手洗いについて考える②

 そんなことを考えはじめた頃、東京都の小学校で教員を含め417名のノロウイルスによる集団胃腸炎が発生した。調査の結果、体育館のモップからノロウイルスが検出され、体育館の床がウイルスに汚染されていたことがわかった。朝会で床に座っている際に手に付着し感染したと考えられている。感染経路は、床→手→口=感染ということである。手が感染経路になってしまった例である。
 
 当社でも手指の拭き取り検査を実施している。手洗い前より手洗い後の結果が悪いことがよくある。手洗い順序はマニュアルどおり正確で、洗剤を使用しアルコールも噴霧している。いったい何が問題なのだろうか?それは手洗いにかける時間と洗うポイントにある。①洗う時間が少ない(数秒)ために雑菌が流されていない。②手の平と甲のみで指先や爪の間、指の間、親指の周り、手首、手のしわを注意して洗っていない。③アルコールを噴霧した後、手をばたばたさせ乾燥させるだけであり、アルコールの擦り込みが出来ていない、ことがいえる。
 
 以上のことから、人間は無意識の状態下ではもちろん、正しく理解していなければ意識していてもノロウイルスやO157などの感染力の強いウイルスや細菌を容易に拡散させてしまうということを理解する必要がある。食品従事者はそれらから身を守るためにも普段から意識し、しっかり時間をかけて手を洗いましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です