波平さんとマスオさんの在宅ワークについて考える

磯野家には波平さんとマスオさんという二人のサラリーマンがいます。彼らもコロナ禍では在宅ワークを強いられていることでしょう。では磯野家の一体どこで在宅ワークをするのがよろしいでしょうか。

サザエさん宅には玄関から居間に続く廊下があります。フグ田夫妻の部屋を左折すると長めの廊下(縁側)に続きます。

西洋建築では廊下が存在しますが、西洋における廊下とは、部屋の間仕切りの役割をはたすとともに、個人同士の間仕切りの役割も果たしていたのではないでしょうか。

家の真ん中に一本線を引き、家を個別の部屋に分け、人同士が個別であることを認識しあっている。現代に通じる西洋個人主義的な発想からすると、割かし的外れではないのではないでしょうか。

一方、日本の古民家はどうでしょう。多くは、縁側はあるけど廊下がありません。西洋建築と対比してみると、日本人に根付く全体主義の文化が垣間見えます。京都の長屋もその一つです。

サザエさん宅を昔から見ている我々は、古き良き日本の一般的な家、というイメージを持ちがちですが、日本の古民家に見るような全体主義感はありません。どちらかというと西洋的な間取りです。

しかし、最近の新築にはこんな話も聞かれます。

なるべく壁を取り除き、家族の顔がいつも見えるような家。

これは、前述したサザエさん宅から古民家へ発想が逆行しているともいえます。もしかしたら、2011年の3.11震災以降、日本人の共同体意識の変化が、家の間取りの逆行につながっているのかもしれません。

ここで話をぐるっと変えますが、コロナ離婚という言葉を最近よくテレビなどで見ます。ある調査によれば、コロナ禍で離婚を考えた割合は40代夫婦が一番多く、次いで30代、20代、50代。

この順位と、「在宅ワーク」「3.11以降の新築」「サザエさん宅から古民家への移行」「家族の顔がいつも見えるような家」に何らかの関連性があるかなぁ…

サザエさん宅であれば、波平さんとマスオさんは客間で、ふすま締め切りで在宅ワークをするといいのかなあ。一日中あの姿勢は辛そうだけれど…

 

 

謝辞 見たよとお声がけくださるコアなお客様方に感謝申し上げます。

フィス長 マツヲ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です