当サイトのペットフードの評価基準やスコアリングについて

実際に購入したペットフードの調査

ペットフードを評価するには、さまざまな基準が必要です。

当サイトを運営する「食環境衛生研究所」ではペットフード検査を行っており、含まれている成分や栄養バランス、犬や猫の嗜好性などを分析しています。そして、当サイトでは、実際にペットフード検査を行なったうえで、当社で定める基準をもとにしてペットフードを評価しています。

ペットフードを評価するうえでの評価基準について、当サイトは「安全性」「嗜好性」「栄養バランス」「商品特有の特徴の有無」「協力者からのレビュー」の5つを定めています。また、当社が運営する「ソラーレ動物診療所」の協力のもと、総合的に評価をしていきます。

当ページでは、ペットフードを評価するための5つの基準について具体的に説明していきます。

当サイトにおける5つの評価基準とスコアリング

当サイトでは、原則「安全性」「嗜好性」「栄養バランス」「商品特有の特徴の有無」「協力者からのレビュー」の5つを評価基準として定めてスコアリングをしたうえで、コンテンツに掲載するペットフードを選定しています。

コンテンツによって点数配分は変わることもありますが、基本的にはそれぞれの基準ごとに点数配分をし、100点満点になるようなスコアリング体制をとっています。

ここからは、5つの評価基準の概要とスコアリングについて解説していきます。

安全性:原則30点満点

当サイトでは、そのフードが安全なものであるかどうかはペットフードを評価するにおいて必須と考えています。そのため、ペットフードの評価基準の1つとして安全性を定めています。

ペットフードの安全性を評価する際には、「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律(ペットフード安全法)」を絶対的な基準としています。簡潔にいえば、ペットフード安全法で定められた成分の基準・規格を満たしているならば安全性が高く、満たしていない場合には安全性が低いと評価します。

そして、食環境衛生研究所でペットフード検査を行い、そのフードの成分が法令で定められた基準・規格を満たしているかどうかを判断します。具体的には、下記6つの検査を行っています。

  • 農薬検査
  • カビ毒検査
  • メラミン
  • 有害微生物検査
  • 過酸化物価
  • ミネラル分析

そして、安全性におけるスコアリングについては、6つの検査結果それぞれを5点満点とし、合計30点満点とする仕組みです。ただし、コンテンツによっては点数配分が変わることもあります。

農薬検査:5点満点

ペットフードの農薬検査

ペットフード安全法では、農薬の使用に伴い残留する成分についての上限値が定められています。

当サイトでは、ペットフードがこの基準を満たしているかどうかを食環境衛生研究所での農薬検査で分析しています。食環境衛生研究所での農薬検査では、「GC/MS(/MS)法」と「LC/MS/MS法」を採用しています。

分析方法概要
GC/MS(/MS)法ガスを移動相として成分を分離して質量を分析する方法のことです。ペットフード分析だけでなく、人間が食べる食品の分析や医薬品の品質管理など、幅広い分野で活用されています。

微量成分の定量が可能なため、「ペットフードに農薬成分がどの程度の量が入っているか」を分析できます。

なお、「GC/MS」と「GC/MS/MS」の違いとして、分析の選択性の違いが挙げられます。
GC/MSは分析機能が単一であるのに対して、GC/MS/MSは2段階で分析を行うため、GC/MS/MS法のほうがより選択性が高くなり、高感度かつ誤検出を防ぐ事ができます。
LC/MS/MS法液体を移動相として成分を分離した後に質量を分析する方法のことです。高い精度で化合物の分離と分析が可能であり、ペットフードだけでなく、製薬や人間用の食品などさまざまな分野で活用されています。

GCと比較して熱に弱い成分についても安定して測定が可能で、サンプルを分離させて質量分析計で検出・識別ができるため、分子量や構造の解析が可能です。

生体サンプルに微量に含まれた成分を検出することもできるため、「ペットフードに農薬がどの程度の量が含まれているか」などを分析できます。

これらの分析方法によって、ペットフードに農薬がどの程度含まれているかを調べることが可能です。

そして、「法令の基準を満たしているかどうか」「満たしているうえで、これらの成分がどれだけ少ないのか」といった点を考慮し、農薬・汚染物質の含有量からペットフードの安全性を検査します。

具体的には、下記の成分が基準値を満たしているかどうかを分析しています。農薬検査のスコアリングについては成分ごとに0.5点満点とし、「法令の上限値を超えていない=0.5点」「法令の上限値を超えている=0点」と評価したうえで、最高5点としています。

成分基準値(μg/g)
BHC(α、β、γ及びδ-BHCの総和)0.01
DDT(DDD及びDDEを含む)0.1
アルドリン及びディルドリン0.01
エンドリン0.01
ヘプタクロル及びヘプタクロルエポキシド10
グリホサート15
クロルピリホスメチル10
ピリミホスメチル2
マラチオン10
メタミドホス0.2

カビ毒検査:5点満点

ペットフードのカビ毒検査

ペットフード安全法では、愛玩動物の健康を害するおそれのある汚染物質の上限値が定められています。汚染物質のなかには、カビが作り出す「カビ毒」という毒性物質があります。

当サイトでは、「カビ毒について法令の基準を満たしているかどうか」「満たしているうえで、カビ毒の成分がどれだけ少ないのか」といった点をカビ毒検査で分析しています。食環境衛生研究所で行うカビ毒検査では、「LC/MS/MS法」を採用しています。

概要
LC/MS/MS法液体を移動相として分離した後に質量を分析する方法のことです。高い精度で化合物の分離と分析が可能であり、ペットフードだけでなく、製薬や人間用の食品などさまざまな分野で活用されています。

GCと比較して熱に弱い成分についても安定して測定が可能で、サンプルを分離させて質量分析計で検出・識別ができるため、分子量や構造の解析が可能です。

生体サンプルに微量に含まれた成分を検出することもできるため、「ペットフードにカビ毒が含まれているか」などを分析できます。

そして、「カビ毒について法令の基準を満たしているかどうか」「満たしているうえで、カビ毒の成分がどれだけ少ないのか」といった点をカビ毒検査で分析し、カビ毒の含有量からペットフードの安全性を評価します。

具体的には、下記の成分が基準値を満たしているかどうかを検査しています。スコアリングについては、成分ごとに2.5点満点とし「法令の上限値を超えていない=2.5点」「法令の上限値を超えている=0点」と評価したうえで、最高5点としています。

成分基準値(μg/g)
アフラトキシンB(AFT B1)0.02
デオキシニバレノール(DON)犬:1猫:2

メラミン:5点満点

ペットフードのメラミン検査

ペットフードのメラミン検査

メラミンとは、有機窒素化合物の一種の成分です。「メラミン樹脂」という形で接着剤や食器洗い用スポンジ材料として使用されており、通常であればペットフードなどの食品から検出されることはない物質です。

しかし、過去にはペットフードにメラミンが違法に添加されたことが問題となりました。メラミンが違法に添加されたペットフードは犬や猫に健康被害を与える可能性があるため、安全性を図るにはメラミンが含まれていないかを調べるのも重要だと考えています。

ペットフード安全法ではメラミンの上限値が定められており、当サイトでは「メラミンについて法令の基準を満たしているかどうか」「満たしているうえで、メラミンの含有量がどれだけ少ないのか」といった点をメラミン検査で分析してペットフードの安全性を評価します。

食環境衛生研究所で行うメラミンの検査では、「LC/MS/MS法」を採用しています。

概要
LC/MS/MS法液体を移動相として分離した後に質量を分析する方法のことです。高い精度で化合物の分離と分析が可能であり、ペットフードだけでなく、製薬や人間用の食品などさまざまな分野で活用されています。

GCと比較して熱に弱い成分についても安定して測定が可能で、サンプルを分離させて質量分析計で検出・識別ができるため、分子量や構造の解析が可能です。

生体サンプルに微量に含まれた成分を検出することもできるため、「ペットフードにメラミンが含まれているか」などを分析できます。

メラミンの検査をもとに、下記の基準値を満たしているかどうかでスコアリングを行う体制です。具体的には、「法令基準を満たしていない=0点」「基準は満たしているが、比較的含有量が多いなどの問題がある=2.5点」「法令基準を満たしており、含有量も問題ない=5点」としています。

項目基準値(µg/g)
食品(国内・海外)2.5
飼料10

有害物質検査:5点満点

「人工有害化学物質」「自然毒」といった有害物質は、犬や猫の健康に被害を与える可能性がある物質です。これらの有害物質はパッケージの成分表には記載されないため、ペットフードの安全性を図る場合には、このような有害物質が含まれていないかを検査していきます。

なお、ペットフードの有害物質汚染は、意図的・無自覚を問わずして生じてしまう可能性があります。「ペットフードを製造する際に有害物質が混入してしまった」という場合だけでなく、「カビ毒」「貝毒」のように自然の生物濃縮によって食品内に毒素が蓄積されるケースもあるのです。

有害物質検査では、有害物質が含まれていないかだけでなく、毒素の自然発生などによってペットフード流通後に健康に被害を与えるリスクについても分析したうえで、ペットフードの安全性について評価しています。

有害物質検査のスコアリングについては下記の通りであり、5点満点としています。

  • 有害物質は含まれていない=5点
  • 有害物質は微量検出されたが、流通後に健康に被害を与えるリスクは低い=2.5点
  • 有害物質が検出され、健康被害のリスクがある=0点

過酸化物価:5点満点

過酸化物価とは、食品に含まれる油脂が空気中の酸素によって酸化して生成された過酸化脂質の量を測定することです。

酸化というと、開封済みのペットフードに限った話だと考えるかもしれませんが、たとえ未開封のペットフードであっても、品質管理によっては油分が酸化してしまうリスクはあります。酸化したペットフードは、犬や猫の嗜好性を下げる可能性があるだけでなく、下痢などの症状を引き起こすリスクもあります。

過酸化物価では、「未開封状態で酸化が進んでいないか」といった点をペットフードに含まれる油脂から直接調べます。「滴定法」を採用しており、示された油脂の酸化の度合いを数値化したうえで、ペットフードの安全性について評価していきます。

概要
滴定法滴定法とは、化学反応を用いて化学物質の量を測定する分析方法のことです。

過酸化物価においては、有機溶剤を用いて試料から抽出した油脂に含まれているヒドロペルオキシドをヨウ化カリウムと反応させ、遊離したヨウ素をチオ硫酸ナトリウムで滴定をします。

「ペットフードが酸化していないか」「酸化していても安全と言える数値なのか」などを分析できます。

なお、ペットフードの場合は明確な基準はありませんが、人間の食品の場合は食品衛生法によって50 meq/kgを超えない数値が過酸化物価の基準と定められています。

ペットフードであれば50 meq/kgを超えていても法令には違反しませんが、当サイトでは「この推奨値を超えていないほうが安全性が高い」と判断したうえでペットフードを評価しています。

そのため、過酸化物価のスコアリングについては「50meq / kgを超えていない=5点」「50meq / kgを超えている=0点」としています。

ミネラル分析:5点満点

ミネラルは、犬や猫の体をつくるためにも必要な栄養素です。そのため、「ミネラルが含まれるペットフードがよくない」というわけではありません。

しかし、ミネラルを過剰摂取してしまうと、飼っている犬や猫が尿路結石症や慢性腎臓病などの病気を引き起こしてしまうリスクもあります。

ミネラル分析では、ペットフードのリン・ナトリウム・カリウム・カルシウム・銅などの含有量を調べます。そのうえで、ペットフードのミネラル含有量が適切であるかどうかを判断し、そのフードの安全性を評価します。

なお、ミネラルの含有量について、日本国内の法令で定められた基準はありませんが、米国飼料検査官協会(通称:AAFCO)はペットフードのミネラルについて下記のように推奨値を定めています。

当サイトではこの推奨値を参考にしつつ、ミネラル含有量が過剰または過少ではないかどうかを調べます。

成分推奨値
リン子犬:1.0 %〜1.6 %
成犬:0.4 %〜1.6 %
子猫:0.8 %以上
成猫:0.5 %以上
カリウム0.6%以上
カルシウム子犬:1.2 %〜1.8 %
成犬:0.5 %〜1.8 %
子猫:1.0 %以上
成猫:0.6 %以上
ナトリウム子犬:0.3 %以上
成犬:0.08 %以上
子猫:0.2 %以上
成猫:0.2 %以上
マグネシウム子犬:0.06 %以上
成犬:0.06 %以上
子猫:0.08 %以上
成猫:0.04 %以上
子犬:88 mg/kg以上
成犬:40 mg/kg以上
子猫:80 mg/kg以上
成猫:80 mg/kg以上
子犬:12.4 mg/kg以上
成犬:7.3 mg/kg以上
子猫:15.0 mg/kg以上
成猫:5.0 mg/kg以上
マンガン子犬:7.2 mg/kg以上
成犬:5.0 mg/kg以上
子猫:7.6 mg/kg以上
成猫:7.6 mg/kg以上
亜鉛子犬:100 mg/kg以上
成犬:80 mg/kg以上
子猫:75 mg/kg以上
成猫:75 mg/kg以上
ヨウ素子犬:1.0 mg/kg〜11 mg/kg
成犬:1.0 mg/kg〜11 mg/kg
子猫:1.8 mg/kg〜9.0 mg/kg
成猫:0.6 mg/kg〜9.0 mg/kg
セレン子犬:0.35 mg/kg〜2.0 mg/kg
成犬:0.35 mg/kg〜2.0 mg/kg
子猫:0.3 mg/kg以上
成猫:0.3 mg/kg以上

ミネラル分析検査のスコアリングについてもこの基準を参考にしており、成分ごとに1点満点として、「AAFCO基準を満たしている=1点」「AAFCO基準を満たしていない=0点」と評価をし5点満点としています。

嗜好性:原則10点満点

ペットフードをおすすめするにあたって、安全性だけでなく犬や猫が好んで食べてくれるかどうかも重要な基準になります。当然ですが、どんなに安全性が高いペットフードであっても、飼っている犬や猫が食べてくれなければそのフードを購入する意味がありません。

そのため、当サイトでは嗜好性もペットフードを評価する基準の1つとして定めています。

ペットフードの嗜好性を評価する際には、食環境衛生研究所で行う「うまみ成分検査」の結果を基準にします。簡潔にいえば、うまみ成分検査の結果がよければ嗜好性が高い、結果が悪ければ嗜好性が低いと評価する体制です。

また、嗜好性におけるスコアリングについても、うまみ成分検査の結果をもとに算出し、原則10点満点とする仕組みです。ただし、コンテンツによっては点数配分が変わることもあります。

うまみ成分検査:10点満点

ペットフードのうまみ成分検査

ペットフードのうまみ成分検査

うまみ成分検査」では、ペットフードの遊離アミノ酸の含有量を分析しています。具体的には、「高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)」を採用しており、下記の20種類のアミノ酸の含有量を検査します。

うまみ成分検査

うまみ成分検査

概要
高速液体クロマトグラフ法(HPLC法)高速液体クロマトグラフ法とは、 固定相と移動相の相互作用の差を利用して成分を分離・検出する分析方法のことです。

多種類あるアミノ酸はそれぞれ成分が非常に似た性質を持っていることから、専用の機器でそれぞれの成分を分離してから検出をする必要があります。そのため、うまみ成分検査においては、アミノ酸自動分析機を使用して分析を行います。

アミノ酸自動分析機とは、測定原理としてHPLCを使用したアミノ酸専用の測定機器のことです。「ペットフードにうまみ成分がどれだけ含まれているのか」を分析できます。
分析する20種類の遊離アミノ酸一覧

アスパラギン酸、スレオニン、セリン、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、プロリン、グリシン、アラニン、バリン、シスチン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、リジン、トリプトファン、アルギニン

うまみ成分に関して法令で基準が定められていないことから、この検査結果から犬や猫の嗜好性を評価する際には、ほかのペットフードと比較した相対評価を行います。

端的にいえば、ほかのペットフードよりもうまみ成分の含有量が多いのであれば嗜好性が高く、含有量が少ないのであれば嗜好性が低いと評価する仕組みです。

ペットフード検査のうまみ成分検査の様子

ペットフード検査のうまみ成分検査の様子

うまみ成分検査をもとにスコアリングをする際には、コンテンツ作成時に比較検討するペットフードの検査結果からアミノ酸含有量が最も多いものを10点満点として、以降は順位に応じて点数を配分していきます。

なお、犬や猫の食に対する嗜好性については、現状解明されていないことばかりで、アミノ酸を犬や猫がうまみとして感じるのかどうかは断言できないのが実状です。

とはいえ、一般的には「遊離アミノ酸を犬や猫がうまみとして感じる」とされています。そのため、現状はアミノ酸の含有量を分析する「うまみ成分検査」の結果を犬や猫の嗜好性を評価する基準としています。

「アミノ酸をうまみとして感じている」「アミノ酸はうまみとして関わりがない」のようにはっきりと解明した際には嗜好性の基準を修正する予定ですが、現状はこの検査結果を評価基準と定めて嗜好性の評価やスコアリングをしていきます。

栄養バランス:原則20点満点

当サイトでは犬や猫にとって安心・安全なペットフードとして評価する際に、そのフードの栄養バランスも重要視しています。そのため、栄養バランスもペットフードを評価する基準の1つとして定めています。

ペットフードの栄養バランスを評価する際には、「そのフードに含まれるタンパク質・粗脂肪の含有量がAAFCO基準を満たしているかどうか」を基準にしています。

まずは食環境衛生研究所でペットフードに含まれるタンパク質と粗脂肪を分析します。そして、それぞれの含有量を算出し、その数値をAAFCO基準と比較して栄養バランスを評価する仕組みです。

端的にいえば、タンパク質と粗脂肪の含有量がAAFCO基準を満たしていれば栄養バランスがとれている、満たしていなければ栄養バランスがとれていないと評価します。

AAFCO基準
タンパク質子犬:22.5以上
成犬:18.0以上
子猫:30.0以上
成猫:26.0以上
粗脂肪子犬:8.5以上
成犬:5.5以上
子猫:9.0以上
成猫:9.0以上

栄養バランスにおけるスコアリングについても、含有量の検査結果をもとに算出し、原則各10点ずつで合計20点満点とする仕組みです。ただし、コンテンツによっては点数配分が変わることもあります。

商品特有の特徴の有無:原則20点満点

ペットフードにはそれぞれそのフード特有の特徴があります。その特徴は犬・猫の健康維持などに効果的なものであるケースもあるため、当サイトでは「商品特有の特徴の有無」もペットフードを評価する基準の1つとして定めています。

具体的には、まずユーザーが飼っている犬や猫にとってメリットとなる特徴をコンテンツごとで用意をします。そして、コンテンツ作成時に比較検討するペットフードにそのような特徴があるかどうかを編集部で調査したうえで、それぞれを評価する仕組みです。

端的にいえば、記事を読むユーザーが飼っている犬や猫にメリットといえる特徴が多ければ評価が高く、特徴が少なければ評価が低くなります。

あくまで一例ですが、評価する特徴としては下記のようなものが挙げられます。

  • 人工添加物なし
  • グレインフリー、またはグルテンフリー
  • ヒューマングレード
  • 良質なタンパク質や脂質である など

商品特有の特徴の有無におけるスコアリングについては、コンテンツ作成時に比較検討するペットフードとの相対評価で行っています。メリットになる特徴が最も多かったペットフードであれば20点満点とし、以降は順位に応じて点数を配分していきます。

協力者からのレビュー:原則20点満点

当サイトではペットフードを評価する際に、実際にペットフードを犬や猫に与えた人からの意見も重要だと考えています。編集部でよい評価を下したペットフードであっても、それが飼い主にとって本当によいフードかどうかは断定しきれないと考えているためです。

そのため、当サイトでは「協力者からのレビュー」もペットフードを評価する基準の1つとして定めています。

当サイトでは、コンテンツの作成にあたって、ペットフードを実際に編集部で複数種類購入しています。そして、食環境衛生研究所で行う検査に使用したうえで、当サイトの協力者にも提供しています。

提供したペットフードは一定期間愛犬・愛猫に与えてもらい、後日協力者からレビューをいただいています。協力者からのレビューでは基本的に4つの質問を設けており、それぞれ0点〜5点で協力者にスコアリングしていただく体制をとっています。

  • 普段あげているフードよりも完食するようになったか
  • フードを出してから一口目までのスピードは普段よりも早いか
  • 実際に自身で購入するとすれば定期的に購入できる価格か
  • 愛犬・愛猫が1か月程度で食べ切れるような量か

※コンテンツのテーマによっては質問内容が変わることもあります。

スコアリングについては、協力者からのレビューの結果をそのまま点数化する仕組みです。たとえば、協力者からのレビューによって合計15点の結果になったドッグフードであれば、レビューに関するスコアリングは20点満点中で15点となります。

なお、原則は20点満点としていますが、コンテンツによっては配点が変わることもあり、その場合には各質問の配点も変えていきます。

コンテンツに応じて評価基準になり得る検査とスコアリングについて

当サイトでは、原則的に上記5つを評価基準としたうえでペットフードをスコアリングしていますが、コンテンツによっては5つの基準と同等、もしくはそれ以上に重要視するべき項目もあります。

たとえば、食いつきのいいドッグフードのおすすめを紹介するコンテンツの場合、実際に犬の食いつきがよかったフードを紹介するべきだと考えています。

この点については上記5つの評価基準だけではカバーしきれない部分があるため、食環境衛生研究所にて別途検査を行った結果も評価基準に追加してスコアリングを行なっています。

コンテンツに応じて評価基準になり得る検査の一例として、下記が挙げられます。

  • ペットフードの嗜好性試験
  • 添加物検査

ペットフードの嗜好性試験

ペットフードの嗜好性試験

嗜好性については評価基準の1つに定めていますが、点数が原則10点とほかの基準よりも低めに設定しています。しかし、コンテンツによっては、犬や猫の嗜好性を重要視するべきこともあります。

より正確にペットフードを評価するためにも、嗜好性を重要視するようなコンテンツでは環境衛生研究所で「ペットフードの嗜好性試験」を行い、その結果も評価基準として定めてフードを評価します。

当然、犬や猫は人間のように言葉を発することができないため、そのペットフードが本当に嗜好性が高いのかどうかの細部にわたっての議論や詳細を詰めることはできません。とはいえ、食いつきや実際に食べた量を根拠にすることで、犬や猫の嗜好性を間接的に判断することは可能です。

そこで、ペットフードの嗜好性試験では、編集部で購入した複数種類のフードを用意し、食環境衛生研究所で健康に飼育している犬や猫に実際に食べてもらう試験を行います。その結果から、ドッグフードやキャットフードの嗜好性の高さを相対的に評価しています。

端的にいえば、ペットフードの嗜好性試験にて最もよい結果がみられたフードを嗜好性が高いと評価し、コンテンツにて紹介する体制です。

ペットフードの嗜好性試験では、「2点比較法」「3点比較法」を主に採用してフードを評価しています。具体的には、2つまたは3つの容器にペットフードを用意し、「どちらに先に食いつくか(ファーストチョイス)」「どれだけ食べられたか(消費量)」を指標として、2日間以上試験を実施して嗜好性の優劣をつける体制です。

ペットフードの嗜好性試験の概要

ペットフードの嗜好性試験の概要

  • 子犬の場合、「落ち着きがない」「食の嗜好が固定されていない」という傾向があるため、嗜好性試験では原則として成犬に協力してもらう。ただし、子犬向けドッグフードに関しては子犬に協力をしてもらう
  • 2点比較法であれば2種類、3点比較法であれば3種類の食器または給餌器を用意する。器の種類が異なることによる影響を出さないために、同じ種類のものを使用する
  • 食器を置く位置だけで犬が食べるフードを決めてしまう可能性もあるため、食器を置く位置や食器自体は試験を行うたびに変更する
  • 嗜好性試験の時間は目的によって変えているが、食いつきを調べる場合には10分〜20分程度の短時間で試験を行う
  • 空腹などによる影響を少なくするためにも、嗜好性試験は毎日同じ時間帯に行う
  • 適切な試験結果をとるためにも、嗜好性試験は少なくとも2日間は繰り返して行う
  • 嗜好性試験の給餌量は全てのフードで統一し、小型犬であれば50g〜100g程度、中型犬であれば250g〜300g程度とする

ペットフードの嗜好性試験の手順

  1. 複数種のドッグフードを検査対象として用意する
  2. 検査対象のなかから2〜3種類を選び、食環境衛生研究所で飼育している犬の前に並べる
  3. 「ファーストチョイス」「消費量」の結果がとれたタイミングで1度目の検査を終了する
  4. 前回の検査とは異なるペットフードの組み合わせで、2回目の検査を行う
  5. すべての組み合わせで試験が完了すれば嗜好性試験を終了とする
嗜好性試験の評価基準

ペットフードの嗜好性試験の評価基準として、下記の2つを定めています。

※各基準をタップ・クリックすることで詳細を確認できます

どれに先に食いつくか(ファーストチョイス)

最初に食いついたフードであれば、ほかの比較対象よりも嗜好性が高いと判断できます。そのため、ペットフードの嗜好性試験では、どのフードを最初に食いついたか(ファーストチョイス)を評価基準の1つにしています。

スコアリングの際には犬や猫が最初に食べたフードの順番を記録し、それに応じて順位や点数をつけて具体的なスコアを算出していきます。端的にいえば、「1口目に選ばれた回数が多いペットフード」を嗜好性が高いと判断しています。

どれだけ食べられたか(消費量)

よく食べられたペットフードほど、ほかの比較対象よりも嗜好性が高いと判断できます。そのため、ペットフードの嗜好性試験では、どれだけ食べられたか(消費量)を評価基準の1つにしています。

スコアリングの際にはフードごとに消費量を計測し、消費量に応じて順位や点数をつけて具体的なスコアを算出していきます。端的にいえば、「最も多く食べられたペットフード」を嗜好性が高いと判断しています。

嗜好性試験の結果のイメージ(実際の検査結果とは異なります)
こちらをタップ・クリックすることで詳細を確認できます

試験における前提条件

  • 試験対象:AとBのドッグフード2種類
  • 試験回数:2回(2日)
  • 協力してもらう犬:5匹

◻︎試験結果

スクロールできます
試験日提供位置フードファーストチョイス
No.1No.2No.3No.4No.5
1日目A
B
2日目B
A
スクロールできます
試験日フード消費量
1日目フードA320g
フードB180g
2日目フードA410g
フードB80g

試験結果の総評

  • 1日目の結果として5頭中3頭はフードAに食いついたが、残りの2頭はフードBに食いついた。翌日容器の配置を変えて実施したところ、5頭中4頭はフードAに、残りの1頭はフードBに食いつく結果となった。
  • 消費量については、1日目と2日目のどちらもフードAのほうが多い結果となった。
  • 容器の場所を変えてもフードAのほうがファーストチョイスと消費量の結果がよいことから、今回の試験から嗜好性の高さは「フードA>フードB」といえる。

添加物検査

コンテンツによっては、ペットフードに含まれている添加物の具体的な含有量を重要視するべきこともあります。

当サイトでは、ペットフードに含まれる添加物についても調査をしたうえでフードを評価しています。しかし、「ペットフード安全法」では、製造において使用した添加物については記載が必須ですが、原材料に含まれている添加物は任意表示でも問題ないとされています。

製造以外で使用された添加物については、実際に成分検査をしなければ使用の有無や含有量を断言することはできません。そのため、ペットフードの添加物の有無や含有量についての詳細が必要なコンテンツにおいては、食環境衛星研究所で添加物検査を行なっています。

添加物検査では、ペットフード安全法で使用基準値がある4種類の添加物の含有量を分析しています。

成分名基準値(μg/g)
エトキシキン

3つの成分の合計量が150※犬用はエトキシキン75 μg/g以下
BHA
BHT
亜硝酸ナトリウム100

たとえば、無添加のドッグフードを紹介するコンテンツにおいては、犬にとって危険性がある添加物が入っていないフードを紹介するのが大前提です。

この場合、仮に「人工添加物を無使用」と謳われたドッグフードであっても添加物検査を行い、「人工添加物が入っていないのか」「入っている場合には基準値の範囲内か」といった点を分析します。

このようなコンテンツにおいては、危険性がある人工添加物が入っていないと検証できたドッグフードのみ紹介する体制をとっています。