カンジダと生理への影響を徹底解説!症状や治療方法、受診のタイミングも説明します

生理中にカンジダの症状が出てしまい、「治療はできるの?」「生理に影響はあるの?」と不安を感じている人もいることでしょう。

カンジダ膣炎は決して珍しい病気ではなく、女性の約75%が一生に一度は経験すると言われています。

結論からお伝えすると、カンジダは生理周期そのものには影響を与えませんが、生理前後はカンジダが発症・悪化しやすい時期です。

この記事では、カンジダが与える生理への影響について詳しく解説いたします。

カンジダと生理について正しく理解することで、発症時に適切な対処ができるようになりますので、ぜひ最後までお読みください。
 
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目次

カンジダは生理周期には影響しない

カンジダは生理周期には影響しない
まずカンジダは生理周期に直接的な影響を与えることはありません。

カンジダ感染によって生理が遅れたり、早まったり、止まったりすることはないのです。

女性の場合、カンジダが原因で起こるカンジダ膣炎がありますが、これは膣内に常在するカンジダ菌が異常増殖することで起こる感染症のひとつ。

この菌の増殖は膣内の環境に影響を与えますが、卵巣から分泌されるホルモンや子宮内膜の周期的な変化には作用しません。

生理は視床下部、下垂体、卵巣系というホルモン調節機構によってコントロールされており、カンジダ菌の局所的な増殖とは別のものなのです。

カンジダ感染症と生理の遅れは無関係

「カンジダになってから生理が来ない」という不安を抱える人は多くいますが、基本的これは偶然の重なりであり、因果関係はありません。

カンジダ膣炎の病態を医学的な観点で端的に説明すると、膣粘膜の表層で起こる炎症反応です。

カンジダ菌は膣粘膜の上皮細胞に付着し、そこで増殖しますが、子宮内膜や卵巣といった生殖器の深部組織には到達しません。

したがって、排卵や黄体形成、子宮内膜の増殖と剥離といった生理周期を作り出すメカニズムに干渉することはできないのです。

実際にカンジダ膣炎での生理不順を訴える人が詳しい検査をすると、カンジダとは別の要因だったということがほとんどです。

・ストレスによる視床下部、下垂体系への影響
・体重の急激な変化
・過度な運動や食事制限
・他の内分泌疾患の存在

生理が遅れている場合に考えられる他の原因

カンジダの症状があり、同時に生理が遅れている場合、以下の原因を検討する必要があります。

妊娠の可能性

生理が遅れている時に最も初めに確認すべき事です。妊娠初期はホルモン変化により膣内環境が変化し、カンジダが発症しやすくなります。

実際、妊娠中は非妊娠時と比較してカンジダ膣炎の発症率が約2〜3倍高くなるといわれます。

性交渉の機会があり、生理予定日を1週間以上過ぎている場合は、妊娠検査薬での確認をお勧めします。

ストレスの影響

カンジダの発症自体がストレスとなり、さらに「生理が来ない」という不安が加わることで、視床下部、下垂体系の機能が抑制されることがあります。

ストレスによる生理不順は非常に一般的で、特に精神的負荷が大きい時期には、排卵が遅れたり抑制されたりします。結果として、生理周期が乱れることになります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

生理不順が頻繁に起こる方の場合、多嚢胞性卵巣症候群の可能性も考慮すべきです。

PCOSの患者様は、インスリン抵抗性により高血糖傾向となり、これがカンジダの増殖を促進する要因にもなります。

つまり、PCOSが原因で生理不順とカンジダの両方が起こっている可能性があるのです。

極端なダイエットや体重変化

体脂肪率が極端に低下すると、エストロゲンの産生が低下し、無月経となることがあります。同時に、栄養状態の悪化は免疫機能を低下させ、カンジダの発症リスクを高めます。

薬剤の影響

抗生物質の使用はカンジダの発症要因として知られていますが、一部の薬剤(特にホルモン剤や向精神薬)は生理周期にも影響を与えることがあります。

これらの原因を考慮し、生理が2週間以上遅れている場合や、生理不順が続く場合は、カンジダの治療とは別に婦人科での検査をお勧めします。

生理前はカンジダが発症しやすい

生理前の約1〜2週間(黄体期)は、カンジダ膣炎が最も発症しやすい時期です。

これは医学的にも明確なメカニズムが解明されており、多くの女性が経験する現象です。

特に排卵後から生理直前にかけての時期に症状が出やすく、これは偶然ではなく、ホルモン動態と密接に関係しています。

この時期にカンジダが発症しやすい理由を理解することで、予防策を講じることができます。次に、その具体的な理由について詳しく解説していきます。

生理前にカンジダが発症しやすい理由

生理前にカンジダが発症しやすくなる背景には、複数の生理学的な理由が関係しています。

膣内pH値の上昇

プロゲステロンの影響で膣内のpH値が上昇し、弱アルカリ性に傾きます。カンジダ菌などの細菌はpH4.5以上の環境で増殖しやすくなるため、この変化が発症リスクを高めます。

参考:PubMed Central (PMC)|一般的な膣炎の臨床診断と治療のための膣pH値
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8618584/?utm_source=chatgpt.com

免疫機能の低下

プロゲステロンによる免疫抑制により、通常であれば抑え込めていたカンジダ菌の増殖を防げなくなります。白血球の働きも弱まるため、感染への抵抗力が落ちるのです。

膣内の糖分濃度上昇

グリコーゲンの増加により、カンジダ菌の栄養源が豊富になります。これは菌にとって「増殖のチャンス」となる環境です。

体温上昇による環境変化

高温期には体温が上がり、外陰部周辺も温かく湿った状態になりやすくなります。カンジダ菌は温かく湿った環境を好むため、増殖に適した条件が整います。

ストレスホルモンの影響

生理前症候群(PMS)によるストレスで、コルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。このホルモンも免疫機能を低下させ、カンジダ発症のリスクを高めます。

このように、生理前はカンジダ菌にとって「増殖の好機」となる複数の要因が重なるため、症状が出やすくなるのです。

生理前のカンジダを予防する方法

生理前はホルモンバランスの変化により、カンジダ膣炎が発症しやすい時期です。

しかし、日常生活の中で適切な予防策を講じることで、発症リスクを大幅に減らすことができます。この項目では、生理前に意識したい具体的な予防方法をご紹介します。

通気性の良い下着を選ぶ

下着の選択は、外陰部の環境を左右する重要な要素です。

まず端的に伝えると綿100%の素材を選びましょう。綿は吸湿性と通気性に優れ、湿気がこもりにくいためカンジダ菌の増殖を防ぎます。ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は通気性が悪く避けるべきです。

デザインは締め付けの少ないビキニタイプやヒップハンガータイプが理想的です。Tバックは肛門部の細菌が膣方向に移動しやすく推奨できません。ある程度のゆとりがあるものを選び、きつい下着による圧迫と温度上昇を避けましょう。

生理前の1〜2週間は特に通気性を重視した下着を着用しましょう。

就寝時には下着を着用しない、あるいはゆったりしたパジャマのみにすることで、夜間の換気を促進できます。

外陰部を洗浄して清潔に保つ

外陰部の洗浄は毎日行うべきですが、方法を誤ると逆効果になることもあります。

洗浄剤の選択について、最も重要なのは「デリケートゾーン専用」または「低刺激性」の製品を使用することです。

一般的なボディソープやボディシャンプーは洗浄力が強すぎ、外陰部の皮膚や膣前庭部の粘膜を刺激してしまいます。

また、膣内に生息する有益な乳酸菌(ラクトバチルス属)まで洗い流してしまう可能性があります。

理想的なものは弱酸性製品です。アルカリ性の石鹸は使用を避けましょう。膣内の自然な酸性環境を保護することが、カンジダ予防の基本となります。

【洗浄時に避けるべきこと】

・膣内洗浄(ビデ洗浄)
膣内の正常な細菌叢を破壊し、カンジダが増殖しやすい環境を作ってしまいます。医学的に膣内洗浄は推奨されていません。

・強くこする
皮膚や粘膜を傷つけ、そこからカンジダ菌が侵入しやすくなります。

・1日に何度も洗う
過度の洗浄は必要な皮脂まで除去し、バリア機能を低下させます。洗浄は1日1〜2回で十分です。

生理前は分泌物が増えるため、こまめに洗いたくなる気持ちは理解できますが、過度な洗浄は逆効果です。

日中に気になる場合は、デリケートゾーン用のウェットティッシュ(無香料・アルコールフリー)で軽く拭く程度にとどめましょう。

食生活を気をつける

食事は身体の免疫機能に直接影響するため、カンジダ予防においても重要な要素です。

カンジダ菌は特に糖質を栄養源として増殖します。特に精製糖(白砂糖、果糖ブドウ糖液糖など)の過剰摂取は、血糖値を急上昇させ、膣内の糖濃度も上昇させます。

生理前は特に甘いものが欲しくなる時期ですが、できるだけ控えめにすることが予防につながります。

甘いものが食べたい場合は、血糖値の上昇が緩やかな低GI食品(ダークチョコレート、ナッツ類、ギリシャヨーグルトに少量のはちみつなど)を選びましょう。

【避けるべき食品・嗜好品】
アルコール: 免疫機能を低下させ、血糖値も上昇させます
カフェインの過剰摂取: ストレスホルモンを増加させ、免疫に悪影響
加工食品・ジャンクフード: 栄養バランスが悪く、炎症を促進します

生理前の1〜2週間は、これらの食事のポイントを意識するだけで、カンジダの発症リスクを低減できます。

生理前の症状とカンジダの見分け方

生理前には様々な身体症状が現れるため、カンジダによる症状なのか、単なる生理前の変化なのかを見分けることが重要です。

生理前(黄体期)には以下のような変化が正常範囲として起こります。

・おりものの増加
プロゲステロンの影響で子宮頸管粘液の分泌が増え、おりものが多くなります。色は白色〜やや黄色味を帯びた白色で、やや粘稠度が高く、伸びが悪いのが特徴です。臭いはほとんどないか、ごく軽度の酸っぱい臭いです。

・外陰部の違和感
ホルモン変化により外陰部の皮膚が敏感になり、軽いムズムズ感や違和感を感じることがあります。ただし、強い痒みではありません。

・下腹部の張りや鈍痛
子宮内膜の増殖や骨盤内のうっ血により、下腹部に張りや鈍い痛みを感じることがあります。

カンジダを疑うべき症状
一方、以下の症状がある場合はカンジダ膣炎の可能性が高くなります:

症状の種類 カンジダの特徴 生理前の正常変化
おりもの 白色でポロポロした酒粕状・カッテージチーズ状 白色〜クリーム色で均一、やや粘稠
痒み 強い痒み、我慢できないレベル 軽度の違和感程度
灼熱感 ヒリヒリした焼けるような感覚 ほとんどない
臭い ほぼ無臭、または軽度の酵母臭 ほぼ無臭、または軽度の酸臭
外陰部の状態 発赤、腫脹、時に亀裂 正常、やや充血程度

決定的な判断ポイントは「おりものの性状」と「痒みの強さ」です。

カンジダのおりものは非常に特徴的で、白いポロポロとした固まり状のおりものが見られます。

これは「酒粕状」「カッテージチーズ状」「豆腐のかす状」などと表現され、一度見れば忘れられない特徴です。下着に付着したおりものが乾燥すると、白い粉のようになることもあります。

痒みについては、夜も眠れないほどの強い痒みがカンジダの特徴です。生理前の軽度の違和感とは明らかに異なり、掻いても掻いても治まらない、場所を選ばず掻きむしりたくなるような強い痒みです。

生理前の正常な変化にカンジダが重なって発症することもある

実際には、生理前の正常な変化にカンジダが重なって発症することもあります。この場合、最初は「いつもの生理前の症状」と思っていたものが、日を追うごとに悪化していく経過をたどります。

判断に迷う場合は、以下の自己チェックを試してみてください。

・おりものをティッシュに取り、指で触ってみる(固まり状か?)
・痒みで夜目が覚めるか、集中力が途切れるか
・外陰部を鏡で見て、発赤や腫脹があるか
・症状が2〜3日経っても改善せず、むしろ悪化しているか

これらのいずれかに該当する場合は、カンジダの可能性が高いため、医療機関の受診をおすすめします。

生理中のカンジダの症状は?

生理中にカンジダを発症した場合、あるいは生理前から続いている症状がある場合、経血とカンジダの症状が混在して非常に不快な状態となります。

また通常時のカンジダとは症状の現れ方が異なることもあり、正確な判断が難しくなります。

生理中のカンジダは、治療のタイミングや方法に制限があるため、症状を正しく理解し、適切に対処することが重要です。

おりものの変化(白くポロポロしたおりもの)

おりものの変化(白くポロポロしたおりもの)
カンジダの最も特徴的な症状である白いポロポロした酒粕状のおりものですが、生理中は経血と混ざるため、見た目の判断が難しくなります。

生理中にカンジダがある場合、以下のような特徴が見られます。

・経血の中に白い塊が混じる
経血を拭き取った際、ティッシュに赤い経血と共に白いポロポロした塊が付着します。これは経血とは明らかに異なる質感で、経血が固まったものとは区別できます。

・ナプキンに白い付着物
ナプキンを交換する際、経血の周辺に白いカス状の物質が付着していることがあります。これは子宮内膜片(経血の成分)よりも白く、より細かい粒状です。

・膣口周辺に白い残渣
外陰部を洗浄する際、膣口の周辺やヒダの間に白いチーズ状の物質が残っていることがあります。

ただし、生理の経血量が多い場合は、カンジダのおりものが経血に完全に混ざってしまい、視覚的な確認が困難なこともあります。

カンジダと経血の見分け方

生理中にカンジダかどうかを判断するのは難しいですが、以下のポイントで見分けることができます。

・色の違い
経血は赤色〜暗赤色ですが、カンジダのおりものは白色です。両者が混在していても、よく見ると白い成分を確認できます。

・質感の違い
経血は液体〜ゲル状で均一ですが、カンジダのおりものはポロポロとした固形の塊です。

・付着場所
経血は主に膣から出てきますが、カンジダのおりものは外陰部のヒダや膣前庭部にも付着します。

・洗い流しやすさ
経血は水で流すと比較的簡単に洗い流せますが、カンジダのおりものは粘着性があり、洗い流しにくいことがあります。

・痒みの有無
これが最も決定的です。単なる生理では強い外陰部の痒みは生じません。我慢できないほどの痒みがあれば、カンジダの可能性が非常に高いです。

外陰部の強い痒み

生理中のカンジダで最も苦痛なのが、経血による刺激とカンジダによる痒みが重なった強烈な不快感です。

通常時のカンジダの痒みだけでも相当なものですが、生理中は以下の要因が加わります。

・ナプキンとの摩擦による刺激
・経血による化学的刺激
・ナプキン内の高温多湿環境

これらが複合的に作用し、痒みの程度は通常のカンジダの1.5〜2倍に感じられることも珍しくありません。特に夜間、就寝中にナプキンを長時間着用している時に痒みが増強します。

灼熱感やヒリヒリ感

カンジダによる炎症に経血の刺激が加わることで、外陰部に焼けるような痛みやヒリヒリとした刺激感が生じます。

この症状は以下の状況で特に強く感じられます。

・排尿時
尿が外陰部の炎症部位にかかると、激しい痛みを感じます。尿には塩分や尿素などの刺激物質が含まれており、傷ついた粘膜に強い刺激を与えるためです。

・ナプキン交換時
ナプキンを外す際の摩擦や、新しいナプキンを当てる際の接触で痛みが走ります。

・洗浄時
外陰部を洗う際、お湯が当たるだけで痛みを感じることがあります。

灼熱感は、カンジダによる炎症反応の証拠であり、膣粘膜や外陰部の皮膚にかなりのダメージが生じている状態を示しています。

生理中にカンジダの症状が悪化する理由

生理中にカンジダの症状が悪化する理由
生理中はカンジダの症状が悪化しやすい条件が揃っています。その理由を詳しく説明します。

ナプキンによる蒸れ

ナプキンの使用は、外陰部の環境を大きく変化させます。

ナプキンは経血を吸収するために吸収体を含んでいますが、この構造が裏目に出ることがあります。吸収された経血や汗、分泌物によって、ナプキン内は高温多湿の密閉環境となります。

カンジダ菌は高温多湿を好むため、この環境は菌の増殖に最適です。実際、ナプキン内のカンジダ菌数は、通常時の5〜10倍に増加するという研究データもあります。

さらに、長時間同じナプキンを使用すると、蒸れの程度はさらに悪化します。理想的には2〜3時間ごとの交換が推奨されますが、夜間の就寝中などは難しく、結果として症状が悪化します。

経血による刺激

経血そのものが、カンジダによって炎症を起こしている外陰部にとって刺激物となります。

【経血の成分】
・血液成分(赤血球、白血球、血小板、血漿)
・子宮内膜の剥離組織
・子宮頸管粘液
・膣分泌物
・各種酵素やサイトカイン

これらの成分、特に酵素やサイトカインは、傷ついた皮膚や粘膜に接触すると刺激を与えます。また、経血は時間が経つと酸化し、pHも変化するため、刺激性がさらに増します。

カンジダで既に炎症を起こしている外陰部は、皮膚のバリア機能が低下しており、通常なら問題ない程度の刺激でも強い反応を示します。これが痒みや痛みの増強につながります。

膣内pHの変化

生理中は膣内のpH環境が大きく変動します。

通常、健康な膣内は乳酸菌によってpH3.8〜4.5の酸性に保たれています。この酸性環境がカンジダ菌の過剰な増殖を抑制しています。

しかし、生理中は状況が変わります。

経血のpHは約7.4(弱アルカリ性)です。経血が膣内に流入することで、膣内pHは一時的に5.0〜7.0程度まで上昇します。

pHが高まると、カンジダ菌の増殖速度が加速します。特にpH6.0〜7.0の範囲では、カンジダ菌は最も活発に増殖できます。

同時に、乳酸菌の活性は低下します。乳酸菌は酸性環境を好むため、pHが上昇すると数も活性も減少し、カンジダ菌に対する抑制力が弱まります。

生理とカンジダが同時に起こった時の対処法

生理中にカンジダの症状が出てしまった場合の具体的な対処法を紹介します。

完全な治療は生理後になりますが、症状を軽減し、快適に過ごすための方法があります。

こまめなナプキン交換

最も基本的で効果的な対策です。2〜3時間ごと、可能であればもっと頻繁にナプキンを交換しましょう。経血量が少なくても、蒸れを防ぐために定期的な交換が重要です。

夜間は長時間用ナプキンを使用せざるを得ませんが、できれば夜中に一度起きて交換することが理想的です。睡眠の質とのバランスを考える必要はありますが、痒みで眠れないよりは、一度起きて交換する方が結果的に快眠できることもあります。

布ナプキンやオーガニックコットンナプキンは、通常の使い捨てナプキンよりも通気性に優れています。カンジダの症状がある時は、これらの製品に切り替えることを検討してください。

ただし、布ナプキンは洗濯の手間がかかり、外出先での交換も難しいという欠点があります。自宅にいる時は布ナプキン、外出時は通気性の良い使い捨てナプキンというように使い分けるのも一つの方法です。

タンポンや月経カップの使用について

タンポンや月経カップは外陰部の蒸れを軽減できるため、理論上はカンジダに有利に思えますが、カンジダの症状がある時は使用を控えることをお勧めします。

・挿入時に炎症を起こしている膣粘膜を刺激する
・タンポンの繊維が膣粘膜に微小な傷をつける可能性
・月経カップの装着による圧迫で炎症が悪化する可能性
・取り出し時の摩擦による痛み

どうしても使用したい場合は、最小限のサイズを選び、挿入・除去時に十分注意してください。

外陰部の優しい洗浄

生理中は1日2回程度、優しく洗浄することが大切です。

【洗浄のポイント】
・ぬるま湯(37度程度)を使用
・デリケートゾーン専用の低刺激性洗浄剤を少量使用
・よく泡立てて、泡で優しく洗う
・こすらず、押し当てるように洗浄
・シャワーでしっかりすすぐ(石鹸成分を完全に落とす)
・清潔なタオルで押さえるように水分を取る

洗浄後は、できれば5〜10分程度、外陰部を空気に触れさせると良いでしょう。ドライヤーの冷風を遠くから当てるのも効果的です(温風は刺激になるので避けてください)。

痒み止めクリームの使用

市販のデリケートゾーン用痒み止めクリームは一時的な症状緩和に使用できますが、カンジダの治療効果はありません。一時的な症状緩和のための対症療法です。

痒み止めクリームの選び方は、ステロイド成分を含まず、清涼感が強くない低刺激性・無香料のものを選びましょう。

清潔な手で外陰部の痒い部分にのみ薄く塗り、膣内には使用しないでください。また使用は1日2〜3回までとし、症状が続く場合は医療機関を受診しましょう。

生理中にカンジダの治療はできる?

生理中にカンジダの治療はできる?
生理中は本格的なカンジダ治療を開始することは推奨されません。

ただし、これは「何もできない」という意味ではなく「最も効果的な治療は生理後に行う」という意味です。

生理中の治療が推奨されない理由と、それでもできる対処法について、詳しく解説していきます。

膣錠の効果が低下する

カンジダ治療の主役は膣錠(膣座薬)です。これはイミダゾール系抗真菌薬を含む薬剤を膣内に挿入し、局所で高濃度の薬効を発揮させる治療法です。

膣錠の作用機序は以下の通りです。

・膣内で徐々に溶解する
・抗真菌成分が膣粘膜全体に広がる
・膣壁に薬剤が吸着・浸透する
・カンジダ菌の細胞膜を破壊する

しかし、生理中は経血が膣内を常に流れている状態です。そのため経血によって薬剤が洗い流され、膣錠が十分に溶解する前に、経血と共に体外に排出されてしまいます。

通常、膣錠は6〜8時間かけて徐々に溶解しますが、生理中はその過程が妨げられます。

合わせて「薬剤の濃度が希釈される」「膣壁への吸着が不十分」などもあります。

経血で薬剤が流れ出てしまう

これは前述の「膣錠の効果が低下する」と関連しています。

膣錠を挿入すると、溶解した薬剤成分が液体となって膣外に流れ出てきます。これは正常な現象ですが、生理中は経血と混ざって大量に流出してしまいます。

また、流れ出た薬剤が外陰部の皮膚を刺激し、かぶれや発赤を引き起こすこともあります。

生理中は外陰部が既に敏感になっているため、この刺激がさらなる不快感につながります。

正確な診断が難しい

初めてカンジダの症状が出た場合、あるいは症状が非典型的な場合は、医師による診察と検査が必要です。しかし、生理中は正確な診断が困難になります。

【診断に必要な検査】
・視診
膣鏡を挿入して膣内と子宮頸部を観察しますが、経血があると視野が妨げられ、カンジダ特有の白いおりものや膣壁の発赤を確認できません。

・おりものの顕微鏡検査
カンジダ菌や菌糸を顕微鏡で確認する検査ですが、経血が混入すると赤血球が視野を埋め尽くし、カンジダ菌の確認が困難になります。

・培養検査
おりものを培地に植え付けて菌を増殖させる検査ですが、経血中の成分が培養結果に影響を与える可能性があります。

生理中は細菌性膣症や他の感染症との鑑別も難しくなります。不正確な診断に基づいて治療を開始すると、適切でない薬剤を使用することになり、症状の改善が得られないだけでなく、正常な膣内細菌叢をさらに乱してしまう危険性があります。

生理中にできる応急処置と症状緩和の方法

生理中は本格的な治療はできませんが、症状を軽減し、生理後の治療効果を高めるための対策はあります。

外陰部の清潔を保つ方法

前述した洗浄方法に加えて、温水洗浄便座がある場合などは、外陰部洗浄機能を「弱」「低温」設定で使用すると、経血やおりものを優しく洗い流せます。

ただし、水圧が強すぎると膣内に水が入り、膣内細菌叢を乱すため注意してください。

外出先やこまめな洗浄ができない時は、デリケートゾーン専用のウェットティッシュ(無香料・アルコールフリー・pH調整済み)が便利で、ナプキン交換時に軽く拭くだけでも清潔さを保てます。

洗浄後は完全に乾燥させることが重要です。濡れたままナプキンを当てると湿度が上昇するため、可能であれば洗浄後5分程度は乾燥させる時間を取りましょう。

痒みを和らげる方法

痒みは最も苦痛な症状ですが、以下の方法で軽減できます。

・保湿剤の使用
意外かもしれませんが、適切な保湿は痒みを軽減します。カンジダによる炎症で皮膚のバリア機能が低下しているため、低刺激性の保湿剤(ワセリンや医療用保湿クリーム)を薄く塗ることで、外部刺激から皮膚を保護できます。ただし、膣内には使用しないでください。

・抗ヒスタミン薬の内服
市販の抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)が痒みの軽減に役立つことがあります。カンジダの炎症反応にはヒスタミンが関与しているため、これをブロックすることで痒みが和らぎます。薬剤師に相談して、眠気の少ないタイプを選ぶと良いでしょう。

・冷却
前述した冷却法を定期的に行うことで、痒みの強い時間帯を乗り切れます。

・締め付けない服装
スカートやワンピースなど、下半身を締め付けない服装を選びましょう。ジーンズやレギンスなど、密着する衣類は避けてください。

通気性の確保

・就寝時の工夫
夜間は下着を着用せず、ゆったりしたパジャマのみで就寝することをお勧めします。経血の漏れが心配な場合は、防水シーツを敷くか、バスタオルを敷いて対応してください。下着を着けないだけで、症状がかなり軽減されることがあります。

・自宅での過ごし方
自宅にいる時間は、できるだけナプキンを外して過ごす時間を作りましょう。お風呂上がりの30分〜1時間だけでも、外陰部を換気することで症状が楽になります。

市販の外用クリームを使用できる?

カンジダの症状がある場合、市販の外用クリーム(クロトリマゾールやミコナゾール配合)で痒みを抑えることができますが、生理中は薬剤が流れ出て効果が落ちるため、市販薬の使用は避けるのが一般的です。

また、市販薬は「再発用」であるため、初めての方は必ず受診が必要です。腟内の感染を伴う場合は、生理後に改めて腟錠を併用して根本治療を行う必要があります。

生理終了後すぐに治療を開始すべき

生理が終わったら、できるだけ早く(理想的には終了後1〜2日以内に)治療を開始することが非常に重要です。その理由を説明します。

カンジダ菌数の増加を防ぐ

生理中、カンジダ菌は膣内で増殖を続けています。治療を遅らせれば遅らせるほど、菌数は増加し、感染範囲も拡大します。

菌数が増えると以下のリスクが高まります。
・治療期間が長くなる
・再発のリスクが高まる
・症状がより重症化する

逆に、生理終了直後に治療を開始すれば、菌数がまだ比較的少ない段階で叩くことができ、治療効果が高く、再発リスクも低くなります。

膣内環境の早期正常化

生理後の膣内は、経血の影響でpHが上昇し、正常な乳酸菌の数も減少しています。

この状態を放置すると、カンジダだけでなく細菌性膣症のリスクも高まり、膣内の自浄作用が低下して慢性的な膣炎に移行する可能性があります。

早期に抗真菌治療を行うことで、カンジダ菌を減少させ、乳酸菌が再び優勢な環境を取り戻すことができます。

乳酸菌が回復すれば、膣内pHも正常化し、自浄作用が復活します。

慢性化・再発化の予防

カンジダを放置すると、急性期から慢性期に移行することがあります。

【慢性カンジダ膣炎の特徴】
・症状が軽度だが持続的
・治療しても完全には治らない
・頻繁に再発する(年4回以上)
・生活の質(QOL)を著しく低下させる

慢性化を防ぐには、急性期のうちに確実に治療することが鉄則です。生理後すぐの治療開始は、慢性化予防の最も重要なポイントです。

カンジダの治療方法

カンジダ膣炎の治療は、主に局所療法(膣錠・外用剤)が中心ですが、症状や再発の有無によって治療法が異なります。

それぞれの治療法について、詳しく解説します。

膣錠による治療

膣錠(膣座薬)は、カンジダ膣炎の第一選択薬です。高濃度の抗真菌薬を膣内に直接投与できるため、全身への副作用が少なく、高い治療効果が期待できます。

膣錠の種類(1日用、6日用など)

膣錠には使用期間によっていくつかのタイプがあります。

1日用(単回投与型)

商品例:エンペシドL膣錠(クロトリマゾール600mg)
特徴:1回の挿入で治療が完了

メリット
・手間がかからない
・使い忘れの心配がない
・最も治療コンプライアンスが高い

デメリット
・薬剤濃度が高いため、一時的な刺激感を感じることがある
・重症例では効果が不十分な場合も
・適している人:初発例、軽症〜中等症の人

6日用

商品例:エンペシド膣錠(クロトリマゾール100mg)、フロリード腟坐剤(ミコナゾール100mg)
特徴:6日間連続で使用

メリット
・薬剤が徐々に効くため、刺激が少ない
・重症例にも対応できる
・最も標準的な治療法

デメリット
・毎日挿入する手間
・使い忘れのリスク
・適している人:中等症〜重症の人、再発例

正しい挿入方法

膣錠の効果を最大化するには、正しい挿入方法が重要です。

【挿入の手順】
1.手を洗う
清潔な手で行うことが基本です。爪は短く切っておきましょう。

2.挿入の姿勢を取る
仰向けに寝て両膝を立てる
または、片足を椅子や便座に乗せる
リラックスして、膣の筋肉を緩める

3.膣錠を持つ
人差し指で押し込めるように、膣錠を中指と親指で持ちます。

4.挿入する
膣口から人差し指を使って奥へ押し込む
できるだけ深く(人差し指の第二関節まで入るくらい)
斜め後ろ上方向に挿入する(膣の方向に沿って)

5.挿入後
すぐに立ち上がらず、5〜10分程度横になる
これにより膣錠が溶け始め、流れ出にくくなる

6.手を洗う
挿入後も手をしっかり洗いましょう。

挿入のタイミング

就寝前の挿入が最適です。横になっている時間が長いため薬剤が流れ出にくく、効果を最大限に発揮できます。

朝挿入すると日中の活動で流れ出やすくなるため避けましょう。

挿入時によくある失敗として、浅すぎる挿入はすぐに薬剤が流れ出てしまうため、恥ずかしがらずしっかり深く挿入してください。

挿入直後に立ち上がると重力で流れ出るため、必ず5〜10分は横になりましょう。

また、挿入を怖がると力が入り膣が狭くなって挿入しにくくなります。深呼吸してリラックスすることが大切です。

使用期間と効果

項目 内容
6日用の場合 ・6日間連続で毎晩1個ずつ挿入
・通常、2〜3日目から症状の改善を感じ始める
・6日間使い切ることが重要(途中でやめない)
1日用の場合 ・1回のみの挿入
・24〜48時間で症状の改善を感じ始める
・効果は5〜7日間持続
治療効果の判定 ・症状(痒み、おりもの、灼熱感)が消失
・通常、治療開始から7〜10日で完全に症状がなくなる
・症状消失後も、医師の指示通りに治療を継続することが重要
注意点 ・治療中も性交渉は控える(感染リスク、効果低下の防止)
・薬剤が流れ出るため、おりものシートやナプキンの使用を推奨
・溶けた薬剤が白〜黄色で流れ出るのは正常な反応

外用クリームや軟膏による治療

外用の抗真菌クリームや軟膏は、主に外陰部の症状に対して使用します。カンジダは膣内だけでなく、外陰部(大陰唇、小陰唇、膣前庭部)にも炎症を引き起こすため、膣錠と外用クリームを併用することで、感染部位全体をカバーした包括的な治療が可能になります。

一般的に使用される外用剤には、クロトリマゾールクリーム1%、ミコナゾールクリーム1%、イソコナゾールクリーム1%などがあり、いずれもカンジダ菌の細胞膜合成を阻害して菌を死滅させます。

外用クリームは外陰部の痒みに速効性があり、通常24〜48時間で痒みの軽減を感じ始め、3〜5日で発赤や腫脹が改善します。

使用方法は、外陰部を清潔にして完全に乾燥させた後、清潔な指で患部に薄く均一に塗り広げます。

膣錠は夜寝る前に挿入し、外用クリームは朝晩の1日2回塗布するのが一般的ですが、具体的な使用回数や期間については、医師や薬剤師の指示に従ってください。

症状が軽快しても自己判断で中止せず、処方された期間は継続使用することが重要です。

治療のタイミングとスケジュール

理想的な治療開始のタイミングは、生理終了後1〜2日以内、次の排卵期の前です。排卵後はまたカンジダが発症しやすくなるため、このタイミングが重要になります。多くの婦人科医は「生理が完全に終わった翌日」の受診を推奨しています。「ほとんど終わりかけ」ではなく「完全に終了」してからというのがポイントです。

生理中は市販薬の膣錠やクリームは使用を中止する

市販のカンジダ治療薬を使用している方が生理になった場合、使用方法に注意が必要です。膣錠については必ず中止してください。生理中の膣錠使用は効果が著しく低下するだけでなく、薬剤の無駄遣いや不十分な濃度による耐性菌のリスク、膣内環境の悪化を招く可能性があります。

一方、外陰部に塗布する外用クリームは生理中でも使用を継続できます。外陰部の症状(痒み、発赤)の緩和に役立ち、経血の刺激から外陰部を保護し、カンジダ菌を減少させます。

ただし、ナプキンとの摩擦でクリームが落ちやすいため、通常より頻繁に(1日3〜4回)塗布すると効果的です。

生理の「完全終了」の判断は、経血が完全になくなり、茶色のおりものもなくなった状態を指します。「ほぼ終わりそう」という段階で治療を再開したくなりますが、少量でも経血が残っていれば膣錠の効果は低下します。1日待ってでも、完全終了を確認してから再開しましょう。

内服薬の使用も検討されるケースもある

カンジダの治療は基本的に局所療法(膣錠・外用剤)が第一選択ですが、特定の状況では内服の抗真菌薬が処方されることがあります。

【内服薬が処方される主な状況】
・膣錠の挿入が困難な場合(強い恐怖心、身体的理由、妊娠初期など)
・重症・難治性のカンジダ(局所療法で改善しない、感染範囲が広範囲、免疫力低下)
・再発性カンジダ(年4回以上)
・生理中に緊急的に治療を開始したい場合

使用される内服薬は、フルコナゾール(ジフルカン)が最も一般的で、イトラコナゾール(イトリゾール)がフルコナゾール無効時に使用されます。

内服薬のメリットは、1回の服用で治療が完了する簡便性、膣内だけでなく腸管内のカンジダにも効果がある全身への作用、挿入の手間がないこと、生理の影響を受けないことです。

一方、デメリットとして消化器症状(吐き気、下痢、腹痛)が10〜20%の人に出現し、稀に肝機能への影響や頭痛、めまいなどの全身性の副作用があります。

また、多くの薬剤と相互作用を起こすため、常用薬がある場合は医師に必ず伝える必要があります。妊娠中・授乳中は催奇形性のリスクがあるため使用できません。

内服薬は経口投与され、血液を介して全身に分布するため、経血の影響を全く受けず、生理中でも一定の血中濃度・膣粘膜濃度が維持されます。

ただし、生理中に内服治療を開始する場合も、併せて外用クリームを使用し、外陰部の症状を緩和することが推奨されます。

再発を繰り返す場合の治療

カンジダ膣炎は再発しやすい疾患です。約40〜45%の女性が生涯に2回以上の発症を経験し、約5〜8%の女性は年4回以上再発する「再発性カンジダ膣炎」に該当します。

再発を繰り返す場合、まずその原因を特定することが重要です。主な原因として、治療期間が短すぎるなどの不十分な治療、治療中の性交渉やパートナーの保菌による再感染、糖尿病や抗生物質の頻回使用などの誘因の持続、薬剤耐性を持つカンジダ菌株や通常と異なる菌種による感染などが挙げられます。

再発性カンジダの治療について

再発を繰り返す方は、自己判断せず、専門医による包括的な評価と治療計画の策定を受けることが重要です。主な再発治療について以下が挙げられます。

・急性期の治療
通常より長期間の治療(10〜14日間)、膣錠+外用剤の併用、必要に応じて内服薬の追加。

・維持療法
フルコナゾール週1回150mgを6ヶ月間継続。この方法で90%以上の患者で再発が抑制されますが、中止後には約50%の患者で再発するため、長期的な生活習慣改善が必須です。

・生活習慣の改善
糖質制限(特に精製糖)、プロバイオティクスの継続摂取、ストレス管理、十分な睡眠(7〜8時間)、通気性の良い下着の着用習慣化、過度な膣洗浄の中止。

・パートナーの治療
男性パートナーは通常無症状ですが保菌している可能性があるため、男性用の抗真菌クリームを陰茎に7〜10日間塗布。

・腸管内カンジダの除菌
腸管内から膣への自己感染を繰り返している可能性があるため、内服抗真菌薬による腸管内除菌とプロバイオティクスによる腸内環境改善を行います。

再発を繰り返す方は、自己判断せず、専門医による包括的な評価と治療計画の策定を受けることが重要です。

生理中でもカンジダの内診はできる?

生理中にカンジダの症状が出て、「すぐに受診すべきか、生理が終わるまで待つべきか」と悩まれる方は多くいらっしゃいます。

結論は「ケースバイケース」ですが、判断基準を明確にお伝えします。

生理中の内診が可能なケースと難しいケース

生理中でも内診や診察は不可能ではありませんが、状況によって対応が異なります。

【生理中でも内診が可能なケース】

状況・項目 内容・詳細
経血量が少ない日 ・生理の終わりかけで経血量がごく少量
・タンポンを使用すれば視野が確保できる程度
・この場合、タンポンを挿入した状態で内診を行うことがある
緊急性が高い症状 ・我慢できないほどの強い痒み
・激しい痛みや灼熱感
・発熱を伴う場合
・異常なおりもの(悪臭、大量、色の異常)
※これらの場合、経血があっても診察を行い、可能な範囲で検査・治療を開始する
医療機関側の体制 ・経血があっても診察可能な設備・体制がある
・生理中専用の検査方法(超音波検査など)を用いている

【生理中の内診が難しいケース】

状況・項目 内容・詳細
経血量が多い日 ・生理1〜3日目など、経血量が最も多い時期
・視野が完全に遮られ、膣内・子宮頸部の観察が困難
・顕微鏡検査用のおりものサンプル採取も困難
初診で詳しい検査が必要 ・初めてのカンジダ症状で確定診断が必要
・他の疾患との鑑別が必要
・培養検査など精密検査が必要な場合
医療機関の方針 ・クリニックによっては、生理中の内診を避ける方針の場合がある
・予約時に確認が必要

【緊急性の高い症状がある場合】
以下の症状がある場合は、生理中でもすぐに受診すべきです。

症状 考えられる疾患・状態
38度以上の発熱 カンジダではなく、細菌感染や骨盤内炎症性疾患の可能性
強い下腹部痛 子宮内感染や他の婦人科疾患の可能性
悪臭の強いおりもの 細菌性膣症やトリコモナス症など、カンジダ以外の感染症の可能性
性器出血が異常 生理とは異なる不正出血の可能性
全身状態の悪化 めまい、意識障害、ショック症状など

これらの症状は緊急性が高く、生理中であっても直ちに医療機関を受診してください。

医療機関による対応の違い

医療機関によって、生理中の対応方針は異なります。

医療機関 生理中の対応
大学病院・総合病院 緊急性があれば生理中でも対応可能なことが多い
超音波検査など、内診以外の検査手段が豊富
ただし予約が必要で、すぐには受診できないことも
婦人科クリニック 小規模クリニックでは生理中の内診を避けることが多い
「生理が終わってから再度受診」を勧められることも
緊急性が高ければ対症療法のみ行い、精密検査は生理後に

受診する際は事前に電話で確認することが重要です。

受診前に電話で「生理中だが、カンジダの症状で受診したい」と伝え、対応可能か確認しましょう。これにより無駄足を防げます。

生理中に受診する際の注意点

もし生理中に受診することになった場合、以下の準備をしておくとスムーズです。

事前に生理中であることを伝える

予約時、あるいは受付時に必ず「生理中である」ことを伝えてることが大切です。

・医療機関側が準備できる
・診察方法を調整できる
・必要に応じて別の日程を提案してもらえる

生理中であることを隠して受診すると、いざ内診となった時に診察ができないケースで時間と費用の無駄になります。

経血が少ない日を選ぶ

可能であれば、生理の後半(4〜5日目以降)で経血量が少なくなってから受診すると、内診の精度が上がります。

ただし、症状が我慢できない場合は、経血量に関わらず受診してください。医師は経血があっても可能な範囲で診察・治療を行います。

タンポンの使用について

一般的には、受診前にタンポンを使用せず、経血はナプキンで対応し、内診直前にトイレで外陰部を清潔にする方法が推奨されます。タンポンがあると内診の妨げになったり、おりものサンプルの採取が困難になる場合があるためです。

医療機関によって方針が異なることもあるため、事前に確認すると安心です。

受診時に持っておくと良いもの
・清潔なナプキン(診察後用)
・おりものシートまたはナプキン数枚
・着替えの下着(念のため)
・タオルやウェットティッシュ

また、内診前に排尿を済ませておくと、膀胱が空になり診察がしやすくなります。

可能な限り外陰部を清潔にしておくことが望ましいですが、過度な洗浄は必要ありません。リラックスして臨むことも大切です。緊張すると膣が狭くなり、診察が困難になることがあります。

生理が終わるまで待つべきか、すぐ受診すべきかの判断基準

すぐに受診すべきなのは、我慢できないほどの痒みがある場合です。

生理中であっても、激しい痒みや不快感で日常生活に支障が出ているなら、我慢せずに婦人科を受診してください。生理中でも内診は可能ですし、医師は生理中の診察に慣れています。タンポンを使用していれば診察もスムーズに行えます。

痒みを我慢し続けると、掻きむしることで皮膚に傷ができ、二次感染のリスクが高まります。また、症状が悪化すればするほど、治療期間も長くなってしまいます。

発熱など他の症状を伴う場合も、即座の受診が必要です。

カンジダ症で発熱することは通常ありませんが、発熱を伴う場合は、骨盤内炎症性疾患(PID)など、より深刻な感染症の可能性があります。下腹部痛、悪臭を伴うおりもの、吐き気などの症状が加わる場合は、緊急性の高い状態です。

生理を待っている間に症状が進行すると、不妊症などの深刻な合併症につながる可能性もあるため、早急な医療介入が求められます。

初めてカンジダの症状が出た場合は、必ず医師の診断を受けるべきです。

自己判断で市販薬を使用するのは危険です。なぜなら、カンジダと似た症状を示す他の感染症(細菌性膣症、トリコモナス膣炎、性器ヘルペスなど)との鑑別が素人には困難だからです。

誤った治療を行うと症状が悪化したり、本当の原因疾患の治療が遅れたりする可能性があります。初回は必ず医師による顕微鏡検査や培養検査で正確な診断を受け、適切な治療方針を立てることが重要です。

一方、過去に医師の診断でカンジダと確定しており、同じ症状が再発した場合で、症状が軽度であれば、生理が終わるまで様子を見るという選択肢もあります。ただし、2〜3日経っても改善しない、あるいは悪化する場合は、速やかに受診してください。

まとめ

カンジダは生理周期のホルモンバランス変化によって発症しやすく、特に生理前の黄体期や生理中の蒸れた環境で悪化しやすい疾患です。生理前は免疫力を維持し通気性の良い下着を選ぶこと、生理中は生理用品をこまめに交換して蒸れを防ぐこと、生理後は症状が残っていれば速やかに受診することが重要です。

初めて症状が出た場合や症状が重い場合は、必ず医師の診断を受けてください。

近年は自宅でできる検査キットも普及していますが、これはあくまで補助的なツールです。検査キットで簡易的な確認をして、適切な治療のために医療機関を受診することをお勧めします。

治療を開始したら、症状が改善しても処方された薬を最後まで使い切ることが再発予防の鍵となります。

日常的な再発予防には、通気性の良い下着の着用、デリケートゾーンの適切な洗浄と乾燥、十分な睡眠、ストレス管理、糖分を控えた食事が効果的です。

カンジダは適切な知識と対処法があれば十分にコントロール可能な疾患ですので、症状が気になる場合は一人で悩まず専門医に相談しましょう。

 
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この記事を書いた人

臨床検査技師
所属学会
・日本臨床衛生検査技師会
・日本性感染症学会

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