2.食中毒を予防するには?家庭で食中毒が発生する場合の感染源は、主に食品に病原菌がいる場合と調理する人が病原菌を運んでくる場合の2通りがあります。いずれも、日頃からのちょっとした注意により食中毒は予防できると考えてよいでしょう。
1.夏場に注意! 病原菌のことから考えて、高温・多湿はもっとも繁殖しやすい環境です。また、食する者の立場から考えてみると、夏場は食品を加熱せずに口にする機会が多いと思われます。このことから、食中毒は季節と密接な関係がありますので、特に夏場には要注意して下さい。
2.生ものに注意!
細菌性食中毒の感染源となる食品の多くは、魚介類、肉類、卵等です。体の弱っているときや食品が新鮮でないときは生食を控え、きちんと加熱して食べるようにしましょう。
3.生鮮食品はできるだけ低温保存しましょう!
菌体増殖を防ぐには、低温冷蔵が基本となります。生鮮食品を購入した場合にはできるだけ早く食べるか、すぐに低温冷蔵するよう心がけましょう。
4.冷蔵庫の過信は禁物!
病原菌のほとんどが、10℃を越えると増殖しやすくなります。冷蔵庫に物を過剰に詰め込んでいたり、ドアを頻繁に開閉したりすると庫内の温度は上昇し、病原菌の増殖する環境になりますので注意しましょう。
5.傷のある手で調理をしない
傷口にいる黄色ブドウ球菌は食中毒の原因になります。手に傷のある場合にはできるだけ調理しないようにして下さい。
6.時間に注意!
細菌は驚くべき早さで短時間に増殖します。材料には発症するほどの菌の数がいない場合でも、調理途中に作業を中断して材料をそのままに放置したりすることによって増殖してしまいます。このようにどんなに新鮮な物を購入したからといっても短時間に調理し、その後もすぐに食しないことには発症は防げないことを念頭に置いて下さい。
7.手を洗いましょう
手は人間の部位の中で最も汚染されているものと考えて下さい。調理する前はもちろんのこと、生ものをさわった後にはこまめに石鹸で洗うことが大切です。食材を購入し、口にはいるまでの間にどれだけ手を洗っているかがポイントとなります。
8.調理器具類は清潔に
手と同様に食品に触れる物は常に清潔にしておくことが肝心です。まな板・包丁などは特に注意して下さい。生ものを扱った後でそのままにしておきますと、汚染を拡げる媒体にしかなりません。調理器具類は常に清潔にし、使い終わった後はきちんと消毒しておくことが重要です。
3.おわりに…
食中毒の原因菌は目に見えないものであるだけに、その対策には細心の注意を払わなければなりません。冷蔵庫の過信、材料の放置、賞味期限切れというようなことが、発症させるに十分な数まで病原菌を増大さてしまうことにつながるです。
しかし食中毒は、正しい知識と正しい処置があればそんなに恐れるほどのものではありません。いつも清潔にし、材料は新鮮なうちに調理し、出来上がったおかずはすぐに食する。不安なときには、食さないか、加熱するか、酢でしめたりというような工夫をする、というような誰もが知っていて家庭でも十分に対応できる極当たり前の知恵をもってすれば、少なくとも家庭内が原因の食中毒はなくすることができるわけです。
身のまわりのありとあらゆる所に細菌がいるわけですから、細菌と上手に付き合っていくにはどのようにすれば良いのかということが、食中毒の予防につながるのではないかと思います。そのことを踏まえて、もう一度御家族皆さんでよく考えてみてはいかがでしょうか。