やっと全国的に報道されてきましたが、地元の現状をお知らせします。一番被害の多い川南町は私の地元です。今日からワクチン接種後の殺処分が始まりましたが、これは苦渋の決断です。今の方法によるウイルスの封じ込めでは、全然間に合いません。今でも毎日10ヶ所くらいのペースで隣市町村にまで拡大してます。このままでは、九州全体にまで広がる恐れがあります。すべては殺処分の遅れが原因です。埋設場所の確保ができないからです。牛の症状は比較的軽く、風邪とあまり変わりません。2,3日くらいで回復し、食欲も出てきます。最初に報告した獣医師は実際、ある程度、治療をこころみています。しかし、うつるようなのと、口の中の水ほうを見て、初めて口蹄疫を疑ったそうです。水牛では単なる下痢だったそうです。ただ、豚の場合は酷く、哺乳豚は2,3日で死亡します。母豚は朝方口唇に水ほうを見つければ、夜には蹄まで広がります。現在は生産者が見つけて、家保に直接、電話連絡してます。口蹄疫と確認された農家は7日間は自宅待機です。また、同じ部落内の農協職員や畜産関係の職員も7日間、自宅待機となります。地元の獣医師は全く動けません。農家に行けないので、往診による診療、牛、豚の予防注射、狂犬病の集合注射はすべて中止です。知事の非常事態宣言(法的ではない)以降は、県下の各種イベント、部活、剣道の稽古も中止、図書館等の公共施設は閉鎖しています。暇なので、本を読もうにも、借りられません。郡には、40人近くの獣医師が牛、豚に関わっていましたが、今後、仕事がなくなりました。農家には支援措置がありますが、薬屋、餌屋、配送業者、建設、土木業者、授精師、畜連、居酒屋や料理屋、養豚会社の社員、農場の従業員、共済組合や我々個人開業獣医師等の関連業界は、壊滅的な大打撃です。昨夜、友達と居酒屋に行きましたが、普通は、予約が必要なお店ですが、閑散としていました。ワクチン接種は家保と国からの派遣獣医師がおこなうみたいです。郡の獣医師会では、一応要員は確保してますが、まだ要請はないようです。一口に10キロ圏内の全頭殺処分、20キロ圏内の全頭の早期と殺といっても並大抵では、ありません。埋める場所、屠畜場の冷凍庫の問題、と殺後の汚物の処理、人員の確保など、課題は山積しています。川南は日本でも有数の畜産の町でした。ここから、1頭も牛、豚がいなくなるなど、信じられません。 5月22日付
ワクチンは豚に限って23日に地元の獣医師に要請があり、今日までに終わりました。国からの派遣獣医師は直接、畜産にかかわっていない方々みたいで、地元の農家ら苦情が出ました。あと、ワクチンに同意しない農家と、2週令以下の哺乳豚が残っています。殺処分は家保の獣医師とボランティアの方々です。しかし、あと20万頭近くが、未処分です。 5月25日付
昨夜の居酒屋は私一人でした。通りでは誰もみかけなかったです。風評被害がでています。具体的に聞きました。川南の野菜農家が他町に持っていったら、帰れと言われた。マンゴウ農家は仲買人から買いたたかれた。川南漁港で水揚げされた魚介類はいらないと言われた等です。 殺処分された農家だけには見舞金はわたったそうですが、まだ、補償金は全然未決定です。 5月26日付
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