滋賀県の弁当でウエルシュ菌による食中毒が発生 18人が腹痛や下痢を発症
滋賀県で発生した食中毒の概要
滋賀県は2026年10月27日、県内の飲食店が提供した弁当によるウエルシュ菌食中毒が発生したと発表しました。
10月22日に提供された弁当を食べた1グループ21人のうち18人が、同日21時30分頃から翌23日4時頃までに腹痛や下痢などを発症しました。入院者は0人で、発表時点で全員が快復に向かっています。
複数の患者の便からウエルシュ菌が検出されたことなどから、保健所は同店を原因施設とする食中毒と断定し、10月27日~28日の2日間の営業停止処分としました。
原因となった具体的な食品は調査中です。今回の発表から、特定の料理や温度管理の不備が直接の原因だったと断定することはできません。
ウエルシュ菌とは?
ウエルシュ菌は、ヒトや動物の腸管、土壌などに広く分布し、酸素の少ない環境を好む細菌です。一般的な食中毒では腹痛や下痢などがみられます。
特徴の一つが、熱に強い「芽胞」をつくることです。芽胞は菌が厳しい環境に耐えるための形で、通常の加熱調理でも生き残る場合があります。加熱後の食品も、保存中に菌を増やさない管理が重要です。
以下はウエルシュ菌食中毒を防ぐための一般的な注意点であり、今回の施設での調理・保管状況を示すものではありません。
ウエルシュ菌による食中毒を防ぐには
加熱した食品を室温で長時間放置せず、調理後はできるだけ早く提供することが基本です。保管する場合は、速やかに冷却して低温で保存するか、適切な温度で保温し、菌が増える時間を短くします。
厚生労働省掲載の衛生管理資料では、調理後速やかに10℃以下に冷却するか、65℃以上を保つ温度管理が示されています。
大量に調理した料理は、大きな鍋のままでは中心部が冷えにくいため、清潔な浅い容器に小分けするなど、速やかに冷却できる方法を取りましょう。冷蔵設備の容量や調理量を考慮し、冷却・保管時の温度と時間を確認・記録することも大切です。
食品微生物検査による衛生管理
食中毒予防では、日々の温度管理や洗浄・消毒などの衛生管理に加え、食品や製造環境の状態を検査で確認することも役立ちます。検査結果を工程の見直しや衛生管理の検証に活用することが重要です。
食環境衛生研究所では、食品の一般生菌数や大腸菌群数などの微生物検査を実施しています。対象食品や確認したい目的に応じて検査項目を選び、適切な衛生管理につなげましょう。
参考・出典
滋賀県「食中毒事件速報(令和8年度第6号)」(2026年10月27日)
厚生労働省掲載「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」資料(分類別工程管理編・冷却時の製品温度)
食品の微生物検査をご検討の方へ
食環境衛生研究所では、食品の衛生管理や品質管理に役立つ各種微生物検査を実施しています。
食品の安全性確認や品質管理に関する検査をご検討の方は、お気軽にご相談ください。