午年に思いを込める「駆け抜ける力」 2026年1月号
あけましておめでとうございます。2026年午年がスタートしました。
古来より「午」は力強く駆け抜け、困難を乗り越える象徴とされてきました。
皆さまにとっても、この一年は疾走する馬のように、課題を恐れず前進し、未来を切り拓く年となることを祈願いたします。
さて、馬と言えば食べる馬肉と連想しそうな私がいますが、午年にその発想は申し訳ない気持ちもありますので、少し反省し、やはり、競走馬、ばん馬、農耕馬辺りが身近に感じられる存在でしょうか。今年は競走馬のように一気に駆け抜ける年になるのか、ばん馬や農耕馬のように力強く実りをはぐくむ年になるのか、果たしてどちらになるでしょうか。いずれにしても、午年の思いにあやかりながら、「跳ねる、駆ける、達成する」をキーワードに、目標と達成に向けて進んでいきましょう。
『疾病だけに囚われない疾病のコントロール』
昨年もPRRS、PCV2型、PED、インフルエンザ、豚熱等々、疾病群の影響に悩まされた農場は少なくないと思います。そこに、暑さ、寒さ、寒暖差、乾燥、多湿と言った気候変化、設備面の老朽化、糞尿処理の課題、従業員確保の困難、種豚選択の課題等々、疾病以外の副要素も絡むことでその悩みは増加されます。
疾病群ではウイルス疾病だけではなく、ヘモフィルス、マイコプラズマ、グレーサー、レンサ球菌、パスツレラ、サルモネラ、ローソニア、クロストリジウム、病原性大腸菌、豚赤痢等の関与も目立ち、その混合感染や複合感染による症状悪化、成績低迷も聞かれていました。さらに、使用しているワクチンの効果も今までとは違う?抑えられていない?と言った声や、使用している薬剤(飼料添加、飲水、注射)についても、使用した効果が見られない、衛生費や手間だけが増えていくと言った声も聞かれました。
冒頭でも申し上げましたが、2026年午年は課題を恐れず前進し、未来を切り拓く年とならなくてはいけません。疾病を軽視してはいけませんが、疾病に囚われ過ぎない、疾病優先の落とし穴に陥らない経営が求められると思います。先月12月号でご紹介した『基礎管理の見直しと原点への帰還』はこのことにも役立つと思います。足し算ばかりの管理を少し整理(引き算)し、疑問の思う心と知恵を養いながら、基本の管理を、基本の生理を、見直す年にしていきましょう。
『熊、イノシシ、酷暑、寒波』
昨年の夏季は記録的猛暑となりました。高温多湿の影響をもろに受けた生産者は多いと思います。さらに、東北、関東ではツキノワグマ、北海道ではヒグマの被害が過去最多となった年でした。私がよく伺う東北の農場では、豚舎の被害だけでなく、従業員の生命にも関わる問題となっています。
全国では豚熱陽性のイノシシの増加も懸念されています。豚熱の発生がいまだ危ぶまれる中、農場近辺でのイノシシの存在は決して油断は出来ません。又、熊やイノシシでなくても、農場にとってはネズミ、カラス、タヌキ、ハクビシン、ハエ、蚊、ダニ、ノミも大敵です。これらは、疾病の運び屋、伝染病の運び屋となるだけでなく、畜舎の老朽化促進、無駄な衛生費の上昇、火災の危険度上昇にもなる厄介な存在です。
2026年午年がスタートしました。皆さまの健康と健勝をご祈願いたします。農場毎に掲げた課題の解決、決めた目標のゴールまで、「駆け抜ける力」をキーワードに、邁進してください。
(株)食環境衛生研究所 菊池雄一