カフェインを取りすぎた場合の主な症状と体への影響
カフェインを取りすぎると、脳や神経への刺激によって眠れなくなったり、落ち着かなくなったりするほか、心拍数の増加や胃腸の不調が現れることがあります。
カフェインはコーヒー豆や茶葉などに含まれる成分で、眠気を感じさせる物質「アデノシン」の働きを妨げることで、目が覚めたように感じる作用をもたらします。適量なら眠気覚ましに役立つ一方、刺激が強くなると不快な症状につながります。
カフェインの撮りすぎによる代表的な症状と、起こり方の特徴は次のとおりです。
ただし、表で紹介した症状が現れたからといって、原因が必ずカフェインとは限りません。動悸や頭痛、吐き気などは、ほかの病気や体調不良によっても起こることがあります。
症状が強い場合や長引く場合は、カフェインの取りすぎが原因だと自己判断せず、医療機関に相談することが大切です。
短時間に大量摂取すると急性カフェイン中毒を起こす危険性もある
カフェインを短時間に大量摂取すると、急性カフェイン中毒を起こすことがあります。
強い興奮、繰り返す嘔吐、著しい動悸などに加え、重症例では不整脈、けいれん、意識障害などが生じる場合があります。特に、濃縮されたカフェイン製品や眠気防止薬と、エナジードリンクなどを重ねて摂取すると危険です。
急性カフェイン中毒は、1日の摂取目安である400mgを超えたかどうかだけで診断できません。
摂取した量、短時間に飲んだかどうか、医薬品との併用、体重や健康状態、現れている症状を総合して判断する必要があります。反対に、400mgに達していなくても強い不調があれば急性カフェイン中毒のおそれもあります。
短時間にカフェインを取りすぎたときの対処法
まずカフェインを含む飲食物や眠気防止薬の追加摂取をやめ、無理な運動を避けてください。
製品名、飲んだ量、飲んだ時刻、服用した薬を確認して医療機関へ伝えられるようにします。水を大量に飲む、無理に吐くといった方法でカフェインを早く抜こうとしないでください。
また、日本中毒情報センターは、カフェインを過量摂取して症状がある場合、速やかな医療機関の受診を呼びかけています。意識がおかしい、けいれんしている、呼吸が苦しい、強い胸痛がある場合などは119番で救急車を呼んでください。
カフェインはどのくらいから取りすぎになる?
カフェインを「何mgから取りすぎ」と一律に断言することはできません。カフェインを体内で分解する速さや、刺激に対する敏感さには個人差があり、同じ量を飲んでも不眠や動悸などの症状が出る人と、ほとんど影響を感じない人がいるためです。
実際に、日本ではカフェインの摂取量について、全国民に共通する一律の上限値は設定されていません。一方、EFSAは、健康な成人(妊娠中を除く)について、1日400mgまで、1回200mgまでの摂取であれば、通常、健康への悪影響は懸念されないと評価しています。
そのため、カフェインをどのくらい摂取すると取りすぎになるのか判断する際には、1日400mg・1回200mgという数値が参考になります。
ただし、これらは誰にとっても安全な量を保証するものではありません。目安を下回っていても不眠や動悸などが現れる場合があるため、摂取量だけでなく、自分の体調への影響にも注意することが大切です。
短時間にカフェインをまとめて摂取する場合は1回の量にも注意
1日の合計量が同じでも、短時間に一度に飲む場合と、時間を分けて飲む場合では体への負担のかかり方が変わります。EFSAは健康な成人について、1回200mgまでの摂取は通常、安全上の懸念がないと評価しています。
例えば、カフェイン100mgを含む飲料を4本飲む場合、1日を通して間隔を空けて飲むのと、短時間に4本まとめて飲むのは同じではありません。
合計はいずれも400mgですが、後者では短時間に体へ入る量が多くなります。「今日は400mg以下だから大丈夫」と考えず、1回の量と飲む速さも確認しましょう。
カフェインを取りすぎないための食品・飲料の摂取目安
自分がカフェインを取りすぎていないか確かめるには、コーヒーの杯数だけでなく、実際に飲んだ量をmgに換算してみるのもよいでしょう。食品によって濃度が異なるうえ、同じ飲み物でもカップやペットボトルの容量によって摂取量が変わるためです。
農林水産省が食品成分表をもとに掲載している代表的なカフェイン量をまとめましたので参考にしてみてください。
表の数値をもとに計算すると、コーヒー1杯(200mL)には約120mg、せん茶500mLには約100mgのカフェインが含まれています。
健康な成人の摂取目安である1日400mgと比較すると、単純計算でコーヒーを1日に700mL飲むと摂取目安を超えます。また、ほかのお茶やエナジードリンクなども飲む場合は、それらのカフェイン量も踏まえ考える必要があります。
1日のカフェイン量目安を守るためのメニュー例
具体的には、朝のコーヒー、昼のお茶、午後の紅茶を合わせて考えると分かりやすくなります。ここからは、1日のカフェイン量目安を守るためのメニュー例を紹介していきます。
なお、体調や飲む時間によって適量は異なるため、「カフェインは400mgまでなら飲んでよい」というわけではありませんのでご注意ください。
例①では合計210mg、例②では合計440mgとなります。
例②のように、コーヒーやお茶だけでも摂取量が増え、さらにカフェイン100mgの飲料を加えると成人の1日400mgという評価値を超えることがあります。また、合計量が目安以下でも、不眠や動悸などが出る場合には減らす必要があります。
カフェインの取りすぎを防ぐ方法
カフェインの取りすぎを防ぐには、コーヒーだけを減らすのではなく、飲み物・食品・医薬品を含めた総摂取量と飲む時間を見直すことが大切です。普段の習慣を少し調整するだけでも、知らないうちにカフェインが重なるのを防ぎやすくなります。
摂取する飲み物・食品・医薬品にカフェインが含まれているかを確認する
カフェインはコーヒーやエナジードリンクだけでなく、紅茶、緑茶、ほうじ茶、玄米茶、ウーロン茶、玉露、コーラの一部、チョコレートやココアなどにも含まれています。特に、ほうじ茶や玄米茶を「カフェインを含まないお茶」だと思って飲んでいる場合は注意が必要です。
普段摂取しやすい飲み物でカフェインが含まれているものをまとめましたので参考にしてみてください。
なお、眠気防止薬、総合感冒薬、鎮痛薬などにもカフェインを含むものがあります。
医薬品を服用しているときにエナジードリンクを追加すると、食品だけを数えていた場合より摂取量が多くなるおそれがあります。
薬の成分表示では「無水カフェイン」などの名称にも注意し、添付文書の用法・用量を守ってください。服薬中で飲み合わせが気になる場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
カフェインを飲む量と時間帯を見直す
コーヒーを一度に何杯も飲む習慣がある人は、まず1回の量を見直しましょう。
例えば、同じコーヒーでも200mLから100mLへ減らせば、同じ濃度なら1回のカフェイン摂取量は半分になります。大きなボトルを飲み切る習慣がある場合は、小さい容器を選ぶ方法もあります。
寝つきが悪い人は、夕方以降のコーヒーやお茶だけでなく、午後に摂取した量にも目を向けてください。
カフェインは摂取してすぐにすべて分解されるわけではなく、影響が夜まで続くことがあります。何時までなら大丈夫かは個人差があるため、睡眠に影響する場合は飲む時間を前倒しするか、午後はカフェインの少ない飲料に替えることを検討しましょう。
また、毎日多量に飲んでいる人は、突然ゼロにすると頭痛や眠気などの離脱症状が起こる場合があります。急に断つより、体調を見ながら少しずつ量を減らす方法が現実的です。
必要に応じてデカフェ・カフェインレス飲料を選ぶ
コーヒーやお茶を飲む習慣を維持したい場合には、デカフェやカフェインレスの製品に置き換えるのも一つの方法です。飲む回数を大きく変えずにカフェイン摂取量を減らせるため、普段の嗜好を保ちながら調整できます。
ただし、デカフェやカフェインレスの飲料は、カフェインを完全に取り除いているとは限らず、少量含まれている場合があります。「デカフェ・カフェインレスに切り替えたからカフェインを完全に摂っていない」と考えないように注意ください。
カフェインの影響は何時間続きますか?
カフェインの覚醒作用が何時間続くかは、摂取量、飲んだ時間、体質などによって異なります。飲んでから比較的短い時間で吸収される一方、体内で分解されるにはさらに時間がかかるため、午後に飲んだカフェインが夜の睡眠に影響することもあります。
ここでいう「影響が続く時間」と「体内に残っている時間」は同じではありません。眠気覚ましの実感がなくなっても、体内にカフェインが残っていることがあります。寝つきへの影響が気になる場合は、「飲んだ後に眠くならなかったか」だけでなく、就寝時間と飲用時刻の関係を見直しましょう。
子どもはカフェインを摂っても大丈夫ですか?
子どもは成人と同じ基準でカフェインを摂取するべきではありません。体重が小さいため同じ量でも体重1kgあたりの摂取量が多くなりやすく、睡眠や落ち着きへの影響にも注意が必要です。特にカフェインを多く含むエナジードリンクや眠気防止薬を、子どもの眠気覚ましとして利用することは避けましょう。
お茶を少量飲んだだけで直ちに中毒になるという意味ではありませんが、日常の飲み物は水や麦茶などカフェインを含まないものを基本にすると、摂取量を管理しやすくなります。小さな子どもが高カフェイン飲料やカフェイン含有医薬品を誤飲した場合は、症状がなくても中毒110番や医療機関に相談してください。
カフェインは体にどれくらい残りますか?
健康な成人では、カフェインの血中濃度が半分になるまでの時間(半減期)は平均すると約5時間ですが、個人差があります。半減期が5時間の人が200mgを摂取したと仮定すると、単純な計算上、5時間後に約100mg、10時間後に約50mg相当が残るイメージです。
ただし、これは代謝を説明する模式的な例で、実際の血中濃度を直接測定した数字ではありません。
妊娠中、服薬状況、体質などによって分解速度は変わります。さらに、半減期を過ぎてもカフェインがゼロになるわけではありません。夜の睡眠に影響するかを考えるときは、飲用時刻から数時間が過ぎたかどうかだけで判断しないことが大切です。
まとめ
カフェインを取りすぎると、不眠、動悸、吐き気、手の震えなどが起こり、短時間の大量摂取では急性中毒の危険もあります。一方、「何mgから危険か」は一律ではなく、1日の合計量だけでなく1回の量や飲む時間、個人差を考える必要があります。
まずは普段飲むコーヒー・お茶・エナジードリンクを100mLあたりと1杯・1本あたりの量で確認し、医薬品中のカフェインも合算してみましょう。体調に異変がある場合は摂取を中止し、速やかに医療機関へ相談してください。