豚レンサ球菌

豚レンサ球菌(Streptcoccus suis)は、豚に髄膜炎、心内膜炎等を引き起こし、致死率も高く経済的損失が大きいことから、世界の主要な養豚国においても恐れられています。また、この菌はヒトにも感染し、髄膜炎等を引き起こします。
ヒトは、豚あるいは生の豚肉や内臓肉に接触して感染することから、農場及びと畜場におけるリスク低減策が求められています。
人畜共通感染症としての重要性が注目されています。

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アジュバント

アジュバントとは投与した抗原に対する免疫応答を増強する物質でラテン語の adjuvare(助ける)に由来しています。
水酸化アルミニウムゲル、リン酸アルミニウムゲル、油性(オイル)などがあり、特にオイル系では食用油から界面活性剤まで、「ポリソルベイト、エデト酸ナトリウム、カルボキシビウニルポリマー、流動パラフィン、酢酸トコフェロールなど」複数採用されている。
これらのアジュバントは家畜では一般的に使用されているが、人体用での使用はあまり聞かない。
今回、輸入されるノバルティス社及びグラクソ社の新型インフルエンザワクチンは食用(サメの肝油)のアジバントが採用されているそうです。
日本のワクチンでアジュバントが採用されていない理由の一つがアジュバントの副作用にあります。アジュバントを使用してワクチンの効果をアップさせることはいいことですが、副作用等の安全性は確認済みなのだろうか?

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犬に住民票

東京都板橋区は愛犬の名前などを記載した犬の「住民票」を発行する。25日から区保健所の窓口で、登録済みの犬を対象に無料で受け付けるそうです。
犬の登録率や狂犬病の予防接種率を向上させるのが狙いで、区は「飼い犬を対象にした住民票は、全国でも珍しいのではないか」としている。
区内には約5万匹の飼い犬がいるが、登録されているのは約1万7千匹。住民票は名前や写真、生年月日、種類などを記載するそうです狙い通りにいくでしょうか?。
今後、その他の市町村まで普及するか?
将来、犬だけでなく猫やヘビ、ワニ、カメなどのペットにいたるまで住民票の登録をしなければならない時代になるのかなー。
気軽にペットも飼えない時代になってきた。

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賢い細菌

人間を含む動物には免疫機能があって、好中球、リンパ球、マクロファージなどがいつも外界から入ってくる異物と戦ってくれています。なのにどうやって病原細菌は体の中で増えて悪さをすることができるのでしょうか?実は細菌の中にはこの免疫機能をかいくぐる術をもった賢いものがいるのです。以下にその例をいくつかあげてみましょう。
【莢膜】
細菌のまわりにあるゼリー状の膜で、文字通り「莢(さや)」となって好中球やマクロファージに食べられないように身を守ります。
【コアグラーゼ】
細菌が出す酵素で、血液を凝固させてしまう作用があります。その凝固した成分を菌体自身に纏うことによってバリヤをつくり、好中球やマクロファージに食べられないように身を守ります。
【プロテアーゼ】
これも細菌が出す酵素です。生体側の武器である免疫グロブリン(抗体)を破壊してしまいます。

もちろんこれらはほんの一例で、細菌の病原性を担う要素は他にも数多くあります。
また、これら細菌を撃退しようと抗生剤を投与しても薬剤耐性菌なるものが出現することも多々あります。目に見えないほどの小さな生き物であるにもかかわらず、実に巧妙な機能が備わっているものですね。

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豚インフルエンザ/新型インフルエンザとは

<豚インフルエンザ/新型インフルエンザ>
人のインフルエンザウイルスにはA,B,Cの3つの型があり、A型は更に3つの亜型に分かれます。この3つの亜型のうちの2つが過去に人から豚に感染し、豚の間に定着したものと考えられています。その豚の間で馴化したものが豚型インフルエンザの豚型と香港型ウイルスです。
 
*人以外、A型インフルエンザとしては表面タンパクのHとNの抗原性の組み合わせにより多種の亜型に分類されます。

<豚に限定して感染する>つまり、豚インフルエンザは、A型インフルエンザによって起こる豚の呼吸器病です。豚インフルエンザウイルスは年間を通して豚間での感染を引き起こしていますが、豚から人への感染は一般的にはありません。豚に馴化しているため豚型インフルエンザと呼ばれ、容易に人への感染を引き起こしません。

<人への感染>今までの人への感染は豚への接触が濃厚であった場合が原因となっていました。
今回、メキシコで流行している豚インフルエンザはH1N1/豚型で、人で流行するH1N1/ヒト型(Aソ連型)とはH及びN型は一致していますが、全く異なった抗原性を有する別タイプの株です。インフルエンザウイルスはH及びN型が一致したとしても同一のタイプとは断定できません。ほとんどの場合が、変異を繰り返した別タイプの株であることから、毎年製造される人用のインフルエンザワクチンにあっても流行を見据えたうえで慎重に株が選択されている状況からもその変異の速さが伺えます。

<豚インフルエンザの感染例>
日本では、豚インフルエンザに感染した人の例はありませんが、これまで確認された人の事例のほとんどは、感染した豚に直接関与した場合によるものです。
つまり、通常は人には感染しません。しかし、散発的には過去にも豚インフルエンザの人への感染が発生しています。例えば、1988年にアメリカの養豚場で流行した豚インフルエンザが複数の人に感染が広がった例が報告されています。過去の記録ではアメリカにおいて1~2年で1例程度の発生報告が、あるとの事です。

<感染経路>
今回、人から人へ感染しているとすれば季節性のインフルエンザの感染経路と同様、咳やくしゃみによる飛沫が原因で感染しているものと思われます。

<パンデミック>
パンデミック(世界的な大流行)とは、人から人へ容易に感染が広まる新しい抗原性を有するウイルスによるものです。今回、メキシコで流行が始まった豚インフルエンザに関し、WHOは世界的大流行を意味する警戒度をフェーズ6に引き上げました。

<豚インフルエンザの種類>
現時点で判明している豚インフルエンザはH1N1、H1N2、H3N2及びH3N1の4種類です。

<豚肉は安全か?>豚インフルエンザは、豚肉や豚肉の加工品を食べても感染するものではありません。
輸入品(食品)に対する対応は、特に必要ないと考えられます。インフルエンザウイルスは、通常の環境中で長期間生存しませんし、豚肉や加工食品に高濃度でインフルエンザウイルスが付着することは考えづらく、万一、ウイルスが付着していたとしてもインフルエンザウイルスは熱に弱く、加熱調理することで死滅します(中心温度71℃で死滅)。また、加熱は不十分であったとしてもインフルエンザウイルスは酸に弱いことから胃酸で死滅する可能性が高いと思われます。インフルエンザウイルスは咳やくしゃみによる飛沫が原因で呼吸器粘膜から感染するものであって経口感染(口から入る)するものではないからです。

<予防>
予防としてはマスクの使用、手洗い、うがいなどです。
豚インフルエンザの人用ワクチンは開発されていませんが、豚用のワクチンは以前から販売されており、熱心な養豚家では接種を済ませています。

<治療薬>
4種類の承認された抗インフルエンザウイルス薬があります。

※注意
*インフルエンザは未解明な部分が多数あることから、今後徐々に解明されていくことにより、上記内容や状態が急速に変わることがあります。

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APP15型と思われる菌株を分離

アクチノバシルス・プルロニューモニエ(APP15型)
国内の養豚場からActinobacillus pleuropneumoniae血清型15と思われる株を分離しました。
従来APPは14型(13,14型はバイオタイプ2型、5型のみa,bの亜型がある)までの報告でしたが新たにオーストラリアにおいて血清型15が提唱されました。
今回、オーストラリアより分与していただいた15型を用いて免疫血清を作成し、国内で分離され、未同定だった菌株について型別判定したところ関東地方において15型と思われる菌株がありました。
この菌株の薬剤感受性を行ったところペニシリン系、キノロン系、クロマイ系、セフェム系に高い感受性を示した。テトラサイクリン系、マクロライド系、アミノグリコシド系、ST合剤は耐性を示した。
今回、15型が分離同定されたことから本血清型は国内において広く浸潤していることが示唆された。

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PCV2とPRRS-リアルタイムPCR検査例

<PCV2-リアルタイムPCRとPRRS-リアルタイムPCRの検査例>

A農場: PCV2ワクチンを接種後、事故率が20%から15%と改善がいまひとつでした。下記はワクチン接種前のPCV2とPRRSの血清中ウイルス量をリアルタイムPCRで検査したものです。PRRSも高く推移しているため、PCV2だけ抑えても顕著な改善が見られないことが推測できます。

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炭水化物と食物繊維と糖質の関係について

炭水化物と食物繊維と糖質の関係は?
炭水化物は、全量から水分,たんぱく質,脂質,灰分の合計を引いた値として求められます(「差し引きによる炭水化物」と呼ばれる)。
これは、栄養表示基準と五訂日本食品標準成分表の両方でそう定義されています。
栄養表示基準では、炭水化物の値からさらに食物繊維の値を引いたものを糖質としています。
五訂日本食品標準成分表の項目に糖質はないので、こちらには糖質は登場しません。
四訂では炭水化物の内訳が繊維と糖質という表記でした。

・炭水化物(g/100g)= 100-(水分(g/100g)+たんぱく質(g/100g)+脂質(g/100g)+灰分(g/100g))
・糖質(g/100g)= 炭水化物(g/100g)-食物繊維(g/100g)

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