白菜の黒い点はゴマ症なら食べても問題ない
白菜の白い部分にゴマのような黒い点があっても、それが「ゴマ症」であれば食べても問題ありません。黒い点を取り除く必要もなく、普段どおり洗って調理できます。
ゴマ症の黒い点は、白菜にもともと含まれる成分が変化してできたものです。カビや細菌が増えたものではないため、食べても問題ないと言えます。

白菜は、育つときの気温や肥料などの影響を受けると、「ポリフェノール」という成分が一部にたまり、黒い点として現れることがあります。
ポリフェノールは、お茶や果物、野菜などにも含まれる植物由来の成分です。つまり、ゴマ症は菌が増えて白菜が傷んだ状態とは異なり、白菜自身に起きた変色であり、農林水産省もゴマ症はカビや病気ではなく、食べても害がないと説明しています。
ただし、白菜にできた黒い点がすべてゴマ症とは限りません。「カビのようなものが付いている」「葉がぬめる・柔らかく崩れる」「嫌なにおいがする」といった場合は、カビや腐敗が疑われるため、食べないようにしましょう。
白菜に黒い点ができる原因
白菜の黒い点(ゴマ症)は、栽培中の環境や収穫後の保存が関係して発生します。
白菜に黒い点ができる主な要因は次のとおりです。
- 気温の変化
- 肥料の量
- 栽培・収穫時の条件
- 収穫後の保存
なお、これらの条件が複数重なる場合もあります。また、黒い点が多いからといって、古い白菜や傷んだ白菜とは限りません。
気温の変化や肥料の量が黒い点の発生に関係する
白菜は、暑すぎたり寒すぎたりする気温や、肥料の与えすぎなどの影響で、ゴマ症が発生することがあります。
白菜は、土から吸収した養分を使って成長します。例えば、肥料に含まれる「窒素」は、葉を育てるために欠かせない成分です。
窒素肥料が多すぎたり、日照が不足したりすると、吸収した窒素を白菜が十分に利用できず、黒い点の発生につながることがあると考えられています。また、激しい雨や収穫時期なども、ゴマ症の発生に関係するとされています。
なお、同じような栽培環境でも、品種によってゴマ症の発生しやすさは異なります。そのため、黒い点の多さだけから肥料の与え方や栽培状況を決めつけることはできません。
収穫後の保存中にも黒い点が増える場合がある
白菜の黒い点は、収穫後の保存中にも増えることがあります。これは、収穫したあとも白菜の中で成分や組織の変化が続くためです。
実際にフロリダ大学の資料でも、収穫時には黒い点が少なかった白菜が、低温で保存している間にゴマ症が進行した事例が紹介されています。つまり、買ったときには黒い点がなかったのに、冷蔵庫で保存しているうちに増えることもあるのです。
ただし、黒い点が増えるからといって、冷蔵保存をやめる必要はありません。白菜の鮮度を保つためには適切な低温で保存することが大切であり、黒点の数だけでなく、ぬめりや異臭などの傷みのサインも確認しましょう。
白菜の黒い点とカビ・腐敗の見分け方
前述の通り、ゴマ症による黒い点であれば、白菜は食べても問題ありません。
ただし、白菜の黒い点がすべてゴマ症とは限らず、カビや腐敗による変色の可能性もあります。カビが生えていたり、腐っていたりする白菜は食べずに廃棄してください。
ゴマ症とカビ・腐敗を見分けるには、黒い点の形だけでなく、周囲の葉の状態も確認することが大切です。主な違いを次の表にまとめました。
黒い点の形状や発生場所を確認する
ゴマ症は、白菜の白くて厚い部分に、ゴマ粒のような小さな黒い点が散らばるのが特徴です。黒い部分は白菜自体が変色したもので、表面に何かが付着しているわけではありません。
一方、カビの場合は、白色・灰色・緑色などのふわふわしたものや、粉のようなものが表面に現れることがあります。黒っぽいカビもあるため、黒い点だから必ずゴマ症とは判断できません。
また、黒い部分が広く変色している場合も、典型的なゴマ症とは異なります。
特に、葉先や葉の縁が広い範囲で黒ずんでいる場合は、白い軸に小さな点が散らばる典型的なゴマ症とは見た目が異なります。黒点の位置だけで腐敗と断定はできませんが、ほかに変色や傷みがないか確かめ、判断に迷う場合は食べないようにしましょう。
カビが生えている場合は、その部分だけを切り取ったり、加熱したりして食べるのは避けましょう。
カビは目に見えない部分にも広がることがあり、中には熱に強い「カビ毒」を作る種類もあります。家庭ではカビ毒の有無を見た目で判断できないため、カビが生えた白菜は食べずに廃棄するようにしてください。
黒い点の周囲が柔らかい・ぬめる・異臭がある場合は食べない
黒い点の周囲が水っぽく変色していたり、葉が柔らかく崩れたり、ぬめりや嫌なにおいがあったりする場合は、白菜が腐っている可能性があります。このような状態の白菜は食べないでください。
こうした変化が起きるのは、細菌などが増えることで白菜の組織が壊れていくためです。例えば、細菌による「軟腐病」では、葉が水っぽくなって柔らかく崩れ、強い腐敗臭が出ることがあります。

たとえ黒い点がゴマ症であっても、同じ白菜の別の部分が腐っている可能性はあります。そのため、黒い点だけを見るのではなく、白菜全体の状態を確認することが大切です。
なお、異臭やぬめりがないからといって、必ず安全とは限りません。ゴマ症かどうか判断できず、不安が残る場合は無理に食べないようにしましょう。
黒い点がたくさんある白菜も食べられますか?
黒い点が多くても、それがゴマ症によるものであれば、点の数だけを理由に食べられなくなるわけではありません。フロリダ大学の資料でも、ゴマ症は見た目や商品価値には影響するものの、食べても問題ない生理障害として説明されています。
ただし「点が多いからゴマ症」「少ないからカビ」とは判断できません。黒点の周りにぬめりや水っぽい変色がないかなど、白菜全体の状態を確認してください。
黒い点は洗ったり切り取ったりする必要がありますか?
ゴマ症による黒い点は汚れやカビではないため、無理に取り除く必要はありません。白菜そのものは、黒点の有無にかかわらず通常どおり流水で洗って調理しましょう。
ゴマ症は白菜の組織に生じた変化なので、洗っても黒点が消えるとは限りません。見た目が気になる場合にその部分を切り落とすのは構いませんが、安全のために切り取る必要はありません。
黒い点がある白菜は味や栄養価が変わりますか?
ゴマ症の黒い点があっても、白菜の味や風味はほとんど変わりません。栄養価については、黒点があることだけで高い・低いとは判断できません。
ゴマ症は、白菜にもともと含まれるポリフェノールが一部にたまり、黒く見える現象です。黒い点があるからといって苦くなったり、点が多いほど栄養豊富になったりするわけではありません。ほかに傷みがなければ、普段どおり料理に使えます。
まとめ
白菜にできるゴマのような黒い点は、「ゴマ症」によるものであれば食べても問題ありません。ゴマ症は、白菜に含まれるポリフェノールが関係する生理的な変化であり、カビや細菌によって発生するものではありません。
ゴマ症は、栽培中の気温や肥料の量、収穫後の保存状態などが関係して発生します。冷蔵庫で保存している間に黒い点が増えることもありますが、黒点が多いからといって白菜が腐っているわけではありません。
ただし、白菜の黒い点がすべてゴマ症とは限らないため、食べる前には黒点の周囲や葉全体の状態を確認しましょう。カビが生えている、ぬめりや異臭がある、葉が柔らかく崩れているといった場合は、腐敗の可能性があるため食べずに廃棄してください。
ゴマ症の特徴に当てはまり、ほかに傷みが見られなければ、黒い点を取り除かずに普段どおり調理できます。判断に迷う場合は、無理に食べないことが大切です。