厚生労働省、夏期の食中毒発生施設への監視指導結果を公表|衛生管理の不備などを確認
厚生労働省は、2026年7月1日から8月31日まで実施した「食品、添加物等の夏期一斉取締り」の期間中に発生した、細菌性食中毒の原因施設に対する監視指導結果を公表しました。
9月24日時点で44件が報告されており、食中毒が発生した施設では、加熱不足や温度管理、調理器具の洗浄・消毒、手洗い、衛生管理計画や記録など、さまざまな項目について不備や改善点が確認されています。
厚生労働省では、夏期に多発する食中毒の発生防止と食品衛生の向上を目的として、毎年、都道府県などを通じて食品関係施設への監視指導を強化しています。
夏期一斉取締りを7月から8月に実施
2026年度の「食品、添加物等の夏期一斉取締り」は、7月1日から8月31日まで実施されました。
厚生労働省は、特に夏期に多発する食中毒の発生防止を図るとともに、食品衛生の向上を図ることを目的として、都道府県、保健所設置市、特別区に対して監視指導の実施を求めています。
重点的な監視指導の対象には、生食用または加熱不十分な食肉を提供する施設や鶏肉を飲食店へ販売する施設などが含まれています。
44件の食中毒発生施設について監視指導結果を公表
厚生労働省が9月24日時点で公表している資料では、細菌性食中毒が発生した施設について44件が報告されています。
報告には、原因施設や原因食品、病因物質、患者数のほか、衛生管理計画や記録の状況、食中毒の原因として推定される事項や施設の不備、それに対して行われた指導・改善対策などが掲載されています。
食中毒の原因物質としては、カンピロバクター、サルモネラ属菌、ウエルシュ菌、黄色ブドウ球菌などによる事例が報告されています。
加熱不足や二次汚染、温度管理などに不備
公表された事例を見ると、食品の加熱や保管だけでなく、調理器具や手洗い設備、衛生管理の記録など、日常的な衛生管理に関するさまざまな不備が確認されています。
具体的には、
・加熱用食肉を加熱不十分な状態で提供
・調理器具の洗浄・消毒不足による二次汚染
・食材や調理済み食品の温度管理が不十分
・手洗い設備や手洗い方法の不備
・施設や設備の清掃不足
・衛生管理計画が作成されていない
・衛生管理の実施記録が残されていない
といった事例が報告されています。
また、衛生管理計画が作成されていても、記録や振り返りが十分に行われていない事例も確認されています。
食中毒予防には日々の衛生管理が重要
食中毒を防ぐためには、食品を十分に加熱するだけでなく、原材料の保管から調理、提供までの各工程で適切な衛生管理を行うことが重要です。
厚生労働省では、食品等事業者や集団給食施設に対して、施設・設備の衛生管理、食品の衛生的な取扱い、従事者への衛生教育などに関するガイドラインや情報を提供しています。
特に、衛生管理計画を作成するだけで終わらせず、計画に沿って衛生管理を実施し、その内容を記録したうえで定期的に振り返り、必要に応じて改善することが大切です。
今回公表された監視指導結果は、日頃の衛生管理を改めて確認するための参考資料としても活用できます。
食品の衛生管理・微生物検査について
食中毒の発生を防ぐためには、日頃の衛生管理に加え、食品や製造環境の衛生状態を定期的に確認することも重要です。
食環境衛生研究所では、食品の微生物検査をはじめ、製造ラインや厨房・調理器具などの細菌拭き取り検査など、食品事業者の衛生管理をサポートする各種検査を実施しています。
食品の微生物汚染や製造環境の衛生状態について確認をご検討の方は、下記をご覧ください。
参考・出典
厚生労働省
「食中毒」
厚生労働省
「食中毒報告(夏期一斉取締り)」
※2026年9月24日時点、報告44件
厚生労働省
「令和8年度食品、添加物等の夏期一斉取締りの実施について」
※本記事は2026年9月29日時点で公表されている厚生労働省の情報をもとに作成しています。