TV東京の取材

食環研に、TV東京の取材班が来ました。
実際は、当社に放射能検査を委託している会社の方の取材のためでした。

取材班が来た時点で、すでに撮影はまき気味。検査風景を撮るにも、少なからず演出指導されながら煽られるので、だんだん何をしているのか判らなくなってくる始末。
とても慌ただしく撮影をしていきましたが、果して何が映っていることやら?

放送予定は、5月30日のWBSだそうです。乞うご期待!

コーヒーって本当に健康によいのか?

先日、テレビの某番組でこういった話題が上がっていました。

「認知症(ボケ)の予防にコーヒーが効く!!」

「コーヒー」と「認知症」の関係については、
多くの研究結果、疫学的報告がなされ、
確かに認知症予防になるらしいということがわかっています。

しかし、将来「認知症」や「アルツハイマー病」が心配だから、
明日から毎日コーヒーを飲もう・・・という考え。

単純すぎます。

どんな良薬にも副作用があるように、
「コーヒー」の持つ不健康的な側面も知っておいて下さい。

①依存性・中毒性がある
一度習慣的に飲み始めると、毎日必ず飲まずにはいられなくなるといいます。
いわゆるカフェイン中毒というものです。
麻薬と同じで依存性があり、摂取し続けるうちに、
カフェインの効果である興奮作用等がだんだん落ちていき、
効かなくなっていき、結果として摂取量が増えるという
悪循環に陥る可能性もあります。

②集中力の低下、鬱や疲労感を誘発する
人間の脳はずっと興奮状態を維持することができません、
カフェイン等で強制的に興奮状態にした脳は、カフェインが切れると、
その反動で一時的な疲労状態に陥ります。
日常的な大量のカフェイン摂取で慢性的に脳と副腎の疲弊をおこし、
精神面にも肉体面にも悪影響を与えるという研究報告も多くあります。
学力の低下につながるといった研究結果もあるくらいです。

ですから、情報に流され、その側面を調べることもせず、
「毎日5杯のコーヒー摂取を習慣化しよう」、
「コーヒーの嫌いな両親に無理矢理飲むのを勧める」
「子供にもコーヒーを飲ませよう」などという思想については、
絶対ではありませんが、個人的にはNGです。

私も以上の理由から、コーヒーを習慣的に飲むことは避けていますが、
実は、某喫茶店がオリジナルブレンドで煎れてくれる
コーヒーとトースト、サラダのブレックファーストセットと、
銭湯の風呂上がりに飲むコーヒー牛乳は大好きです。

どうせ飲むのであれば、「認知症予防薬」として飲むのではなく、
適量を守った上で、至福のひとときを得るための、人生を豊かにする
「コーヒー」摂取を目指してみてはいかがでしょう?

( Analyst 17 )

放射性物質分析 食品検査食品分析残留農薬残留抗生物質

原発事故関連のコメントについて④

まとめと致しまして、個人的な考えを述べさせて頂きますと、
私は「疑わしき食物は全て排除」という姿勢が正しいとは思いません。
未曾有の大災害による弊害により、
多くの農・畜産関係者が文字通り「リアルな死活問題」に直面する中で、
神経質になって自己の健康面の利益を守ることが、
私達のすべきことなのでしょうか?

「被災された方の事を思えば、ちょっとくらい汚染されてたって気にしない。
早く宮城の農家さん達が復興できるように、
野菜を買ったりすることだけしか、私にはできないから。」

ニュースでたまたまこのコメントを聞き、私も考えさせられる所がありました。

今、生産者と消費者の間で何が必要か?
それは、生産者が丹誠込めて作った作物に対して
その食物が安心かどうか、それを科学的見地に基づいて、
正確な情報を迅速に消費者に伝え、
「食に関する不安感を払拭すること」にあると思います。

それができるのは我々のような分析会社であり、第三者機関として
公的機関とは異なる軽いフットワークを有しているのも
分析業務を請け負う企業の特徴です。

営利団体という殻を破ることは難しいですが、
我々の仕事が、「食に関する不安感を払拭すること」につながり、
将来的に「被災地の産業の復興」につながることを期待し、
業務を全うしたいと考える所存です。

私個人は放射能物質分析に携わっておりませんが、
弊社の信頼おけるスタッフが、
常時分析を対応しておりますので、気軽にご相談下さい。

( Analyst 15 )

放射性物質分析
食品検査食品分析残留農薬残留抗生物質

原発事故関のコメントについて③

最後にこの意見。。
* 食品にはヨウ素ならヨウ素だけではなく、
他の有害物質も含まれている可能性がある

現在の放射性ヨウ素による食物の汚染については、半減期などの影響から、
原発に新たな事態が起きない限り収束に向かうと考えていますが、
他の放射性物質(代表的には放射性セシウム)による影響はEisbergさんの言う通り、
私も注意をはらう必要があると考えています。
具体的には、栽培・育成に長期の時間を必要とする農産物や肉牛。
海産物、特に食物連鎖の上方に位置する大型魚などへの長期的な
放射性物質の濃縮蓄積は海産物消費大国の日本にとって、
憂慮すべき事態であると感じています。

事故から1ヶ月以上経った現段階では、一時に比べ,
汚染の心配は減少に向かっている傾向があるものの、
中・長期的な目線に立てば、一概に楽観視もできないというのが、
客観的に見た一般の見解であると考えます。

( Analyst 14 )

放射性物質分析
食品検査食品分析残留農薬残留抗生物質

原発事故関連のコメントについて②

順番は前後しますが、
* 一つの物から取り込むだけなら危険が小さいが、
大気中や水・食物から複合汚染するので危ないという意見について。

複合汚染について、原発周辺から少しでも離れた場所にいる人間に対して
大気中汚染物質などの「外部被爆量」を気にしろと
警告するのもどうかと思います。
極端な例で、具体的に広島・長崎で「殺意ある原発」を受けても、
現地で長年生活し、寿命を全うした人間がいることを考えれば、
「外部被爆」による人体への影響よりも、
杞憂による精神的苦痛の方が大きいと判断します。

「内部被爆量」に関しては、食物摂取だけを見ると、
地産地消にこだわる人間でなければ、現在の飽食の時代、
食卓に並ぶ物が出荷制限区域に偏ることは、
まず特殊な例と言って良いでしょう。

極論を言えば、基準値の100倍量を短期間で摂取したからといって、
即死につながるかといえばNOです。ご存じの通り、
基準値は本来、「念には念を」といった思想の基に設定されていることが多いからです。

上記の全ては政府等から公表される分析値が正しいという前提の上ですが。。

( Analyst 13 )

放射性物質分析
食品検査食品分析残留農薬残留抗生物質

食物、水道水の放射能汚染について

平成23年3月11日に発生した、
東北地方太平洋沖地震により被害を受けた皆様には
心よりお見舞い申し上げます。

今回は、ニュースで話題となっております
食品、水道水の「放射性物質汚染」について、
現段階において、食品化学を生業とする研究者としての
考察を述べたいと考えております。

結論と致しまして、現段階では、
「全く問題ありません」の一言に尽きます。

具体的な話をすれば、
今回一番多くの放射性物質が検出されたホウレンソウ草(1万5020ベクレル)
であっても、人体に影響を及ぼすレベルの放射性物質を摂るためには、
日本人の一日のホウレン草の平均消費量を15グラムとして、
「74年」分の量を一度に食べなければ人体に影響を与えることはなく、
人体への影響といっても白血球が少し減るくらいで、
数日で回復できるレベルのものだからです。

また、汚染された野菜と言っても、
水洗いや、煮るなどの調理法よって
放射性物質をかなり除去することができ、

しかも、今回検出されている放射性物質である
「放射性ヨウ素」は、約8日で半分以下に減少、
「放射性セシウム」は半減期が30年と長いものの、
体内においては100日で半分以下に減少する
などのことを考慮すれば、
人体への影響は限定的です。

情報の錯綜による弊害ではありますが、
医師の処方なしにヨウ素剤(うがい薬等)を飲むことは絶対にやめて下さい。
全く効果がないだけでなく、薬剤に含まれる他の物質が有害である場合があります

地震・津波による被害だけでなく、
更に、こういった風評被害が広がってしまう事は
現地で実際に農業・畜産業に携わる人々にとって、
致命的な打撃となりえます。

どうか、情報を整理しつつ、冷静な対応をよろしくお願いいたします。

( Analyst 11 )

食品検査食品分析残留農薬残留抗生物質|殺菌試験|カビ毒検査|
レジオネラ菌検査ノロウイルス検査食品アレルギー・アレルゲン検査

「脂質のメリット・デメリット」

今回は食事で脂質を摂ることのメリット・デメリットを
考えたいと思います。

まず摂取のデメリットから・・

・過剰摂取は万病の元
ご存じの通り、脂質の多い高カロリーな食事を続けることは
肥満に始まり、高血圧、糖尿病、動脈硬化等様々な病気を誘発します。
現在の飽食時代では「脂質」の摂取量を少しでも気に留めておかないと、
軽くオーバーしていることが多々ありますのでご注意下さい。
その摂取量には個人差があるのですが、具体的な話をすれば、
普段全然運動する機会がない人が、「ビックマック」と「ポテト」と「牛丼」
これを食べるだけで一日分の適切な脂質の摂取量をオーバーします。

しかしながら、「脂質」の摂取を極端に避ける姿勢も感心できません。
続いては「脂質」摂取のメリットです。

・人体、分泌物質などの体内合成
体は、生体機能を維持するために様々な物質を作っていて、
脂質はタンパク質と同様、その材料となります。
コレステロールなどの生体に重要な物質は
一定量までは体が勝手に「炭水化物」などから作ってくれますが、
それで全てを補うことはできません。
そのため、成長期等に極端な脂質の摂取制限をしてしまうと、
成長不良や肌・皮膚の異常、神経伝達機能の障害を生じる可能性があります。

・脂溶性ビタミンの運搬
ビタミンA、D、E、Kは脂溶性ビタミン、
つまり水ではなく油に溶けやすいビタミン類で、
脂質を含む食品と合わせて摂ることで、吸収効率が上がります。
逆を言えば、一定量の脂質摂取がなければ、いくらビタミンを摂っても
これらのビタミン欠乏を引き起こす可能性があると言うことです。
  
・食事に豊かなうまみと楽しみを与える
やっぱり、脂っこい物っておいしいですよね。
食べたときの満腹感。これは捨てがたい幸福です。
実際、脂っこい物は消化が遅いので腹持ちが良く、
他の食品に比べ満腹感が持続するようです。

色々健康に気を遣って食べるものを選択することも大事ですが、
そのせいで食べることが「楽しみ」ではなく
「生体維持活動」になってしまうのでは
人生を損していると思います。

「脂質」の話で一番大事なのは、脂っこい物を食べ過ぎないこと
コレステロール値等を下げる効果のある「食物繊維」や
「ビタミン類」が豊富な野菜や豆類などもバランス良く摂って、
「肉体」的にも「精神」的にも健康な食生活をお送り下さい。

( Analyst  10 )

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そもそも脂質とは?

「脂肪」「油」「コレステロール」

上の3つの単語を見てどのように感じます?
一般的に、すっごい体に悪そうなイメージですよね・・
「脂質=脂っこい物=健康に悪い」のイメージも
世間で定着していると思われます。

そもそも「脂質」とは、化学的に、
炭水化物と同様、炭素(C)水素(H)酸素(O)からなる、
脂肪酸とアルコール類のエステルとそれに近しい物質の「総称」で、
「炭水化物」「タンパク質」に並ぶ人体を構成する
3大栄養素の1つであります。

またまた注意して欲しい「総称」という言葉・・
一口に「脂質」といっても
実は様々な物質が含まれているのです。

皆さんご存じ「コレステロール」「中性脂肪」に始まり
人体を構成するのに欠かせない「リン脂質」や
「頭が良くなる物質」として宣伝され一度は聞いた事がある
「DHA(ドコサヘキサエン酸)」「EPA(エイコペンタエンサン)」
主に野菜に多く含まれる「カロテン」「リコピン」だって
「脂質」の仲間です。

確かに、「コレステロール」や「中性脂肪」による
動脈硬化等の健康被害があることは事実ですが、
「脂質」の悪い面だけを見て
全てをわかった気持ちになっているのは間違いです。
「脂質」は重要な人体の構成要素であり、
全く摂取しないというのも健康に悪いという「逆説」があることに
気がつくことは大事だと思います。

次回「脂質のメリット・デメリット」「植物油なら大丈夫は本当か?」
「最近話題のトランス脂肪酸って何?」について書きたいと思います・・

( Analyst  9 )

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レジオネラ菌検査ノロウイルス検査食品アレルギー・アレルゲン検査

「低インスリンダイエット~低GI食品の裏側~」

前回のインスリンの話は覚えていますでしょうか?
インスリンの効果で、余った「脂質」「ブドウ糖」を体内に
ため込むように調整され、「体脂肪」が付きやすくなる為、
「炭水化物」が敵視されるようになったのでは?
という話をしました。

じゃあ、その性質を逆手に取って、
インスリンがあまり分泌されないような(穏やかに分泌されるような)
食べ物を食べれば良いじゃないかというのが、
最近流行の「低インスリンダイエット」です。

これに派生して「低炭水化物ダイエット」とか「低GIダイエット」
「アトキンスダイエット法」「ローカーボダイエット」「肉食ダイエット」・・・
まさに「名を変え品を変え」的な様々なダイエットが考案されていますが、

皆さん騙されては駄目です。

この手のダイエット法で文句として使われている言葉に、
真っ向から反論しましょう。

・「お肉OK!カロリーは気にしないで手軽にダイエット!!」
  
→ 肉を食べる事に文句はありませんが・・・
摂取カロリーは気にして下さい。
高カロリー食品ばかり食べたら太るのは当たり前。
腎臓疾患等のリスクも倍増。

・「肥満ホルモン「インスリン」の分泌を抑えるのと同時に、
やせホルモン「グルカゴン」を分泌させ、
体脂肪からエネルギーを生産する体質に導き、太らない体へ!!」

→ 専門用語、カタカナ文字など難しい聞き慣れない言葉を使うのは、
 人を騙すときの常套句です。「炭水化物」の「ブドウ糖」ではなく、
 「脂肪」を主なエネルギー源として使えるのは、
 「長年の肉食文化のあるイヌイットなどごく一部の人間」と、
 「飢餓状態」のときだけです。
 「長年の穀物食文化がある日本人」にはまず無理です。
 むしろ「炭水化物」を制限することによる体への悪影響の方が
 大きいと断言できます。

・「この食品を置き換えれば、どれだけ食べても太らない!!」

→ カロリーのある物を、どれだけ食べても太らない・・・
 それは、摂取カロリーをほぼ消費できるような健全な肉体であるか、
 もしくは病気です。病院に行くことをオススメします。

・「この方法なら脂肪ではなく筋肉が付くので、きれいに痩せられる!!」

→ 肉さえ食べれば運動なしで筋肉の生成が
 助長されると思ったら大間違いです。
 むしろ「炭水化物」の制限で「脂肪」ではなく
 「筋肉」が痩せ、太りやすくなることが明らかになっています

このダイエット法の前駆的な物はアメリカで2003年にブームになったが、
2004年にはその副作用による数々の悪影響が報告された事により衰退。

にもかかわらず、2009年に日本のテレビ番組で取り上げられ、
いまや様々に派生したダイエット法が、書物やネットを介して横行・・
日本では2011年現在でも信じて行っている人がいるという事実。

ありきたりなアドバイスではありますが・・
「テレビ」「ネット」情報を完全に信じてはいけません。

こういったダイエット法を採用し、
実際に“不”健康的なダイエットを実行している人のブログを見て、
大事なのは、「やせること」より、「健康的な食生活を送ること」では
ないのだろうかと、感じるのは私だけでしょうか?

今回は長文となってしまい申し訳ありません・・

( Analyst  8 )

食品検査食品分析残留農薬残留抗生物質|殺菌試験|カビ毒検査|
レジオネラ菌検査ノロウイルス検査食品アレルギー・アレルゲン検査

インスリン ~ 肥満ホルモンって何? ~

「インスリン」という名前、聞いたことありますか?
「糖尿病」の方などはこの物質と縁が深いので聞いたことがあると思います。

「インスリン」とは様々な生理作用を持つホルモンの一種で、
別称で「肥満ホルモン」という呼び名があり、
その詳しい説明をしたら本が数冊書けるくらい、
複雑な効果を持っているのですが、
化学に疎い人にもわかりやすく、かつ、簡潔に説明すると・・

「炭水化物」を食べて、体に吸収したエネルギー源(ブドウ糖)のうち、
使わないであろうというエネルギー分を、体に貯めるよう働きかける物質です。

「インスリン」は「炭水化物」を食べた後、
吸収されたエネルギー源(ブドウ糖) が血液内に多くなったとき、
いわゆる「血糖値」が高くなったとき、多く分泌されて、
エネルギー源を体に蓄えられる状態にして、
血糖値を下げるように働きかけます。
具体的には、「ブドウ糖」を「グリコーゲン」という物質で肝臓へ、
それでも余ったら「中性脂肪」に変換されて体に蓄えられます。

その際、「炭水化物」と一緒に摂った「油分(脂質)」も、
エネルギーとして使う予定がなければ、
ダイレクトに「中性脂肪」として蓄えようとするところが問題。

1つの結論として、
食事が適量の「炭水化物」だけなら、もちろん太りません。
ただ、「インスリン」の効果などがあるので、
「炭水化物」と一緒に食べる「脂質」の量や割合には注意が必要。

文章を簡略化するあまり、厳密に言うとちょっと違うと
専門家の方に怒られそうな内容の文章で恐縮ですが・・

次回、「低インスリンダイエット~低GI食品の裏側~」「そもそも脂質とは?」
   「炭水化物で太る理由」について、頑張って執筆させていただきます。

( Analyst  7 )

食品検査食品分析残留農薬残留抗生物質|殺菌試験|カビ毒検査|
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