。
変質や腐敗・・その一番の要因は、細菌の繁殖にあります。
最近の某焼肉店での食中毒の問題然り、
細菌の汚染というのは目に見えないだけに、
一般の人にとって防ぐのが難しい食害です。
「保存料」というのは大体がこういった細菌の繁殖を抑える作用を持ち、
細菌による食中毒を簡単に防ぐことができるという大きなメリットがあります。
現在はひと昔に比べ、包装だとか冷凍、輸送の技術が進歩したから、
「「保存料」なんて実は必要ないのではないのか?」と思われがちですが、
家庭で真空パックの袋を開けてから、細菌に汚染されることも多々あり、
そういった菌もある程度までは抑制してくれるところが、
「保存料」の良いところです。
特に夏場のお弁当や、飲みかけの飲料など、常温で放置してしまうと、
すぐに細菌が繁殖し、免疫力の落ちた老人や子供にとっては、
食中毒を発症する危険がありますので、
そういった意味で、保存料を使うことの意味はあると考えています。
そして、必ず存在するデメリット。
やはり「合成甘味料」と同様、健康リスクの問題が存在します。
具体的には「安息香酸ナトリウム」について、
ある着色料との組み合わせで多動性障害(落ち付きが無くなる)の
リスクが上昇する事や、発ガン性等、多数の報告があります。
しかし、一応ことわっておきますが、
上記の報告も保存料を食べたから必ず多動性障害になるというわけではなく、
急性毒性があるわけではありませんので、心配しすぎる必要はありません。
やはり一長一短なのですね。
では、結局どういった商品を選べばよいのか?
という疑問が生まれてくると思います。
私が考える端的な答えは、
火を通すもの、短期間で消費し切ってしまう食品については、
できるだけ無添加をオススメします。
調理なして、蓋を開けてから消費し切るまで少し時間が空いてしまうような
食品については「保存料」の入ったものを選ぶと良いと思います。
前者はわかりやすいですが、後者についての身近な具体例としては、
特に「鮭フレーク」であるとか「ジャム」の瓶、
仮にこういった商品で無添加を選ぶのであれば
どうしても1回では使い切らないので、保存期間が長くなり、
その間に菌が繁殖する恐れがあることを考慮に入れるべきです。
全て無添加の商品を選んで、消費し切らず、その後の安全性が怪しい食材は
思い切って捨ててしまうというのも、健康のことを第一に考えるならば、
一番良い方法です。
我が家のように、あまり冷蔵庫の入れ替わりが活発でなく、
数年前の「鮭フレーク」が冷蔵庫から発掘されるような家庭環境であれば、
ある程度は「保存料」という人類の英知に頼って生活しても
良いのではないかと・・・
(もちろん上記の「鮭フレーク」は捨てましたよ・・カッチカチでしたし・・汗)
「保存料」についての正しい知識と、食品ごとの「使用・不使用」の選択が、
便利で快適な食習慣を形成するのだと思います。
( Analyst 20 )