有機質肥料(牛糞)にクロピラリドが混入

今朝の新聞で農薬のクロピラリドが牧草から検出されたとの記事を読みました。なんでも、この牧草を食べた牛の糞を有機質肥料として野菜農家が施用したところ野菜が萎縮したりした奇形が多くみつかったとのことです。
国の研究機関が因果関係を調べたところ農薬→牧草→牛→糞→野菜といった図式が分かったとのことでした。
私たちが有機農薬だから多少の形が悪いのはしょうがないかな?と思って、購入していた有機野菜がもし、農薬漬けだったとしたら・・・・・? 何を信じたらいいのやら?
牛に与える牧草は、ほとんどが輸入に頼っているらしいので、水際対策をしっかりしてもらいたいものです。

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レジオネラに関する群馬県の動向

05年11月25日に「群馬県公衆浴場等レジオネラ対策検討委員会」が開かれ、レジオネラ症に関する条例案について話し合いがなされました。その結果は、浴槽水においては

①検査頻度は循環型・毎日完全換水型にかかわらず年1回以上

レジオネラ菌の数値は100ミリリットルあたり10未満

③上記の数値を「検査基準」から「管理目標」に緩和

④酸性泉の温泉(草津・万座等)は年1回以上の検査を免除

⑤検査費用は業者負担

衛生管理者講習会の実施(任意)

と報告されました。群馬県全体でレジオネラ症対策に関する動きがあった、という事です。ただしこの報告上の管理方法はあくまで最低限必要なものであり、これだけではどうしても不足な部分があります。レジオネラ菌の発生・増殖を防ぐために必要な管理方法として

①循環ろ過装置はろ過能力の高いものを使用し、週1回以上の消毒を行う。

②浴槽消毒用の塩素を使用する。塩素は時間、温度によって減少するのでその都度補充する。泉質の都合で塩素消毒ができない場合、オゾン殺菌・紫外線殺菌を行う。

③集毛器は毎日清掃する。

水質検査は循環式の場合できれば年2回以上行う。

⑤上記に加え、独自の管理方法(検査頻度を増やす、清掃方法を確立する等)を設定・実行する。

等があります。温泉施設の方に限らず、自宅の浴槽が循環式の方も参考にしてみて下さい。食の安全とはテーマが異なりますが、「決して人ごとではなく、油断していると恐ろしい事故につながる」「普段から衛生管理をしっかりしていれば、充分防げるものである」という点では食品衛生と同じです。実際当社でも食品に関する衛生と同様に浴槽に関する衛生管理にも力を入れております。

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2-クロロエタノールが食品に残留?

 プリマハム(株)によりますと、自社による自主検査において、串を使用した「串刺し商品」の一部から2-クロロエタノールが検出されたと発表がありました。
健康被害の届けはないが、商品の販売を停止し、自主回収をするとのことです。

2-クロロエタノールとは・・・・Wikipediaによりますと
「2-クロロエタノールは強い毒性を持ち、濃い蒸気を吸引すると死に至ることがある。また、2-クロロエタノールは皮膚より吸収され、中枢神経、循環器、腎臓あるいは肝臓に障害を引き起こす。2-クロロエタノールは肺や目に対して刺激性が強い。そして、引火や爆発の恐れがある。
2-クロロエタノールはエチレンと次亜塩素酸とから製造される。
2-クロロエタノールはおもに酸化エチレンの製造に利用され、他にも染料、医薬品、殺菌剤や可塑剤の合成原料として利用される。あるいはチオジグリコールの製造にも利用される。酢酸セルロースやエチルセルロース、繊維のプリント染料、脱蝋、ロジンの精製、松リグニンの抽出、ドライクリーニング等の溶媒としても利用される。」と記載されている物質です。

どれほどの2-クロロエタノールが竹串に残留していたかは不明ですが、いち早く回収するとは、さすがです。こういった事件が起きた時に、どの様に対応するかで会社の体質が分かると思います。
プリマハム(株)の職員の方々は大変でしょうが頑張ってください。

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ノロウイルスについて②

冬になると猛威を振るい、私たちを悩ませるウイルスがあります。1、2月をピークに発生し、年間にしても発生件数はいつも上位、患者数はトップに位置するノロウイルスです。高齢者福祉施設の連続集団発生で、死者が出ましたので世間的にもその名を耳にする機会が多いと思います。このウイルスは未解明なところが多く、現在、厚生労働省のQ&Aによると感染経路はほとんどが経口感染と言われており、汚染された貝類(カキ、大アサリ、シジミ、ハマグリ等)を生あるいは加熱不足の状態で食した場合、感染した食品取扱者を介して汚染した食品を食した場合、患者の糞便や嘔吐物からの二次感染及び人同士の接触機会が多い場所での人から人への直接感染があります。

このウイルスを失活化するためには加熱処理が有効で、食品の中心温度が85度以上で1分間以上の加熱を行えば感染性はなくなるとされています。先に未解明なところが多いと述べましたが、ノロウイルスには多くの遺伝子の型があり、培養した細胞及び実験動物でウイルスを増やすことが出来ない事から、ウイルスを検査(分離して特定する)することが困難なことにその理由があります。また、困ったことに食品中に含まれるウイルスを検出することが特に難しく、食中毒の原因究明や感染経路の特定が困難です。

食中毒なのか、感染性胃腸炎(ノロウイルスによる感染症)なのか、原因究明・衛生指導に悩ます存在です。現在、レストラン等で食事し、ノロウイルスが原因で多数発症した場合や食品中や調理者の検便から検出された場合は食中毒。患者の検便のみの検出の場合は、人から人への感染による感染症扱いというケースをよく耳にします。何れにせよ、感染した場合、高齢者や乳幼児では致命的な結果にもなりかねないことから、基本の手洗い、器具の洗浄・消毒、食品の衛生的な取り扱いや十分な加熱、便や嘔吐物の適切な処理等の徹底が感染あるいは食中毒の予防のポイントとなります。

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食品の異物混入とその対応

年間を通じての依頼件数が決して少なくない検査の一つに、混入異物の鑑定というのがあります。一般的に業界で言う「異物」とは、生産、貯蔵、流通の過程での不都合な環境や取り扱いによって、食品中に侵入したあらゆる外来物を言います。ただし、外来物以外でも製造や保存過程において、内部に発生した固形物なども「異物」としての取り扱いを受けます。つまりは正常な製品と比較して異なるものが混入しているように判断された場合に「食品の異物混入」となります。

具体的に「異物」となりうるものには、どのようなものがあるのでしょうか。特に件数として多いのは、髪の毛や昆虫などですが、その他にも動物・鳥類の体毛、動物由来の排泄物、種子、植物の断片(木片、わらくず、もみがら等)、繊維など、小石・土砂、ガラス・陶磁器・セメント・金属・プラスチック・ゴムなども異物混入の事例として発生しています。

実際に異物混入があった場合(クレーム、社内発見に関わらず)、製造者の対応としては、

(1)『何であるかの確認』

(2)『なぜ混入したかの原因調査』

(3)『混入原因を排除するための対策の立案』

(4)『対策の実施』

という手順になるかと思われます。弊社のような検査会社が携わるのは、(1)『何であるかの確認』という部分になりますが、その後の(2)、(3)、(4)の手順に頭を悩ませている製造業者の方は多いことかと思います。そして、クレーム先に何であったか、その原因と対策を報告、とその時点で終わってしまうことが多いのではないでしょうか。

時間が無い、人がいない、お金が無いなどが対策の実施が出来ない理由であると思われますが、何度も同じような異物混入が発生すれば、その分だけ信用低下に繋がり、悪循環に陥ってしまうことでしょう。長期的な視点で考えれば、混入異物が発生した時に良いチャンスと捉え、その原因排除の対策を主軸として品質管理を考えるということが必要になるかと思われます。

現在の食品業界は「安全・安心・おいしい」ということが大前提であると考えられています。食品の安全に関して連日報道される昨今、一歩先を見据えた品質管理体制が益々重要となっていくでしょう。

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食品表示について

食品表示
2007年は大手食品メーカーの賞味期限切れ原材料使用事件から始まり、食肉会社の食肉偽装事件と食品会社の不祥事が続きました。このような不祥事が起こる度に、食品会社の倫理的な問題が問われていますが、その事件の違反がどのような法律に対しての違反であるのかをお付き合いのある食品会社に尋ねても明確に答えが出る人は数多くありません。

答えが出ない人の多くは、規模的に従業員が数人から数十人といった範囲で、取引先が数少ない下請け的な仕事が業務の大半を占める会社がほとんどです。答えられなかった会社が悪質でデタラメな作業をしているかといえば、そうではありません。

今回取り沙汰されている食品衛生法やJAS法の改正されている内容について詳しく知らないのです。多くの企業は各業界団体や取引先から情報を入手しているケースが多く、逆に業界団体に属していなく取引先も決まった範囲の物流会社が中心であると外からの情報入手が遅れてしまいます。

悪質に法律違反しているのではなく結果的に違法となる行為が存在する訳です。その原因は恐らく行政側に複雑な食品の流通をきちんと把握している人は少なく、外からの情報入手が少ない会社は食品に関わる全ての法律をきちんと把握している人が少ないことにあると思います。

このような問題を軽減させるには、従来の協会団体や量販店に向けた通知やインターネットによる通知手段だけではなく、直接告知するような行政側の努力が最善なのではないかと思います。また、法律自体も食品衛生法やJAS法のように一つの表示に対して互いに部分的に関わった複雑な体系にせずに、統合できるところは統合するようにした方が良いと思います。

食肉会社の食肉偽装事件直後に、ある協会団体が食肉会社の調査にのり出し、悪質な不適正表示はなかったと農林水産省に報告しながらも現行のJAS法では業者間取引は表示義務の対象外であるので、農林水産省は適用範囲の拡大を検討しているという内容の記事を読みました。JAS法では業者間取引は表示義務の対象外でも食品衛生法では対象範囲になっています。

なぜ、食品衛生法で対象範囲であるのにJAS法でも規制しなければいけないのかが良くわかりませんが、法律を複雑にしている原因であるには違いありません。現行の法律では、業務間の不備な表示は食品衛生法違反であるがJAS法違反ではないという場合もあるわけです。当然、状況によってはJAS法だけが関わっている場合もあるわけです。このように表示一つにしても全体像を把握するにはかなり勉強しなくてはなりません。よって、事件を減らすにしても行政等による法律等の周知の徹底や法律自体もわかりやすいように統合していくべきであり、そう簡単に解決が付かず、いくつもの難関があると思います。

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食品アレルゲン

食品アレルギー

食品回収情報に目を通すと、その理由・原因として「アレルギー物質表示欠落のため」「アレルギー物質混入の疑いあるため」などが挙げられているのを良く見ます。今回は、「食品アレルギー」そのものについて簡単に解説をしたいと思います。

そもそも、アレルギーとは、免疫反応が特定の抗原に対して過剰に起こることをいいます。免疫反応とは、体の中で異物(抗原)が入ってくると、これに対して排除しようとする働きにより、抗体が作られるというものです。

ごく身近な例では、アレルギー性鼻炎(花粉症)やアトピー性皮膚炎などがあります。花粉症では、植物の花粉が異物(抗原)となって、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状を引き起こすこととなります。つまり、食品アレルギーでは、食品に含まれる成分が異物(抗原)となって、何らかのアレルギー症状が出ることを言います。

アレルギー物質の表示に関して食品製造業に携わる方にとっては、食品の表示に係る法令などが一元化されていないことが、混乱を招くとともに表示欠落を理由・原因とする製品回収が起こる一因になっていると感じるかもしれません。

しかしながら、食品アレルギーの中には、アナフィラキシーショックを起こして命にかかわるようなこともあります。すなわち、アレルギー物質表示の怠りや製品への混入によって、重篤な健康被害を起こし、非常に痛ましい事故が起こりうる可能性も秘めているのです。これらのことも含め、食品製造業界の様々な問題がクローズアップされる現代では、食品製造業者皆様の理解と努力が益々重要となっていくことになるかと思われます。

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品質管理について

あるお客さんが

『最近の犯罪は強盗よりも、ひったくりが多くなってきているんだって!どうしてか分かる?』

『?』
『コミュニケーションの能力が落ちてきているからなんだって』
『なるほど!そういえば、学校でも、先生と生徒、また親との間でコミュニケーションができないことが問題になっていますよね』

そんな会話をしている間に思い浮かんだのが、品質管理者のことでした。

最近の品質管理者は、検査に追われ、またクレーム報告書に追われ、気難しい顔をし、少し疲れた表情を浮かべながらパソコンに向かっている人が多く見られます。会話をしても、『何でこんな小学生でも分かるようなクレームが起こるのだろうか?』『現場に入りたいけど、忙しくて入っている暇なんかないよ』というような話しか出てきません。そんな雰囲気だからか、性格なのかは分かりませんが、ますます従業員との隔たりが生じているようです。こんな状態で従業員とコミュニケーションを取ろうとしても取れるはずもありません。

そもそも品質管理者は、クレーム処理を行うためにいるのでしょうか?私は商品の品質を高めるために存在していると考えています。その品質を高めてくれるのは、誰でしょう?それは、従業員の方々です。一方、クレームを起こすのも従業員の方々です。つまり、従業員とのコミュニケーションを取り、内部の問題点を聞き出す・解決すること、従業員の方々が負荷なく作業できる環境作りが、クレーム低減の第一歩となります。

『でも、それは分かっているけど、今までの仕事が溜まっていて現場に入っている時間が取れないよ!』なんて嘆いてはいけません。今まで、従業員からの『作業が忙しすぎて、清掃する時間なんかないよ!』というクレームに対して、『段取りをしっかりすれば掃除の時間は作れるよ』と返答した方へ・・・今こそ、自分自身で実行してみましょう!

品質管理者は、会社の中心です。そのため、品質管理の雰囲気がそのまま会社全体の雰囲気につながります。元気を出して笑顔で現場に入り、従業員の方々と積極的にコミュニケーションを行いましょう。それが、品質管理者の役目であり、品質を高める近道であるからです。品質管理に悩んでいる方、当社にご連絡ください。一緒に従業員とコミュニケーションしていきましょう。
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衛生教育について

ブログの復活です
あまり更新はできませんが月1回程度の更新を心がけます。
なお、このブログと同一のものがhttp://www.shokukanken.com/column.htmlに取りまとめてありますのでご興味のある方は本サイトもご覧下さい。
衛生教育について
当社は、県内や近県の食品会社と衛生コンサルタント契約を結び、科学的手法(微生物学的検査機器分析)を用いながら従業員の「衛生教育」を行っています。
食品事故をなくし、品質の高い食品を作るには、作る現場での従業員の衛生意識の改善が最も重要です。

以前、私はトップに改善すべきポイントを伝え、トップダウンで現場に指示するやり方を行っていました。規模が小さかったり、組織がきちんと機能している会社ではこのやり方で通用しましたが、実際に担当していたほとんどの会社が中規模以上の会社であり、組織も未発達の会社が多く、指示・改善を提案しても途中で断線し、現場まで声が届かなかったり、現場からの声も私の耳まで届かなかったり、で上手くいきませんでした。
そこでメインにするやり方に切り替えました。このやり方は時間と労力はかかりますが、従業員たちと直接コミュニケーションをとりながら、継続的に「衛生教育」することで意識の高まりを強く感じました。
結局現場が物づくりの主体になるわけですから、当たり前といえば、当たり前な結果です。「会社は人なり」です。
良い会社は、良い人材に恵まれているわけではなく、良い人材に育成する会社だと思います。育成するといっても「従業員教育」に王道があるはずも無く、「対話をすること」と「実践をすること」を繰り返すことが重要であり、一方的に押し付けたり、言うだけで実践してみせない方法では育成になりません。育成する側にも試行錯誤が必要なわけです。バブル時代に大量雇用し、ふるいを掛ける手法をとった会社は、バブル時代のように余剰人員を抱えるほどの資金的余裕も無いのが現在であり、この先は少子化も進み、限られた人材資源を有効に活用する為に、ますます「従業員教育」が見直されるに違いありません。
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カビと食品衛生について

食品製造の現場においてカビ汚染を防ぐことやカビ毒に対する知識を習得することは、非常に重要な事柄の一つです。特に最近の食品業界を考えると、食品保存期間の延伸や低温流通などの普及に関連して、保存中のカビ発生による事故は増加しているようです。

カビは、低温でも良く生育し、細菌と比較して生育が遅いために上記のような傾向が見られます。また、輸入食品の増加に伴い、カビが作るカビ毒の問題がクローズアップされています。「カビ」というのは、細菌とは異なり、「酵母」や「きのこ」とともに「真菌類」と呼ばれる生物種に含まれます。また、カビというのは俗称であり、食品などで増殖して肉眼で確認される種類をカビと呼んでいます。

カビと聞くと、良いイメージをもたれる方は、あまり多くはいないでしょう。中には、コウジカビ、アオカビのように食品製造に利用される種類や医薬品製造に利用される種類もいますが、食品衛生上において考慮した場合、カビによる食品や工場内の汚染、それらを原因とする、食品事故(食品汚染クレームやカビ毒)の発生が大きな問題となります。