分析機器紹介 その2 (LC/MS/MS API3200)

弊社で活躍している分析機器の紹介第二弾になります。
今回はLC/MS/MS API3200についての紹介です。

検出器(MS/MS部):写真右側

メーカー:ABSCIEX

機種名:API3200

質量分離部:トリプル四重極

HPLC: QTRAP4500と同系装置

機器定価: 62,590,300円 (一式)

このAPI3200は先に紹介したQTRAP4500と比較すると
感度(低濃度まで検査できる能力)こそ劣りますが、その高い堅牢性から、
ルーチンの検査等、第一線で活躍している機種になります。

現在、弊社では上記検出器を2台所有しております。
一台の機器の価格でも住宅が購入できるような金額ですが、それでも、コストパフォーマンスという言葉を用いるならば、このAPI3200は他の分析機器と比較しても優秀な分析機器であると感じています。

残留する農薬成分、動物用医薬品成分の検査をご希望であれば、
上記装置にて、丁寧に検査させていただきたいと思っておりますので、
お気軽にご相談・ご質問等、お問い合わせください。

検査の詳細はHPへ → 食環境衛生研究所

分析機器紹介 その1(LC/MS/MS QTRAP4500)

弊社で活躍している分析機器の紹介をしたいと思います。
第一弾として主に残留試験や同等性試験等で使用しているLC/MS/MS QTRAP4500についての紹介です。
検出器(MS/MS部):写真右側
メーカー:ABSCIEX
機種名:QTRAP4500
質量分離部:トリプル四重極
HPLC:写真左側
メーカー:島津
機種名:prominence
このQTRAP4500は去年度の年末に導入したばかりの機種ですが、医薬品の残留試験試験や同等性試験等で活躍しております。
この機種の特徴としては非常に感度が高く、物質にもよりますが現在の試験では標準品でpptレベルを分析する事が可能となっています。(1pptは標準液で言うと目的成分が1mL中1兆分の1gという事になります、とても低いレベルです)
QTRAP機能が搭載されて従来のものよりも更に性能が上がっているために、分離されてきた成分をトラップして感度を上げたり、MS/MS測定でも分離が厳しい成分に対してMS/MS/MS分離をする事が出来る為(メーカーではMRM3と呼んでいます)選択性を上げることが出来ます。
これはこのメーカーのMS/MSに共通する事ですが、感度の安定感や堅牢性が非常に高く、とても使いやすい機種です。
しかし、いくら良い機械とは言え、良い分析結果を得るためには良い分析条件の検討とまめなメンテナンスは欠かせません。
何故かと言えば、MS/MSはサンプル抽出物由来の汚れ等(マトリックス)によって影響を受ける検出器であります。
その為、分析条件を検討し極力マトリックスをMS/MSに入れない事と、メンテナンスを行う事により機器を一定の状態に保つ事が大切になります。
オペレーターも良い結果を出すために日々の努力が必要となりますが、今までの検出器では考えられなかったような高感度分析や選択性の有る分析をすることが出来る為、現在の分析には欠かせない存在です。
GLP試験をはじめとした残留試験や同等性試験で高感度分析が必要な方は弊社まで是非お問い合わせください。

動物用医薬品臨床試験(GCP・GLP)放射性物質分析食品検査残留農薬残留抗生物質 株式会社 食環境衛生研究所

会社の玄関から怪しい光が

最近、夕方になると会社の玄関から怪しい光が漏れ出ているので不可思議に思った方もいるかもしれませんが、別に怪しい試験をしているわけでも、夜の営業を始めたわけでもありません。

日当たりのよい玄関に置かれた水耕栽培のLEDライトが夕方になると点灯するのです。


試験的にといえばそうかもしれませんが、それにしても怪しい。(イワザキ)

2014年度新卒者採用会社説明会(2回目)

7月5日 食品検査、畜産検査、食品環境衛生営業部門合同の会社説明会を行いました。
前橋テルサの会場には、今回も80名以上の学生に来ていただけました。


さすがに2回目なので落ち着いて説明できたと思います。

しかし、会社に戻ってからティッシュで顔を拭いて青色が付いたので気付いたのですが、私が会場で汗を拭いていたタオル

新品をそのまま使用していたところ、説明会で汗を拭うたびに色落ちしていたようで、顔色が徐々に青くなっていたようです。
おそらく、会場の学生たちには気付かれていないとは思いますが、気付いた方にはご心配をお掛けしたかもしれません。この場を借りてお詫びさせていただきます。
ともあれ、小さな失敗はありましたが、個人的には95点の大合格点でした。

皆さまのエントリーをお待ちしています。(イワザキ)

2014年度会社説明会(1回目)

7月1日 食品検査、畜産検査部門合同の会社説明会を行いました。
前橋テルサの会場には、全体で80名以上の学生に来ていただけました。

食品検査の説明をさせていただきましたが、不慣れなため皆さまにはお聞き苦しい点もあったとは思いますが、個人的には80点くらいの合格点でした。
7月5日の合同説明会では、もう少し落ち着いて話せると思いますので、よろしくお願いいたします。
(イワザキ)

きれいになりました!

5月~6月にかけて群馬県では春の環境美化運動を行っています。
当社もこれに合わせ、分析センター有志の社員で本日ボランティアの道路清掃を行ってまいりました。
場所は会社付近の社有耕地周辺の、国道沿いで交差点付近の道路わきなどです。
道路から一段低くなっており、交差点で停止した車からの投げ捨てゴミが以前から多くみられていましたので、今回はここをきれいにしてみました。

ここ数日は日中の気温も高く、紫外線も多かったのですが、女の子も含めみんな頑張ってゴミを回収してくれました。



開始から30分であっというまにゴミ袋が一杯になりおどろきです。

すっかりきれいになりました。
となりにはわが社の畑!!いまはブロッコリーが植わっています。
みんなお日様を浴びてすくすく育っているようです。

頑張ってくれたみんなに感謝!!

残留農薬検査「料金」の秘密

弊社の残留農薬検査料金は現在、
一斉分析149項目を ¥31,500 からご提供しております。

この値段、高いと思います?安いと思います?

スーパーの特売記事を見て数十円単位の安さを求める主婦目線からいけば、
「3万円なんて高すぎる!!もっと安くならないの?」
という声が聞こえてきそうな気がしますが・・・
そもそも、この値段の内訳ってどうなっているのでしょう?
今回は残留農薬検査の価格についてご説明いたします。

農薬検査料金の内訳は簡単に以下の4つです

・ 検査に使う消耗品代
・ 分析機器の使用費
・ 人件費
・ 報告書などの諸経費+利益分

まず、検査に使う消耗品とは、例えばキャベツの農薬を計りたい場合、
もちろんそのままでは計ることができません。
「前処理」という操作が必要です。この前処理というのは、
固体のキャベツから農薬成分を抽出して、液体にして、
液体の中に入っている農薬以外の物質をできるだけ除いて、
分析機器に入れられる状態まですることです。
ここで大事なのは、「農薬以外の物質をできるだけ除く」という操作。
これを怠ると、分析機器が間違った結果を出したり、壊れたりしてしまいます。
この除去作業には、「固相カラム」というものを複数個、使い捨てで
使わねばならず、これが意外と高い消耗品になります。

続いて分析機器の使用費。
弊社の一斉分析149項目には、LC/MS/MS
(島津社製LC+AB sciex社製MS/MS )
という機器を使用しています。この一式の機器の値段が、
定価で約¥65,000,000と聞いています。
新築で家を建てても、おつりがくるくらいの値段ですね。
この高価な機器、細心の注意を払って使わねば、維持費も馬鹿になりません。
機器の異常でメンテナンスの人を呼ぶだけでも
数十万単位でお金がかかります。

後は、人件費。残留農薬検査にも公定法があるとはいえ、
誰にでもできる仕事ではありません
前処理にも機器の運用にも高度な技術・知識が必要な作業となります。
確かに、パートや派遣を使って人件費を減らし、
その分、低価格で出している競合他社もありますが、
どんな人物が担当で、本当に正確なデータが出ているのか、疑問です。
弊社でも香辛料や濃縮液の農薬分析等、
技術的に難しい局面があることは確かですが、
工学博士・環境計量士を筆頭に、分析に心得のある研究員が、
日々、知識・経験・情報の蓄積にて、正確なデータを出す努力をしております。

いかがでしょうか? 
値段の内訳を聞き、考えが変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

弊社研究員の一人としましても、新規分析法開発による作業の効率化など、
さらに価値あるサービスを提供する企業努力を続けていく次第でありますので、
残留農薬検査が必要でしたら、是非弊社へお問い合わせ下さい。

( Analyst 25 )

放射性物質分析 食品検査残留農薬残留抗生物質
株式会社 食環境衛生研究所

福島で放射能測定します

福島で放射能測定します

一昔前に数年間ですが福島県に住んでいたことがありました。
私がいたのは山間の小さな村で、お店もスーパーとコンビニが一軒ずつしかありませんでした。
住んでた家の目の前は田んぼで、夜は外灯が少ないせいで真っ暗でしたが星はとてもきれいに見えました。
やや盆地になっていたので夏は暑くて冬は寒かったのですが、いつの間にか同居していた猫2匹と一緒にのんびり過ごしていました。
近所のおじさんからわけてもらうトマトやりんごがとてもおいしかったです。福島は第2の故郷です。
福島を離れてからはあまり訪ねる機会もなく、今どうなっているのかもわかりませんが、福島原発からは60kmくらいの場所ですので、現地の事を考えると心が痛みます。
先日、福島県での放射能測定のお仕事を受けまして、現地で放射能測定をしてまいります。

現在年間20ミリシーベルト以上の放射線量の地域は避難区域となっています。1時間あたりの放射線量に換算すると、20ミリ÷365日÷24時間=0.0022ミリシーベルト/時間となります。
つまり1時間あたり2.2マイクロシーベルト以上の放射線量ということです。この数字は簡易放射線量計による放射能測定ではかなり高い数値となります。
およそ地面の土には1kg当たり数万ベクレルの放射性物質がないとこのくらいの数値にはなりません。

慣れ親しんだ土地は変わらずであってほしいです。
そのうちイスカンダルまで放射能除去装置を取りに行かなくてはならなくなる時がくるのかもしれません。

生食用食肉(牛肉)の規格基準について

富山県等で発生した腸管出血性大腸菌(O111)による食中毒事件では、肉を生で食べた方数名が亡くなられ、重症者も多数報告されています。
 生肉や加熱不十分な肉を食べることには、腸管出血性大腸菌による食中毒になるリスクがあります。若齢者、高齢者、抵抗力が弱い方は、生肉や加熱不十分な肉料理を食べないように特に注意しましょう。(厚生労働省の生食用食肉(牛肉)の規格基準より抜粋)

そこで新たに生食用食肉(牛肉)の規格基準について「腸内細菌科菌群が陰性でなければならない」という成分規格が設けられました。「腸内細菌科菌群」は、腸管出血性大腸菌サルモネラ菌属を含む衛生指標菌として設定されました。

もちろん食環研でも「腸内細菌科菌群」について試薬、培地などを準備して検査を行える体制を整えました。

また、腸管出血性大腸菌(O157)による食中毒事故も毎年報告されています。この7年間では死者は出ていないようですが、発症者は毎年100~1000名と、とても安心といえる状況ではありません。食品加工に携わる業者の方、飲食店の方、特に家庭の食事にも注意が必要と思います。いっそ細菌が見えればいいのにとも思いますがそれは漫画の世界ですね。しかし、衛生管理をしていくとだんだんこの辺に細菌がいるなとか、こうゆう環境では菌が増殖するなとかだんだん見えてくるような気がしてくるのは気のせい?(イワザキ)

残留農薬の話 「その1」

一時期、世間を騒がせた食品の残留農薬汚染。
最近のニュースにおいては放射性物質の話題に押され、
残留農薬の基準値違反について触れることも少なくなりました。
農家、食品輸入業者、食品メーカーからしてみれば、
この不景気なご時世、残留農薬検査を行うにもお金がかかる、
仮に検査に出したとして、ほとんどが「不検出」(農薬がほぼ含まれない)
という結果が出ることに、「残留農薬検査は本当に意味があるのか?」
と疑問に思ってしまうことと思います。

確かに、弊社でも残留農薬依頼検体の7~9割は「不検出」となります。
「作物の9割から農薬が出ない」ということは、
食品の生産現場を知らない消費者にとって、
「最近は無農薬で作物を栽培している所が多いからなのでは?」
と受け取れるかもしれません。

しかし現実は、食品のほぼ9割以上
(直接・間接含めて)農薬を使用しております。
野菜、果物、穀物類における残留農薬はもちろん規制対象となっていますし、
食肉にしても、エサの飼料、また、ハエ等の防除に使う殺虫剤や抗菌剤にも、
農薬と同じ成分が使用され、農薬規制の対象となっています。

正直な所、農薬汚染のリスクが0な食品はありません。
強いて言うならば、医療品、サプリメントなど、
プラントで生産される形式の化学物質くらいでしょう。

では、農薬を使用しているのに残留農薬が検出されない理由は何か?

それは長くなってしまうので次回にお話しします。

( Analyst 24 )

放射性物質分析食品検査残留農薬残留抗生物質
株式会社 食環境衛生研究所