豚インフルエンザ/新型インフルエンザとは

<豚インフルエンザ/新型インフルエンザ>
人のインフルエンザウイルスにはA,B,Cの3つの型があり、A型は更に3つの亜型に分かれます。この3つの亜型のうちの2つが過去に人から豚に感染し、豚の間に定着したものと考えられています。その豚の間で馴化したものが豚型インフルエンザの豚型と香港型ウイルスです。
 
*人以外、A型インフルエンザとしては表面タンパクのHとNの抗原性の組み合わせにより多種の亜型に分類されます。

<豚に限定して感染する>つまり、豚インフルエンザは、A型インフルエンザによって起こる豚の呼吸器病です。豚インフルエンザウイルスは年間を通して豚間での感染を引き起こしていますが、豚から人への感染は一般的にはありません。豚に馴化しているため豚型インフルエンザと呼ばれ、容易に人への感染を引き起こしません。

<人への感染>今までの人への感染は豚への接触が濃厚であった場合が原因となっていました。
今回、メキシコで流行している豚インフルエンザはH1N1/豚型で、人で流行するH1N1/ヒト型(Aソ連型)とはH及びN型は一致していますが、全く異なった抗原性を有する別タイプの株です。インフルエンザウイルスはH及びN型が一致したとしても同一のタイプとは断定できません。ほとんどの場合が、変異を繰り返した別タイプの株であることから、毎年製造される人用のインフルエンザワクチンにあっても流行を見据えたうえで慎重に株が選択されている状況からもその変異の速さが伺えます。

<豚インフルエンザの感染例>
日本では、豚インフルエンザに感染した人の例はありませんが、これまで確認された人の事例のほとんどは、感染した豚に直接関与した場合によるものです。
つまり、通常は人には感染しません。しかし、散発的には過去にも豚インフルエンザの人への感染が発生しています。例えば、1988年にアメリカの養豚場で流行した豚インフルエンザが複数の人に感染が広がった例が報告されています。過去の記録ではアメリカにおいて1~2年で1例程度の発生報告が、あるとの事です。

<感染経路>
今回、人から人へ感染しているとすれば季節性のインフルエンザの感染経路と同様、咳やくしゃみによる飛沫が原因で感染しているものと思われます。

<パンデミック>
パンデミック(世界的な大流行)とは、人から人へ容易に感染が広まる新しい抗原性を有するウイルスによるものです。今回、メキシコで流行が始まった豚インフルエンザに関し、WHOは世界的大流行を意味する警戒度をフェーズ6に引き上げました。

<豚インフルエンザの種類>
現時点で判明している豚インフルエンザはH1N1、H1N2、H3N2及びH3N1の4種類です。

<豚肉は安全か?>豚インフルエンザは、豚肉や豚肉の加工品を食べても感染するものではありません。
輸入品(食品)に対する対応は、特に必要ないと考えられます。インフルエンザウイルスは、通常の環境中で長期間生存しませんし、豚肉や加工食品に高濃度でインフルエンザウイルスが付着することは考えづらく、万一、ウイルスが付着していたとしてもインフルエンザウイルスは熱に弱く、加熱調理することで死滅します(中心温度71℃で死滅)。また、加熱は不十分であったとしてもインフルエンザウイルスは酸に弱いことから胃酸で死滅する可能性が高いと思われます。インフルエンザウイルスは咳やくしゃみによる飛沫が原因で呼吸器粘膜から感染するものであって経口感染(口から入る)するものではないからです。

<予防>
予防としてはマスクの使用、手洗い、うがいなどです。
豚インフルエンザの人用ワクチンは開発されていませんが、豚用のワクチンは以前から販売されており、熱心な養豚家では接種を済ませています。

<治療薬>
4種類の承認された抗インフルエンザウイルス薬があります。

※注意
*インフルエンザは未解明な部分が多数あることから、今後徐々に解明されていくことにより、上記内容や状態が急速に変わることがあります。

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