食中毒の原因は、大きく分けると食材由来、従事者由来、設備・施設由来が挙げられます。設備がきちんと完備され、施設が最新で、清掃が良くても食中毒を起こしてしまいます。それは従事者の意識に問題があるからです。
従事者が「なぜそれをしないといけないか?」「それをしなければどうなるのか?」がきちんと理解していることが重要となります。そこで従事者に対する衛生教育がポイントとなります。一般的に家庭での食品衛生も工場の食品衛生も基本は一緒なので、実施するに当たって難しい事が要求されることはありません。しかし、家庭ではきちんと実施されているのに、工場や厨房で実施されていない一例として、「ふきん」「ダスター」の取り扱いが挙げられます。
誰が想像しても「ふきん」「ダスター」は、拭いたり、擦ったりすることでその対象をきれいにするために使用するものです。ところが工場や厨房の「ふきん」や「ダスター」の取り扱いは、家庭で言えば「雑巾」に当たります。この状況ではどの工場や厨房も力を入れて行っている「手洗い」も、「ふきん」「ダスター」に触れた瞬間に雑菌だらけとなり、行為そのものが無意味なものになってしまいます。