群馬県食品自主衛生管理認証制度は、群馬県の認証制度で、群馬県から指定を受けた民間審査機関が審査を行い、衛生管理が一定の水準以上と認められる食品関係営業者が「お墨付き」を受け、県内外の消費者や業者に食の安全を広くアピールできる制度です。
また、中小事業者が取り組みやすいように、衛生管理の基礎である一般的衛生管理プログラムの確立(ソフト面:マニュアルの作成と記録)に重点を置いているので、大がかりな設備投資をしなくても、認証を取得することができます。
2011年10月31日現在 17施設取得しており、当社では9社の認証にかかわっています。
このブログで月1回のペースで、群馬県食品自主衛生管理認証制度のマニュアル作りを解説したいと思います。
卵は物価の優等生!!
気が付けばもう2011年も残り2か月。年末年始までラストスパートです。
最近我が家ではお歳暮やお年賀に、直売店の卵詰め合わせが恒例となっています。最近の卵は消費者のニーズに合わせて、栄養成分を高めたり、黄身の色を工夫する等、多種多様な卵が販売されています。
当社では卵の検査(細菌検査や保存試験等)を行っており、これまで色々な卵に出会ってきました。
買い物に行くと、つい特売でお得な卵を選びがちですが、卵の検査をしていて、今まで自分が不思議に思ったことを、Q&Aにしてみました(簡単にまとめたので一部表現が正確ではない箇所がありますのでご了承下さい)。
【Question.1】 そもそも卵ってどうやってできるのか?
【Ansewr】 鶏のお腹の中で黄身→白身→殻の順番に形成します
卵巣から黄身が卵管へ放出されると、卵黄に卵白がくるまれ、最後にカルシウム成分等が付着し殻が完成し体外に産み出されます。鶏の解剖の際、卵管に触る機会があり、管の中に徐々に完成しつつある卵がいくつもスタンバイしているのを見た時には感動しました。
【Question.2】 卵の大きさはなんで違うのか?
【Answer】 卵を産む鶏の日齢や品種の違いです
若い鶏は小さい卵を産み、歳を取ってくるとだんだん大きい卵を産むようになります。日本では卵の重さにより、サイズが振り分けられます。
また、卵の検査中に、同じサイズの卵でも黄身の大きさが違うなぁと思うことがありましたが、これは卵黄の大きさと卵の大きさは必ずしも比例するわけではないからとのこと。どのサイズを買うかは目的に応じて分けるといいみたいですね。
【Question.3】 黄身の色はなんの色なのか?
【Answer】 エサに含まれるカロテノイド系色素に由来します
カロテノイドとは、植物等に存在する天然の色素成分です。エサにトウモロコシやパプリカ等を混ぜて与えることにより、卵の色は濃いオレンジになります。
最近は、お米を飼料に用いる「飼料米」が話題になっていますが、飼料米で育った鶏が産む卵の黄身は白っぽくなります。初めて飼料米で飼育された鶏の卵の検査をした時には、ハッ!?とビックリして慌てたことはちょっと恥ずかしい思い出です(笑)
卵の検査を通じて、消費者の皆様が美味しく安全な卵を口に出来るよう、微力ながら養鶏界を支えていきたいです。
食物アレルギー。
ここ数年『食物アレルギー疾患の子どもが増えている』と
何度かニュースで耳にしていました。
近年の食生活や家族構成、住環境などが深く関わっているそうでして。
最近の子どもたちは大変だなぁ~(´・_・`)と思っていたら・・・
いつの間にか私も食物アレルギーの持ち主になっていました。
全然最近のこどもではありませんが体質が変わっていたようです。
先日、検査を受けたところ
食物アレルギーについては4種類
米・小麦・ピーナッツ・大豆に該当していました。
私の場合は食事の制限がない程度ですが、
人によっては、ごく微量の摂取でアナフィラキシーショックが出るため、食品の表示などに十分注意しながら食事をしなければなりません。
表示は例えばこんなの↓です。今日食べたチョコケーキの箱にもありました。
特定原材料等による表示で省令によるものと(上記7品目)通知のもの(18品目)があり、その中でも弊社で行っている食物アレルギー物質検査の項目でもある<乳・卵・大豆・そば・小麦・落花生・えび・カニ>は症状の重篤度や発症数が多いため表示が義務化されています。
この表示は、命に係わるので本当に重要です。
まだまだ生活環境や食生活は変化して行くだろうし
きっと、これからも色々な食物アレルギーの種類が出てくる気がします。
長野にりんご狩り
秋で~す! スポーツの秋、食欲の秋?
大好きなフルーツが豊富な秋です。
今年も恒例の長野にりんご狩りじゃなくて、りんご買いに二度ほど行って来ました。
主人が果物を好まないので、いつもりんごを買ってラーメンを食べて帰るパターンです。
りんご畑の中、まるかじりなんて良いよねぇ[#IMAGE|S58#]好きでないと判らないかもね[#IMAGE|S26#]
でも、今年は放射能問題が有るから…りんご畑って落ち葉が豊富で危ない?
雨水や落ち葉がたまった場所は、放射能数値が高いみたいだし、大丈夫なのかな?
放射性セシウムの拡散ルートって、山や雨の影響も有るんだよね!
都会ばかりホットスポットを問題視しているけど、山間の果物畑や原木きのこを育てて場所なんて、誰も放射能を測っていないだけだと思うけど!
長野県の農家の人も、さぞ放射能問題を心配しているかと思ったら、まるで人事の様でした。
放射能に過敏に成り過ぎてる都会人より、良いのかもですね!
自分も食からの放射能摂取量は、あまり気にはしていない方です。 それでも、乾燥物はちょっと敬遠気味ですね。 生だと出ない放射能値も、乾燥物だと濃縮されるので、放射能数値が高くなるからねぇ~[#IMAGE|S8#] ハハハ…
それでも、最後の品種のフジの収穫が終わるまて後三回は行きたいと思ってる私でした。
ミニブタ
私は以前、ミニブタと関わる仕事をしていました。
ミニブタと言っても100キロ以内のものを言うので、
正直、ミニではないと思う豚もいました・・・
最近ではペットとしてご家庭で飼育されているミニブタも多いようですが、Wikipediaによると、法定伝染病にかかった場合は農林水産省の管轄になりますが、豚をペットとして飼育することになるとは想定していなかったため、その管轄は各自治体で扱いも異なるようです。
太っているように思われがちですが、体脂肪率は14%程度。
意外とキレイ好きで、体を洗ってあげると嬉しそうにしたり、
トイレも餌場から遠い一か所でしていました。
毎日接しているとなついて可愛いですが、
自分より重くなると思うと、飼う勇気はありません。
病気も人と共通の病気を持っています。
皮膚や内臓などが人と似ているため、実験動物として注目を集めています。
最近ではマイクロミニブタといって10キロ以下の実験動物もいるそうです。
弊社でもミニブタを使った試験を実施しております。
弊社で実施可能と考えられる試験がありましたら、
是非お問い合わせください。
東北より
新入社員の仕事
今年度新入社員として食環研に入社しました、Yです。
入社してすでに半年が経過しましたが、まだまだ知識不足なため難しいことを語る自信がありません。そこでまずは普段の業務内容に関わることからお話しさせていただきます。
私が普段行っている主な業務は細菌検査と抗体検査です。
細菌検査は主に鶏の糞便や卵などの畜産物や食品のサルモネラ検査です。
サルモネラは人に感染すると食中毒を引き起こす恐れがある細菌です。そのため万が一にも食品中に含まれないようにサルモネラ検査が行われています。
検査が行われていく中で、サルモネラが検出されることも当然ながらありますが、たいていの場合は鶏の糞便などが由来のものです。人間以外の動物ではサルモネラはほぼ常在菌のような形になっているのでこれは仕方のないことだと思われます。
ですが私がこれまでサルモネラ検査を行ってきた中では食品など直接人の口に触れるものから危険性のあるサルモネラが検出されたことはありません。しかし万が一食中毒が引き起こされてからでは遅いので日々気を引き締めて検査を行っています。
冬本番、PRRS、連鎖球菌、サルモネラに注意。
さあ、今年も寒く厳しい冬がやって来ます。
豚に関与する疾病はPRRS、連鎖球菌、サルモネラだけではありませんが、ここ数年特にこのPRRS、連鎖球菌、サルモネラの発生が目立ってきています。
サーコウイルスが優秀なワクチンによって抑えられている?と思われる中でのPRRS、連鎖球菌、サルモネラの被害、各地域で冬季の事故率が増加する危険性が高くなっています。
弊社ではこのPRRS、連鎖球菌、サルモネラなどを早期診断、早期発見、早期対応できる検査事業が充実しています。
何せ普通の民間会社なので、スピード・正確・信頼性を重視し、わがままや融通も聞きます。
無理な場合もあったりして(笑)
今年は震災、TPP、不景気など畜産を低迷させる材料が多く、気が滅入りがちですが、この時期だからこそ元気とやる気を出して前に進んでいかなくてはならないと思っています。
本来は抑え込める、コントロール出来るはずのPRRS、連鎖球菌、サルモネラなどの疾病を自由にさせておく場合ではありません。
今年の冬は万全な態勢でPRRS、連鎖球菌、サルモネラなどのいやな疾病を迎え討ちましょう。
所長より。
生産者の役に立つコンサル事業とは
今まで東北や関東を中心に行って来たコンサル事業を、ここ数年から他の地域へも足を延ばしています。
北海道地区、四国地区、中部地区、九州地区など、様々な地域の生産者や関係各社とふれあい、コンサル事業の大切さをひしひしと感じている毎日です。
特に季節感や施設、人間性、疾病レベルなど、地域による特徴が表れていることがとっても面白く、又大変さを噛み締めています。
弊社は検査事業を生業にしている会社でもあるので、生産者の皆様方を対象に、コンサル事業と検査事業とを融合させたまったく新しい形でのコンサル事業を展開して来ました。
検査を行っただけで、正確かつ欲しい情報や回答もないままに過ごしている農場、コンサルを受けただけで、正確な診断や情報がないまま放置されてしまっている農場など、その農場の方々ばかりではなく、頑張っている豚達にまでかわいそうな状況に追いやっている現状があるのです。
今、弊社のコンサル事業や検査事業などの内容や行動は弊社ホームページや養豚界、ピックジャーナルと言った月刊誌にも掲載させて戴いています。
これからもアクティブに活動して皆様方のお役にたてればと思います。
所長より。
最近周りをみて思う事(マーケティング編)
最近、休日に飲食店で持ち帰りやホテルの予約などいろいろな店を利用していてその接客風景をみていて思ったのですが、「いつできますか?」「この中で一番早くできるのはどれですか?」というのを頻繁に耳にします。
マーケティングの基本として「他社より優位に立つには他社より優位な要素が必要」で、その要素は主に「納期、価格、品質」つまり「早い、安い、うまい」です。その中でも「早い」を重要視している人が多いように思われます。
確かに購買決定する要因として納期はとても重要でしょう。必要な時にそれが手元にないために今まで築き上げてきたものがすべてパーになってしまう、という事もあるでしょう。しかし早さばかりを気にするあまり、他の大事な要素を見失っている場合もあるのではないでしょうか?
1960年代の高度成長期に大型スーパーが全国で多数出店し、その影響で地元の個人商店の多くがなくなってしまいました。個人商店が大型スーパーに負けた要因として価格の安さ以外に品揃え、つまり欲しいものがすぐに手に入る、というのがありました。そのため消費者の多くが大型スーパーに流れ、多くの腕のいい職人さんが廃業に追い込まれた、と聞きました。最近の大型チェーン店でも1人1人のニーズに合わせたものを作成する、いわゆる受注生産を取り扱っていることも多いようですが、個人商店で職人さんと直接顔を合わせてじっくり話し合った方が、料金や時間が多少かかってしまっても本当に満足したものを作ってもらえる、このような場合もあると思います。
当社でも検査に関するお問い合わせの中で検査納期についてはよく聞かれます。検査納期が重要なのは重々承知ですが、そのために品質を落としてしまわぬよう、「高い精度を維持するためには、最低限これだけの検査納期がかかってしまう」という事しっかり伝えてうえで、お客様と対応していきたいと思います。
細菌検査って
食環研ではいろいろな細菌検査をたくさんしています。
細菌検査と言っても幅広く、
食品業界で話題の腸管出血性大腸菌などの食中毒菌から、
畜産業界の病原菌、堆肥などにいる有用菌、温泉のレジオネラなど、
非常に様々です。
これだけいろいろな細菌検査を常時実施している我が社はすごい!
でもこれだけいろいろな細菌検査を行えるのは、
先人が偉大な培地を数多く発明してくれたからでしょう。
細菌それぞれに性格があって、それに合わせて培地がつくられています。
育つときに酸を出す奴には指示薬で色をつけてやり、
酵素を出す奴にはそれに合う基質をあわせ、
育ちにくい細菌には大好物の栄養素等を与えてやる。
また時には抗生剤により試練を与える…。
こんな感じでいろいろな細菌をいろいろな方法で世話を焼いてやっていると、
細菌も人間様と似ているのかなーと思う今日この頃です。