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梅毒の検査方法
梅毒の検査方法は対象者の採血をして、その血液の検査を行います。 梅毒に感染すると、リン脂質(カルジオライピン)に対する抗体(CL抗体)とトレポネーマ抗体(TP抗体)の二種類の抗体が体内で作られます。感染初期にリン脂質抗体が作られ、遅れてトレポネーマ抗体が作られます。二種類の抗体を検査することによって梅毒感染の有無や治療後の経過観察を行うことができます。 脂質抗原法と梅毒トレポネーマ抗原法の結果の解釈について脂質抗原法 | トレポネーマ抗原法 | 判定 |
― | ― | 陰性または感染初期 |
+ | ― | 感染初期 ※梅毒感染症以外の疾患でも陽性となる |
+ | + | 感染または治療中 |
― | + | 過去の感染または治療後 |
血清学的検査
血清学的検査は、血液中の抗体を測定する脂質抗原法と梅毒トレポネーマ抗原法の二つに分類されます。梅毒に感染するとリン脂質(カルジオライピン)に対する抗体(CL抗体)とトレポネーマ抗体(TP抗体)の二種類の抗体が体内で作られます。脂質抗原法
脂質抗原法は、脂質抗体を測定する方法です。脂質抗体は、感染後2~4週間で陽性になることが多く、梅毒の初期診断や治療後の判定に用いられています。梅毒トレポネーマ(TP)抗原法
トレポネーマ抗原法は、梅毒トレポネーマに対する抗体を測定する方法で特異度の高い検査方法です。トレポネーマ抗体は、感染後4〜6週間ほどで陽性となります。 梅毒のTP法の中にも、血液中の抗体または抗原を専用の検査機器で測定する「自動免疫測定法」と、妊娠検査薬と同様に検査キットに現れる線を目視で判定する簡易的な検査方法「イムノクロマト法」などがあります。自動免疫測定法
自動免疫測定法とは、血液中の抗体または抗原を専用の検査機器で測定する検査方法です。 専用検査機器を使用するためには、専用の施設や設備、機器のメンテナンスの必要がありますが、精度の高い検査結果を出すことができます。 自動免疫測定法には、ECLIA法、CLEIA法、比濁法などいくつかの種類があります。イムノクロマト法
イムノクロマト法とは、妊娠検査薬と同様に検査キットに現れる線を目視で判定する簡易的な検査方法です。専用検査機器や設備などが不要で、簡易的に検査を行うことができますが、自動免疫測定法と異なり、検査結果を目視で判定するため、検査精度が落ちることがあります。 イムノクロマト法は、自己診断型の検査キットでよく使用されます。PCR検査
PCR検査は、特定の生物・ウイルスの特徴的な遺伝子配列を増幅することで、生物の分類や病原体の検出につなげることができる検査方法です。病変部位の滲出液や脳脊髄液などのサンプルから梅毒トレポネーマの遺伝子を検出することができます。病理組織検査
暗視野顕微鏡を使用し、皮膚や粘膜の病変部から梅毒トレポネーマを直接観察する方法です。本検査では、病変部から採取したサンプルを暗視野顕微鏡で観察し、梅毒トレポネーマの特徴的な螺旋形状を確認します。食環境衛生研究所の梅毒検査方法



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