お茶系ダイエット飲料の効果って・・・?「その2」

前回に引き続き・・
今回は「黒○龍茶」について考察したいと思います。

こちらの商品、前回の「脂肪を燃焼させる」と謳う商品とは異なり、
「脂肪を吸収しにくくする」ことを効能として掲げています。
原理としては「ウーロン茶重合ポリフェノール(OTPP)」が
脂肪を分解する膵リパーゼの作用を阻害し、
腸管からの脂肪吸収を阻害することを原理としています。

OTPPの効能については、意外と論文がそろっていて、
上記効果により血清トリグリセリド(TG)値が低下するという
結果は明らからしいです。TG値というのは、
簡単に、腸管から吸収された、血液中の
中性脂肪の量と考えていただいて大丈夫だと思います。

ただ、「吸収しにくくする」という点には落とし穴があります。

一つは、人体に有効な成分まで吸収しにくくしている可能性があること、
言わずもがな、過剰の中性脂肪は肥満の原因ですが、
適量の中性脂肪は人体を維持するために必要不可欠です。
また、こういった中性脂肪になじみやすい物質(親油性の栄養素)についても、
腸内で中性脂肪が分解されないために、吸収されにくい状態で維持され
少なからず排出されてしまっているのでは?と推測しています。

もう一つは、直接食べた中性脂肪分にのみ多少有効ということなので
炭水化物の食べ過ぎにより、体内合成される中性脂肪については、
原理的に効果の対象外です。

少し話がそれますが、吸収されないで腸管を通過した脂肪分が
他の食物繊維等の割合に比べ大量であった場合、
下痢の原因になります。
吸収されなかった油分はそのまま液体として排出されるからです。

前回と同様のまとめとなってしまいますが、
健康食品を過信してはいけません。
これさえ飲めば、いくら食べても大丈夫!
・・それは確実に「幻想」です。

製品の特性を理解した上で、今日は中性脂肪の多い食品を摂る予定だから、
少しでも吸収を抑制するために、この商品を一緒に飲もうという発想。
・・・結構です。
健康的な食事がしたいという考えに違いはありません。
ただ、その方向性として、
通常の食事に、少し高いけど高機能を謳う
「健康食品」をプラスする生活か、
肉、お酒を少し減らして、その分、少し高いけど
食物繊維豊富で満腹作用のある「野菜」をプラスする生活か・・

「適切な食事をとる」という事を視点に、
皆さんのライフスタイルにあわせた感覚で
自己判断していただけたらと思います。

( Analyst 23 )

放射性物質分析 食品検査食品分析残留農薬残留抗生物質
株式会社 食環境衛生研究所

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