マラカイトグリーン試験法改正について

昨年11月24日付けでマラカイトグリーン試験法の改正がありました。
改正理由としては一部の食品において回収率が低いという事が分かっており試験法の開発が進められていました。
内容としては主に抽出・精製部分での変更がされており、抽出では光分解されやすいマラカイトグリーンを分解しにくい条件で脂質・タンパク質の多い食品からも抽出が出来る条件へと変更されました。
精製では脱脂の部分において固相カラムを追加し、環境負荷の高いジクロロメタンを用いた脱脂精製を除いています。

マラカイトグリーンとは主に観賞魚等の殺菌剤等で使用されていますが日本では養殖魚への使用は禁止されており、またマラカイトグリーンが検出された食品の流通もしては行けない事になっています。
毒性については発がん性の疑いが有る物質となっています。

新しい分析法
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000185571.pdf

放射性物質分析食品検査残留農薬残留抗生物質株式会社 食環境衛生研究所

季節の変わり目、体調に注意!

国立感染症研究所において、定点観測における第14週の速報が出ています。
今週更新された速報では、ノロウイルスについて、定点観測1医療機関あたりの感染者数は5.63人と、前週の5.38人と微増の結果となり、過去10年間の平均から比べると若干少ない結果になっております。季節の変わり目になると、気温の変化に対応できず体調不良になり、ノロウイルスなどの感染症にかかりやすくなります。最近、近所でも、インフルエンザにかかった人がいる、という話も聞きました。もう暑くなったからと油断せず、ウイルス対策はしばらく継続していきましょう。

食品・環境衛生営業部 K・K

脅威の感染力

 今年2月、立川市の学校給食共同調理場で調理された給食を食した7小学校の児童、教師合わせて1098人が犠牲となったノロウイルス食中毒事故は、改めてノロウイルスの怖さを知る食中毒事故となりました。原因となった親子丼に使用された「刻み海苔」と食した患者と「刻み海苔」の製造工場の裁断機やトイレから同一遺伝子のノロウイルスが検出されたことから、「刻み海苔」が原因食品であると断定されました。
 東京都の担当者によると、「ウイルスが海苔を乾燥させる段階で付着したのか、製造過程で汚染したのかは現段階では不明であるが、今後は製造元の衛生面やスタッフの健康管理などについてもチェック体制が必要になる」と話していました。今や食中毒発生要因の第一位であるノロウイルス。そのノロウイルスが冬季の寒い環境であれば、2ヶ月近く生存できる(インフルエンザは、せいぜい2,3日)というのは、食品会社にとって大変脅威となります。最近は、検査において真夏でのノロウイルス陽性者も珍しくはありませんが、なぜ、夏よりも冬の方が感染力があるのかが解った様な気がします。
 また、食品からのノロウイルス検査も盛んになり、昨年は牡蠣が検査で陽性となった為、出荷停止となりました。PCRでの検査(遺伝子判別の検査)結果を受けてでの判断となりましたが、判定したノロウイルスに感染力が有るか無いか(不活化しているかどうか)は、PCR検査では解りませんので、速く培養できる細胞がみつかることが水産業者と牡蠣好きの救いとなると思います。

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ノロウイルスの感染の微増が継続【第11週報告】

先週も、同様の報告をしましたが、追加報告です。
第8週から第10週にかけて感染性胃腸炎(ノロウイルス)の一医療機関当たりの患者数(全国平均)が増加していることをまとめましたが、第11週では5.8人と、前の週(5.59人)と比べて増加し、増加傾向が継続しています。
ノロウイルスは乾燥していて、気温が低いほど長生きして、感染者を増やしていきます。感染の発生自体は通年で起こっておりますので、引き続き警戒をしていきましょう。

食品・環境衛生営業部 K.K

ノロウイルスの感染者微増(第8~10週報告)

国立感染症研究所がまとめた、ノロウイルスの感染状況(全国平均における一医療機関あたりの患者数)を見ますと、第8週では5.3人、第9週では5.4人、第10週では5.59人と、だんだん増えていることが分かります。誤差の範囲内かもしれませんが、例年、春先にかけて再び感染者が増えることがありますので、引き続き注意していきましょう。

以上、報告でした。

食品・環境衛生営業部 K.K

乾物も衛生対策を!

東京で起きた1000人以上の食中毒を出した事件が、
まさかの海苔が原因だという、ショッキングな事実が判明しました。
海苔等の乾物では、細菌はほとんど繁殖せず、カビが問題となることはありますが、そういった微生物的な被害は少ないものだと考えられます。
しかし、今回の事件で問題となったノロウイルスは、乾燥に非常に強く、気温にもよりますが、1ヶ月以上にわたって生き残ることができます。ノロウイルスのようなウイルスは、正確に言うと生きているわけではないので、水や栄養成分は必要ありません。むしろ、ウイルスを分解するような細菌が少ない乾物は、今から考えてみると、非常に快適な環境だと思います。
そのため、乾物を取り扱っているような会社は加熱工程が入る食品の会社よりも、なお一層ノロウイルス対策は肝心となります。
対策が十分でない会社は、今回を機に、体調管理や手洗いの徹底、社員教育等、徹底的に見直していきましょう。

食品・環境衛生営業部 K・K

ノロの診断には注意

最近は、あまりノロウイルスは流行していないのですが、ノロウイルス関連の食中毒ニュースはたびたび聞きます。全国の定点観測における感染者の人数をみると、日本全国で15838人。これを多いとみるか、少ないとみるかは意見が分かれると思いますが、局所的には大きな被害をもたらしています。

さて、ノロウイルス関連の情報ばかり流していますが、関連として検査方法の違いと注意を話していきます。ノロウイルス検査には一般的に簡易法と精密検査の2種類が知られていますが、違いは感度の違いです。簡易法はエライザ法やイムノクロマト法が知られていますが、感度が低く、症状が出ていてウイルス量が多い人以外では陽性なのに陰性、あるいは陰性なのに陽性になってしまう可能性があります。病院ではこの方法が採用されることが多いので、例え診断で陰性だったとしても注意が必要です。一方で、精密検査(あるいは高感度検査)と呼ばれるものは、弊社で採用されているリアルタイムRT-PCR法等、様々知られており、厚生労働省のマニュアルでは弊社の方法が紹介されています。こちらは非常に正確で、ほぼ確実な診断が可能です。

一番のノロウイルス対策は体調管理と手洗いをしっかりとすることですが、食品関連業者で働く方々は体調が不安な時、ノロウイルスの検便(できれば精密検査)を実施して、安全かどうか確認することが重要です。

食品・環境衛生営業部 K.K

ノロウイルス情報(続報)

ノロウイルスの追加情報です。
昨年の第50週で最大感染者数を記録して以降、全国的に減少傾向にあります。

全国の定点観測の結果について順番に見ていきますと
2016年第51週:患者数54503人 流行警報:13都県(まだ流行しています)
2016年第52週:患者数29897人 流行警報:2県(福井県と大分県のみ)
2017年第1週:患者数16671人 流行警報:0県

今となっては、インフルエンザの方が各地で流行している状況です。
(全国平均10.58人で、過去10年で2番目に流行っています)

ただ、各地の福祉施設、保育所、ホテルなど、まだまだ流行中です。
全国的にはやっていないから、気を付けなくても大丈夫、
ということはないので、冬が終わって暖かくなるまで油断せず、
ノロウイルス対策を進めていきましょう。

食品・環境衛生営業部 K.K

新年~ノロウイルスに注意~

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年もご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

インフルエンザウイルスにノロウイルスと、感染症等が流行していますが、皆様は大丈夫でしょうか(ちなみに、身内がインフルにかかりました・・・)

さて、昨年末から今年にかけて、いまだにノロウイルスが猛威を振るっております。昨年末、某大学では今年度の県内最多の200名を超える患者を出す被害をもたらし、直近の国立感染症研究所の定点観測結果においては、全国的に増加傾向にあります。直近のデータ(第50週:12月12日~12月18日)では全国平均20.89人となり、過去最悪の2006年の流行以来、初めて20人を超えております。弊社がある群馬県では幸いにも流行警報の基準となる20人は超えず、同時期に18.86人でした。しかし、高い水準にあることは変わらず、桐生等、地域によっては20人を超えています。

第51週のデータは1月10日の更新となっており、患者数が増え続けるのか、それとも2006年のデータのように減少するのか注目です。これからも対策に貢献できる情報発信やサービスを提供続けていければと、私は思いますので、弊社へどんどんご相談いただければ幸いです。

食品・環境衛生営業部 K.K

マル総(日本HACCP)の廃止案!?

先月20日に厚生労働省で開催された「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」で「取りまとめ骨子案」が公表されました。恐らく、この骨子案がベースとなって、今後、「HACCP義務化」は推進されていくものと思われます。
その内容は、食品関連事業者の衛生管理体制において、大きな岐路になるであろうと感じました。
気になるその内容ですが、「総合衛生管理製造過程承認制度は、これまで HACCP の普及に一定の役割を果たしてきたが、すべての食品等事業者に HACCP の考え方に基づく衛生管理を義務づけることとする場合には、その役割を終えることから、廃止する」という「マル総」の廃止案です。また、「食品等事業者において、HACCP の導入には施設や設備の整備が必須である、輸出食品の問題である、重要管理点を必ず設けなければならない等の誤解が生じており、HACCP 普及の阻害要因となっていることから、正しい HACCP の知識を普及し、HACCP の考え方に基づく衛生管理の導入により、・・・」や「現行の関係法令等における HACCP に関する用語及び定義は、必ずしも一致しておらず、食品等事業者が HACCP を導入する際の混乱要因の一つと考えられる。・・・」は、現状での日本HACCPが政策的に失敗し、構造的な欠陥があることを国が認めたと言える文章です。
否を認めるような書き方ではありませんが、だから「国際標準化」なのかと改めて思いました。では、今まで大騒ぎしていた日本HACCPは、何だったのでしょう?
因みに、専門家たちからは日本とデンマークがHACCP失敗国とされている様です。