食品アレルゲン

食品アレルギー

食品回収情報に目を通すと、その理由・原因として「アレルギー物質表示欠落のため」「アレルギー物質混入の疑いあるため」などが挙げられているのを良く見ます。今回は、「食品アレルギー」そのものについて簡単に解説をしたいと思います。

そもそも、アレルギーとは、免疫反応が特定の抗原に対して過剰に起こることをいいます。免疫反応とは、体の中で異物(抗原)が入ってくると、これに対して排除しようとする働きにより、抗体が作られるというものです。

ごく身近な例では、アレルギー性鼻炎(花粉症)やアトピー性皮膚炎などがあります。花粉症では、植物の花粉が異物(抗原)となって、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの一連の症状を引き起こすこととなります。つまり、食品アレルギーでは、食品に含まれる成分が異物(抗原)となって、何らかのアレルギー症状が出ることを言います。

アレルギー物質の表示に関して食品製造業に携わる方にとっては、食品の表示に係る法令などが一元化されていないことが、混乱を招くとともに表示欠落を理由・原因とする製品回収が起こる一因になっていると感じるかもしれません。

しかしながら、食品アレルギーの中には、アナフィラキシーショックを起こして命にかかわるようなこともあります。すなわち、アレルギー物質表示の怠りや製品への混入によって、重篤な健康被害を起こし、非常に痛ましい事故が起こりうる可能性も秘めているのです。これらのことも含め、食品製造業界の様々な問題がクローズアップされる現代では、食品製造業者皆様の理解と努力が益々重要となっていくことになるかと思われます。

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PCV2とPRRS-リアルタイムPCR検査例

<PCV2-リアルタイムPCRとPRRS-リアルタイムPCRの検査例>

A農場: PCV2ワクチンを接種後、事故率が20%から15%と改善がいまひとつでした。下記はワクチン接種前のPCV2とPRRSの血清中ウイルス量をリアルタイムPCRで検査したものです。PRRSも高く推移しているため、PCV2だけ抑えても顕著な改善が見られないことが推測できます。

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炭水化物と食物繊維と糖質の関係について

炭水化物と食物繊維と糖質の関係は?
炭水化物は、全量から水分,たんぱく質,脂質,灰分の合計を引いた値として求められます(「差し引きによる炭水化物」と呼ばれる)。
これは、栄養表示基準と五訂日本食品標準成分表の両方でそう定義されています。
栄養表示基準では、炭水化物の値からさらに食物繊維の値を引いたものを糖質としています。
五訂日本食品標準成分表の項目に糖質はないので、こちらには糖質は登場しません。
四訂では炭水化物の内訳が繊維と糖質という表記でした。

・炭水化物(g/100g)= 100-(水分(g/100g)+たんぱく質(g/100g)+脂質(g/100g)+灰分(g/100g))
・糖質(g/100g)= 炭水化物(g/100g)-食物繊維(g/100g)

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豚の体重測定

昨日は、久しぶりに豚の体重測定をしました。10kgから20kgの仔豚を御姫様ダッコして量ります。たかだか約300頭を量っただけなのですが、今日になったら筋肉痛です。
まだまだ若い者には負けないつもりでしたが、体力の衰えを感じました。
来週は、子牛(300kg)の試験なので、週末にゆっくり休んで体力の回復をしないと・・・・・?

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今日のできごと。

食環研の菊池です。今日がブログデビューです。たいしたことは書けませんが日々の出来事(失敗、良いこと)、お客さんの愚痴、悩み、相談事など書き込みたいと思っています。今日はある養豚農家さんで取り組みを行っている臭気対策相談に乗っていました。この農家さんは高速道路上のサービスエリアに面していてまじめで誠実な臭気対策の取り組みをおこなっています。現在まで行っている臭気対策はとある業者のオゾンシステムで糞尿処理設備に取り付けて行っているのですが高い値段やランニングコストの割にイマイチ上手くいっていません。そこで他のオゾンの専門業者に相談に乗ってもらい新たな対策を講じようとしているところです。私もアドバイザーで色々相談に乗っていますがこの業者のシステムはなんとコストも安く、とても理にかなっていることに感心しました。目からウロコです。簡単に書くと糞尿処理施設⇒入気・送風・吸気⇒水の反応⇒オゾン反応⇒木酢液反応⇒排気になります。今まで行ってきた①使用頭数の減少、②飼料のペレット化(熱処理)、③消臭生菌剤の使用と合わせてその効果を期待しているところです。今後もまじめな農家さんを応援していきたいと思います。ちなみに今日は夜の内に東京の大鳥居に向かいました。明日羽田から宮崎に講演会の講師で伺います。テーマはサーコウイルスを抑えた後の疾病についてです。頑張ってきます。
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Aujeszky’s Disease

APVSにて発表しました。
Eradication of Aujeszky’s Disease from a Japanese farm using an adapted vaccination program

IntroductionSince 1991, we have been trying to eradicate Aujeszky’s Disease (AD). But, in Japan, vaccination is not compulsory, its use depends on a voluntary decision by veterinarians or farmers. We were asked to eradicate AD on one particular farm. We monitored the farm’s AD status by regularly examining serum samples for AD antibodies. Using these results, we recommended a whole herd vaccination program, advising on the choice of vaccine and its timing for piglets, sows and gilts. We finally succeeded in eradicating AD.

Materials and Methods
The farm: A typical Japanese 500-sow farrow-to-finish herd on a single site in the northern part of Japan.AD Neutralizing Test (NT): Serum samples were incubated for 1 hour with AD virus (200 TCID/ L). The maximum dilution was recorded for neutralization (CPE -ve) after five days incubation (37°, 5% CO2). Measurements >2 were taken to be positive, and those 2, negative. ELISA Test: The ADV (gI) ELISA Test Kit (IDEXX) was used which measured ADV infection, because the only vaccines available in Japan are marker vaccines. Vaccine: Porcilis Begonia, Suvaxyn Forte Vaccination Programs: Program 1. (between spring and autumn, 2005) Vaccination with AD live vaccine (gI-, tk-) Gilts: When acclimatized: 2 doses, 4 weeks apart Sows: All sows, one month before farrowing Piglets: Not vaccinated Program 2. (between autumn 2005 and summer 2006) Vaccination with AD live vaccine (gI+, tk-) Gilts: When acclimatized: 2 doses, 4 weeks apart Sows: All sows, 3 times per year, all at once Piglets: 2 doses at 60 and 90 days old Program 3. (from summer 2006 to present) vaccination with AD live vaccine (gI-, tk-) Gilts: Soon after arrival: 2 doses 4 weeks apart Sows: All sows, 3 times per year, all at once Piglets: Single dose at 90 days old

Results
Program 1: Only one sow was ELISA-positive, there were no other field infections in sows. But field infection was observed in pigs at 90, 120 and 160 days of age. Program 2: The number of AD-positive sows increased, and field infection was observed in pigs of all ages. The farmer considered that the program was failing, and asked us to improve it. Program 3: No rapid changes in field infection, but by the end of November 2008, most pigs were negative. There were only limited numbers of older sows showing AD infection.

Discussion
Though he was not confident at the start, the farmer became convinced that AD eradication was possible using this monitoring approach. Management measures, including the introduction of only AD-ve gilts, periodic monitoring and feedback to inform a proper vaccination program were effective in eradicating AD on this farm. Communication between farmer and consultant was the key to maintaining motivation. It has now been shown that, strongly motivated farmers in Japan can eradicate AD using an appropriate program of vaccination guided by regular disease monitoring.

shokukanken Y.K
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品質管理について

あるお客さんが

『最近の犯罪は強盗よりも、ひったくりが多くなってきているんだって!どうしてか分かる?』

『?』
『コミュニケーションの能力が落ちてきているからなんだって』
『なるほど!そういえば、学校でも、先生と生徒、また親との間でコミュニケーションができないことが問題になっていますよね』

そんな会話をしている間に思い浮かんだのが、品質管理者のことでした。

最近の品質管理者は、検査に追われ、またクレーム報告書に追われ、気難しい顔をし、少し疲れた表情を浮かべながらパソコンに向かっている人が多く見られます。会話をしても、『何でこんな小学生でも分かるようなクレームが起こるのだろうか?』『現場に入りたいけど、忙しくて入っている暇なんかないよ』というような話しか出てきません。そんな雰囲気だからか、性格なのかは分かりませんが、ますます従業員との隔たりが生じているようです。こんな状態で従業員とコミュニケーションを取ろうとしても取れるはずもありません。

そもそも品質管理者は、クレーム処理を行うためにいるのでしょうか?私は商品の品質を高めるために存在していると考えています。その品質を高めてくれるのは、誰でしょう?それは、従業員の方々です。一方、クレームを起こすのも従業員の方々です。つまり、従業員とのコミュニケーションを取り、内部の問題点を聞き出す・解決すること、従業員の方々が負荷なく作業できる環境作りが、クレーム低減の第一歩となります。

『でも、それは分かっているけど、今までの仕事が溜まっていて現場に入っている時間が取れないよ!』なんて嘆いてはいけません。今まで、従業員からの『作業が忙しすぎて、清掃する時間なんかないよ!』というクレームに対して、『段取りをしっかりすれば掃除の時間は作れるよ』と返答した方へ・・・今こそ、自分自身で実行してみましょう!

品質管理者は、会社の中心です。そのため、品質管理の雰囲気がそのまま会社全体の雰囲気につながります。元気を出して笑顔で現場に入り、従業員の方々と積極的にコミュニケーションを行いましょう。それが、品質管理者の役目であり、品質を高める近道であるからです。品質管理に悩んでいる方、当社にご連絡ください。一緒に従業員とコミュニケーションしていきましょう。
shokukanken S.G
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豚サーコウイルス2型汚染検査におけるリアルタイムPCR法の有用性

2009年度の獣医学会(鳥取大学)にて発表しました。
【目的】豚サーコウイルス2型(PCV2)の感染は、ほとんどの農場でみられ、死亡率の増加や増体重の低下などをもたらす。PCV2検査は、PCR法、間接蛍光抗体法(IFA法)及びELISA法が用いられている。しかし、これらの検査では正確な汚染度を明らかにすることができないため、ウイルス量を定量できるリアルタイムPCR法(rPCR法)が推奨されている。そこで、農場の離乳後事故率(事故率)とrPCR法及びIFA法の結果を比較し、rPCR法の有用性を検討した。
【方法】関東地域にある事故率が5%、10%及び20%の各3農場で、平成20年に採材したPCV2ワクチン未接種の血清を用いた。検体数は各農場で母豚6頭、30、60、90、120及び150日齢の肥育豚3頭ずつを基本とした。rPCR法による血清1mL中のPCV2量及びIFA法による抗体価の測定を行い、その結果を比較した。
【結果】事故率5%群のPCV2量は6.0×102~7.6×103 copies/mLで、90日齢で最高値を示した。事故率10%群及び20%群では6.0×102~3.8×104 copies/mL及び3.1×103~2.4×105 copies/mLで、60日齢で最高値を示した。事故率5%群は20%群と比較して母豚、30日齢、60日齢、150日齢で有意に低かった。また10%群との比較では60日齢で有意に低かった。事故率10%群は20%群と比較して母豚、150日齢で有意に低かった。IFA抗体価は、いずれの日齢においても群間に有意差はみられなかった。
【総括】事故率5%群のPCV2量は全ての日齢において104 copies/mL以下であったことから、このレベルが事故率改善の一つの指標となることが示唆された。また、日齢ごとにPCV2量を測定することにより、PCV2の増殖時期が明らかとなるため、対策を講じる上で有用な情報となると考えられた。
shokukanken M.N
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日本獣医学会(秋) M.N

豚の病性鑑定結果から得られた最近の疾病状況

APVSで発表しました
Major Pathogens Found in Sick Piglets
Introduction
We have been concerned with health consultation and diagnostic examination of pig farms in central and northern Japan. The purpose of this study is to elucidate relationship between the infectious diseases and piglet age by epidemiological survey of the causative pathogens from 2004 to 2008.

Materials and Methods
1094 samples in total, carcass and feces of diarrhea, were collected from 62 farms in Kanto, 71 in Tohoku and Hokkaido district of Japan. For detection of pathogens, cultural isolation and identification were employed for Actinobacillus pleuropneumoniae, Haemophilus parasuis, Pasteurella multocida, Clostridium perfringens, Escherichia coli, Salmonella sp. and Streptococcus sp.; PCR methods for PRRSV, PCV2, and Lawsonia intracellularis; latex agglutination method for Rotavirus; and microscopic examination for fecal parasites such as Coccidium and Trichuris suis.

ResultsThe incidence of detected pathogens at each growth stage of piglets. Additional pathogens detected in PRRSV positive samples (194 cases) and those in PCV2 positive samples (34 cases) . In 0 to 30-days old piglets, C. perfringens and Shiga toxin- producing E. coli (STEC) were found at high rates, 40.5 and 23.5%, respectively. STEC, H. parasuis, P. multocida, and C. perfringens were dominated in 30 to 60-days old animals (20.4, 14.8, 14.6, and 14.1%, respectively). Whereas, the major pathogens changed in the course of piglet growth. PRRSV, P.multocida, and A. pleuropneumoniae were found at high rates (24.9, 20.2, and 18.1%, respectively) in 60 to 90-days old ones; A. pleuropneumoniae, C. perfringens, and P. multocida were abundant in 90 to 120-days old ones (19.2, 17.4 and 15.6%, respectively). Accompanied pathogen to PRRSV was found as P. multocida at the highest rate (40.6%), followed by H. parasuis (24.5%) and A. pleuropneumoniae (19.6%). The mixed infection with PCV2 positive cases was attributed to H. parasuis (48.0%), P. multocida (44.0%), and A. pleuropneumoniae (16.0%).

DiscussionThe results indicate pathological relevance between the pathogens and the age of piglets. Namely, the pathogens causing digestive system diseases were dominant in the early stage of growth, while the agents causing digestive and respiratory system diseases were detected at a nearly same rate in 30 to 60-days old piglets. After 60 days, prevailing pathogens were almost limited to respiratory diseases. In any stage of animal growth, most of the detected pathogens were causative of chronic or opportunistic diseases, and it was suggested that they could develop into complex syndromes by mixed infection with PRRSV or PCV2.
shokukanken M.N
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