「がんの原因は、何だと思いますか?」と聞かれたらなんて答えますか?
タバコ?生活習慣?
主婦層に質問すると、ベスト3に入るのは、「食品添加物」、「残留農薬」、「タバコ」となるそうです。
一方、がんの疫学者に同様の質問をすると、「残留農薬」や「食品添加物」といった項目は挙がりません。
がんの疫学者が項目としてあげるのは「普通の食べ物」や「ウイルス」、「放射線・紫外線」などであり、主婦層からは挙がらない項目が出てきます。どうしてこのような見解の違いが生じるのでしょうか?その一つの理由として考えられるのは、「身近であるかどうか」ということにあるのではないかと思います。
一般消費者にとって、食品中に含まれている「食品添加物」や生産過程で関わる「残留農薬」などは、実際には見たことがなく、食品に含まれていてもパッと見ただけでは判らない「良くは知らないけれども、何だか体に悪そう」といった類の『漠然とした不安』というイメージがあるのではないかと思います。
メーカーや企業が「食品添加物」や「残留農薬」に対して、ないがしろに考えて良いわけではありません。一般消費者が過剰に問題視している側面もあるかもしれませんが、重要なのは一般消費者が持っている『漠然とした不安』をいかにして軽減させることができるかと言うところにあると思います。
副所長