食物、水道水の放射能汚染について

平成23年3月11日に発生した、
東北地方太平洋沖地震により被害を受けた皆様には
心よりお見舞い申し上げます。

今回は、ニュースで話題となっております
食品、水道水の「放射性物質汚染」について、
現段階において、食品化学を生業とする研究者としての
考察を述べたいと考えております。

結論と致しまして、現段階では、
「全く問題ありません」の一言に尽きます。

具体的な話をすれば、
今回一番多くの放射性物質が検出されたホウレンソウ草(1万5020ベクレル)
であっても、人体に影響を及ぼすレベルの放射性物質を摂るためには、
日本人の一日のホウレン草の平均消費量を15グラムとして、
「74年」分の量を一度に食べなければ人体に影響を与えることはなく、
人体への影響といっても白血球が少し減るくらいで、
数日で回復できるレベルのものだからです。

また、汚染された野菜と言っても、
水洗いや、煮るなどの調理法よって
放射性物質をかなり除去することができ、

しかも、今回検出されている放射性物質である
「放射性ヨウ素」は、約8日で半分以下に減少、
「放射性セシウム」は半減期が30年と長いものの、
体内においては100日で半分以下に減少する
などのことを考慮すれば、
人体への影響は限定的です。

情報の錯綜による弊害ではありますが、
医師の処方なしにヨウ素剤(うがい薬等)を飲むことは絶対にやめて下さい。
全く効果がないだけでなく、薬剤に含まれる他の物質が有害である場合があります

地震・津波による被害だけでなく、
更に、こういった風評被害が広がってしまう事は
現地で実際に農業・畜産業に携わる人々にとって、
致命的な打撃となりえます。

どうか、情報を整理しつつ、冷静な対応をよろしくお願いいたします。

( Analyst 11 )

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One Reply to “食物、水道水の放射能汚染について”

  1. SECRET: 0
    PASS:
    こんばんは。
    放射性セシウムの半減期にかなりビビッてましたが、体内のセシウムは意外と早く消滅するんですね。
    農家の方も迷惑しているんでしょうが・・・
    でも食物連鎖の頂点にいる人間は、動植物の体内濃縮の影響が心配で、やはり僕は出来れば避けたいとゆうのが本心です。 Like

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