あけましておめでとうございます

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 昨年末は、政権交代で誕生した民主党が「事業仕分け」という派手なパフォーマンスを演出しました。
そのおかげで不透明だった予算編成の仕組みや、膨大な無駄が、事業仕分けワーキンググループの活躍で国民の目の前に明らかにされた。
「特に蓮舫議員が注目されましたねー。」
 正直、ドキドキするほど楽しかったですし、「もっとやれ!!」みたいなところがありましたね。
 しかし、不透明な無駄遣いは決して人ごとではありません。
 早い話が、我々にも存在すると思います。皆さんも、あの蓮舫議員のような鋭い追求を受けたら、相当の無駄が明らかになるのではないですか。

 と云うことで、今年の目標「自分も事業仕分けされないように頑張る。」にしようと思います。

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AA

アクリルアミド

発がん性物質グループ2A(人に対しておそらく発がん性にある物質)
食品中ではアミノ酸と糖が加熱されることにより生成されるといわれている。重合体になると毒性は失われる。
凝集剤、化粧品原料、塗料原料などとして利用されている。
もともと食品に添加する用途はなかったので見向きもされなかったが、2002年にスウェーデンで発表され世界的に問題になっている。トンネル工事の材料として使用されており、従事者の健康被害を調査する際にとった対照としての非従事者の血液中からもアクリルアミドが検出されたことから食品に含まれることが分かったものである。基準値はまだ摂取許容量が定まっておらず設けられていないが、ほとんどの加工食品に含まれると言っていいだろう。

このような物質がまだ世の中には数え切れぬほどあり、またこれからも増えていくと思われる。
製造業者が悪いわけでも生産者が悪いわけでもない。
人類全体の業である。
世の中は消費者が求める方向に流されていこうとする。
我々は一つ一つの行動にもっと責任を持たなければならない。

≪星刻≫

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ノロウイルス

この時期になるとノロウイルスにより食中毒になった報道が相次ぐ。
今日の新聞でも群馬県(太田市)や神奈川県(横浜市)のホテルで食事した数十名の方が下痢や嘔吐の症状で入院したとの記事があった。
生の海産物、特に二枚貝がこのウイルスを保有しているようである。
生で食しない限りノロウイルスの感染はないのであるが、日本人は生で食べる習慣が根付いているため全てを加熱して食することはない。
毎年、このような事故が起こることが想定されるのであれば、鶏インフルエンザウイルスのようにワクチンによる予防等の対策はできないものだろうか?。
感染してから治療するといったことでは遅くないだろうか?。
老人や子供のように体力のない方たちなどは重篤になる恐れもあるのでは?と心配に思う。

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食品問題と報道について

2006年米国産牛が輸入解禁になったかと思えば、すぐに輸入禁止となった。「米農務省の監察官事務所によるBSE(牛海綿状脳症)対策監査で、米国内の食肉処理施設がBSE感染の兆候とされる歩行困難牛(へたり牛)20頭を原因不明のまま食肉処理していたことが分かった。歩行困難牛は食肉処理が禁じられており、米国のずさんな体制が新たに発覚したことで、日本の消費者の不安がさらに高まるのは必至。特定危険部位の混入で再停止された米国産牛肉の輸入の再開時期に影響しそうだ。」と報道された。

ずさんな体制化にありながらも輸出体制をとった米国とそれを見抜けずにして輸入しようとした日本が検査発覚を境に輸入を停止という事件。報道を見た人は実際に狂牛病で牛が倒れるシーンが画面に無くとも脳裏に浮かぶ筈である。私も報道を目にする度に思い起こされ不安になる。同時にいつも不安な状況にさせる報道がいくらかでも安心させるような報道には出来ないものかという思いになる。

この思いは単に事件の解決だけを祈る思いでなく、報道の方法に改善の余地はないかという思いである。「食」に関わる報道は、対岸の火事的事件とならずに各々の生活に降りかかっている事が多い。だから、他の事件報道とは異なり、事件の成り立ちや状況・結果だけにとどまらずに、その報道を目にした時にどのような心境になり、どのような影響が出るかを配慮する事が重要と思われる。

通常の事件ではほとんどが必要の無い配慮かもしれないが、生活に密接度が濃くなり専門知識を必要とされる事件ほど見る人、聞く人の知識や先入観で事件の受け捉え方が変わり、事件とは関係のない犠牲者を生む(風評被害)事があるように思える。

数年前のBSE問題では経営を止めた「生産農家」や倒産した「焼肉店」もあったし、BSEに限らずほうれん草事件や鳥インフルエンザの報道に関しても同様に思えた。今後もこのような問題はますます増大し、世の中を不安に陥れると思うが、国を相手にした消費者にとっての正義のヒーロー的報道だけでなく、その流通の過程(農場から食卓まで)をきちんと踏まえたなかで報道の在り方をきちんと見直して欲しい。

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賢い細菌

人間を含む動物には免疫機能があって、好中球、リンパ球、マクロファージなどがいつも外界から入ってくる異物と戦ってくれています。なのにどうやって病原細菌は体の中で増えて悪さをすることができるのでしょうか?実は細菌の中にはこの免疫機能をかいくぐる術をもった賢いものがいるのです。以下にその例をいくつかあげてみましょう。
【莢膜】
細菌のまわりにあるゼリー状の膜で、文字通り「莢(さや)」となって好中球やマクロファージに食べられないように身を守ります。
【コアグラーゼ】
細菌が出す酵素で、血液を凝固させてしまう作用があります。その凝固した成分を菌体自身に纏うことによってバリヤをつくり、好中球やマクロファージに食べられないように身を守ります。
【プロテアーゼ】
これも細菌が出す酵素です。生体側の武器である免疫グロブリン(抗体)を破壊してしまいます。

もちろんこれらはほんの一例で、細菌の病原性を担う要素は他にも数多くあります。
また、これら細菌を撃退しようと抗生剤を投与しても薬剤耐性菌なるものが出現することも多々あります。目に見えないほどの小さな生き物であるにもかかわらず、実に巧妙な機能が備わっているものですね。

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ポジティブリストについて

残留農薬などのポジティブリスト制とは、「基準が設定されてない農薬等が一定量以上含まれる食品の流通を原則禁止する制度」のことです。以前の制度では、農薬、飼料添加物及び動物用医薬品のうち、241の農薬と29の動物薬に残留基準が設定されており、残留基準を超えている食品の流通は禁止されていますが、その中に含まれない農薬等に関しては、たとえ食品に残留していても基本的に流通の規制はありませんでした。

ポジティブリスト制はこれまでに基準のなかったものに対して基準を設定し、人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとの区別を明確にします。流通するすべての食品に関して農薬、動物用医薬品、飼料添加物の残留による人々の健康被害を保護する目的があるのです。

残留農薬の分析は、「個別分析法」と言って膨大な時間と手間を要するものでした。しかし、数百種類ある農薬の残留を試験するのには、全く対応が出来ません。そこで「ポジティブリスト制」に対応するために、現在では「多成分一斉分析法」という方法を取り入れている検査機関が増えています。

農薬の基準値の設定や検査方法の確立など移行期間までに解決しなければならないことが多々あると考えられますが、行政と食品関連業者、そして検査機関がそれぞれの役割を認識し対応していかなければ「人々の健康被害を保護する」という目的を達成することはできないのです。

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豚丹毒

群馬県内での豚丹毒の発生は2008年に急増し、と畜場での心内膜炎型の摘発増加と強毒株による敗血症型の流行がみられました。豚丹毒の原因菌は、豚以外の健康な動物にも感染し、自然界にも広く分布しています。健康な豚の扁桃、胆嚢、腸管、皮膚などからも分離されることがありますので、ワクチン接種の効果を高めるため、日常の良好な飼養管理と衛生管理を徹底し、発生予防に努めましょう。豚丹毒の治療にはペニシリン系薬剤の投与が有効ですが、投与量は通常の10倍量が必要とされているので用量に注意が必要です。また、豚丹毒を疑うような突然死した豚は病性鑑定を受けるようにしましょう。斃死豚は速やかに豚舎から運び出し、集積場は野生動物が侵入しないような対策をとりましょう。集積場や豚舎の周囲に石灰を散布することも侵入防止に効果的です。

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農水副大臣

あんまり、副大臣について気にしたことがないのですが、最近はよく耳にするようになりました。

農林水産副大臣 山田正彦さん。

わたし初めて副大臣のブログとか拝見しちゃいました。
戸別保障制度について意見を述べられている動画が掲載されていたり、とても参考になりました。

でも、一番親しみを覚えたのは、なんと副大臣は以前に養豚業をしていたとの事!!
これには、わたしの周りの養豚家さん達も同意見みたいです。
生産現場を理解した方が農業政策に携わっている事はうれしいことです。

先週以下の記事を目にしました。

豚価低迷で経営難に陥っている養豚農家への追加支援策を検討していた農水省は15日、地域肉豚(肉豚価格差補てん緊急支援特別対策事業)を補完する形で、枝肉1kg当たり20円(1頭当たり約1,500円)を上限とする緊急支援対策の実施を発表した。追加支援策は、肉豚の省令価格(肉豚生産における物財費相当)が440円を下回った場合、その差額の2分の1相当を補てんする仕組み。来年1~3月に出荷される分が対象で、農畜産業振興機構を通じて毎月支払われる予定。生産者の負担は全く無く、所要額は35億円が見込まれている。

生産現場は厳しい状況です。
一刻も早く畜産業界に「光」が欲しいです。

ヤマダ

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記録の付け方

近年食品業界でもISO9001やISO22000を取得している企業が増えています。大半の取得された企業は、外部に対しての信頼を得て取引を優位にしています。しかし、大半の企業はそこまでです。つまり、取得することにより企業本来の基盤をよりよく改善し、熟成させている企業は無いに等しい、と感じられます。このままでは、大半の企業が取得した場合、『外部に対しての信頼』という優位性は薄れていくでしょう。

このことは、クレームが生じ、原因究明のため記録書を確認させていただいたときによく感じます。このような企業には共通して取得して数年経っているのに、記録書の更新が無い、さらに、追跡調査を行ってみても、追跡できないという問題が発生しています。

理由として、記録者からは『作業が大変な上に書類がたくさんあって大変だ』という言葉をよく聞きます。その理由にISO取得には、コンサルタント会社が入って指導してくれますが、実際はISOそのものの専門であって、それぞれの企業の専門ではないということを忘れてはいけません。どうしても、取得時には、企業として運用する上で過剰な記録書が出てしまいがちですが、実際に運用するうえで、不備、過剰があれば自らで常時改善していかなくてはなりません。

また記録書を改善しても、記録者にその記録する意味を理解させていないことも問題です。記録者は、『書くこと』が仕事になってしまい、不適合が発生してもそのまま記録し、原因の究明や改善はされないままになっています。書類には、『不適合の場合は、上司に報告すること』と記載があり、また、確認印まで押してあるにもかかわらずです。確認者も『確認する』ための捺印ではなく、『捺印が仕事』になっているために生じた問題です。

これらの発生を防ぎ、ISO本来の目的である経営基盤の改善・熟成、ひいては顧客要求を満たすためには、まず経営者自らが、なぜこの記録書が必要なのか、この記録書によって会社内外で起こっている事故に対して、追跡調査できるかなど常に問題意識を持ち続け、自らの強いリーダーシップで、継続的な改善を実行し、その重要性を全社員が認識できるような社内コミュニケーションの活性化を実現していくことが重要です。

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寄生虫のたいさく。

近年は昔と異なって衛生状態が良くなったこともあり、各農場で皮膚炎症を起こしている種豚や子豚は見られなくなりましたが、近頃ちらほらですがまた発生が目立って来ているように感じます。
原因としては飼料の栄養バランスの乱れや、炎症などが起こりやすい品種の存在、妊娠期間の清掃不備、近年の異常気象による乾燥環境などがあげられますが、意外に駆虫対応プログラムの勘違いや失敗が原因になっていることも考えられます。
今回は駆虫プログラムを的確に実施していると安心していた農場の一例を基に、実際に起こった外部寄生虫汚染(疥癬)と内部寄生虫汚染(回虫)について、その発生原因と対応について考えていきたいと思います。
外部寄生虫汚染(疥癬)が発生した農場の概要
①400頭一貫経営の農場、飼養品種はLW、外部導入システム。
②イベルメクチン製剤(注射薬)を使用。
③種豚舎、分娩舎の衛生状態には特に問題が見られない。
外部寄生虫汚染(疥癬)の発生原因として考えられること
①イベルメクチン製剤(注射薬)の注射量不足。体重1kg当たり0.03mlの接種量が必要だが、飼養している種豚の体格が良いのにも関わらず、1回の接種量が5ml/頭になっていた。
②雄豚への接種が行なわれていなかった。
③導入豚(♂、♀)への接種が行なわれていなかった。
外部寄生虫汚染(疥癬)の対応として行ったこと
①イベルメクチン製剤(注射薬)の注射量の再考。
導入時:4ml/頭。初産母豚:6~7ml/頭。経産母豚:7~8ml/頭。雄豚:8~9ml/頭。※あくまでも対象豚の大きさ(体重)から換算することが必要。
②雄豚への接種を実施。導入時に1回接種、その後は淘汰するまで年間2回以上の接種。
③導入豚(♂、♀)への接種を実施。導入後早い時期に1回接種。
内部寄生虫(回虫)が発生した農場
①300頭一貫経営の農場、飼養品種はLW、外部導入システム。
②イベルメクチン製剤(プレミックス)を使用。
③種豚舎、分娩舎の衛生状態には特に問題が見られない。
内部寄生虫汚染(回虫)の発生原因として考えられること
①イベルメクチン製剤(プレミックス)の投薬期間の不備。分娩舎入舎時(分娩予定の3~5日前平均で入舎)での1回投薬法で実施していた。
②雄豚への実施がされていなかった。
③導入豚(♂、♀)への実施がされていなかった。
内部寄生虫汚染(回虫)の対応として行ったこと
①イベルメクチン製剤(プレミックス)の使用プログラムの再考。
導入時:導入後早い時期に7日間のトップドレスにて投薬。
母豚:分娩4週前~3週前の7日間、トップドレスにて投薬。又、非生産母豚の存在があるので、11月頃の年1回で7日間のみ、種豚群全体にトップドレスによる投薬を追加実施。
雄豚:1回7日間で年間2回以上、トップドレスにて投薬。
②種豚群のプログラムが一順する間、子豚へのイベルメクチン製剤(注射薬)を使用した防除プログラムを実施。※離乳時頃に全頭接種。
総括
外部寄生虫汚染(疥癬)が発生した農場や、内部寄生虫汚染(回虫)が発生した農場において、今回提示した対応を行って貰ったところ、どちらの農場でも顕著に改善が認められました。今回のようなちょっとした勘違いは、折角使用している薬剤自体の無駄にも繋がり、“費用対効果”が薄れてしまいます。今後はこのような勘違いが起こらないように、さらなる確認と説明を行っていきたいと思います。
yuuichi-kikuchi

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