ジビエ(野生鳥獣の肉)を、生または加熱不十分な状態で食べると、E型肝炎ウイルス、腸管出血性大腸菌や寄生虫による食中毒をひきおこす場合があります。
ジビエは、家畜と異なり生産段階での管理ができておらず、さまざまな動物由来感染症の病原体や寄生虫を保有している可能性が高いことが分かっています。
家畜とジビエでは、解体処理における違いがあります。
✅家畜
と畜場へ生きたまま搬入される。
常駐している、と畜検査員(獣医師)立ち合いのもと、解体処理がされる。
✅ジビエ
狩猟者が野山で捕獲する。
野生獣専用の食肉処理施設で解体処理される。
食品衛生の専門家は常駐せず、公的検査の義務付けは無い。
日本におけるジビエが原因で発生した人獣共通感染症の一例をご紹介します🦌
〇1981年 三重県
原因食品:冷凍ツキノワグマの刺身
感染症 :トリヒナ症
患者数 :172人(死者0)
〇2001年 大分県
原因食品:シカ肉の刺身
感染症 :腸管出血性大腸菌感染症
患者数 :3人(死者0)
〇2005年 福岡県
原因食品:野生イノシシの肉
感染症 :E型肝炎
患者数 :1人(死者0)
〇2009年 神奈川県
原因食品:野生シカ肉(推定)
感染症 :不明
患者数 :5人(死者0)
〇2016年 茨城県
原因食品:クマ肉のロースト
感染症 :トリヒナ
患者数 :15人(死者0)
食環境衛生研究所で検査可能な項目について▼
ジビエの衛生管理とリスク低減のための検査項目
ジビエセミナー情報▼
【ご案内】ジビエの衛生管理に関する研修の実施について
参考▼
一般社団法人日本ジビエ振興協会