アスベスト レベルについて①|レベル1とレベル2について

石綿含有建材は石綿の飛散のしやすさによってレベル1から3までの3段階に分かれ、レベル1が最も危険なレベルになります。ここではレベル1とレベル2について記載し、レベル3の建材は多種多様になるので、次回ご紹介いたします。
 
食環境衛生研究所アスベストラボ
食環境衛生研究所のアスベスト分析ラボ
 

レベル1の石綿含有建材について

レベル1の石綿含有建材は施工方法や材料によって吹付け石綿、石綿含有ロックウール(乾式)、石綿含有ロックウール(半乾式)、石綿含有ロックウール(湿式)、石綿含有吹付けひる石(バーミキュライト)、石綿含有吹付けパーライトの6種類に分類されます。石綿含有吹付けロックウールの場合は乾式、半乾式(半湿式)、湿式の三つの工法で施工されます。
レベル1の石綿含有建材の使用目的には耐火や断熱・結露防止、吸音があります。石綿含有パーライトは耐火構造認定を取得した経緯がないので、耐火被覆が必要な部位には使用されていません。
 

レベル2の石綿含有建材について

レベル2の石綿含有建材には耐火被覆板(耐火被覆板、けい酸カルシウム板第2種)と保温材(けいそう土保温材、パーライト保温材、石綿含有けい酸カルシウム保温材)、断熱材(煙突用石綿断熱材、屋根用折板裏石綿断熱材)があります。
石綿を含有している耐火被覆材には耐火被覆板とけい酸カルシウム板第2種の2種類があり、鉄骨造の建築物の梁、柱など耐火被覆用の板材であり、耐火性能を有し、仕上げ(化粧用)としても多用されました。
耐火被覆板は1963(昭和38)年ころから使用され、工場にてアモサイトなどの石綿を基材としてセメントと水と混ぜ合わせて成形し、一定サイズの耐火被覆板が製造されました。現場で寸法に合わせて切断し、鉄骨造の建築物の梁、柱などに耐火被覆材として張り付けられました。
けい酸カルシウム板には第1種と第2種があり、第1種はレベル3建材で、厚さは6・8・12mmなどと薄いため、けい酸カルシウム板第2種と見分けることができます。また、かさ比重と使用用途にも違いがあります。けい酸カルシウム板第2種は1965年ごろから2004年ごろまで耐火被覆材として使用されました。
 
石綿を含有している保温材は、けいそう土保温材やパーライト保温材、石綿含有けい酸カルシウム保温材などがあります。けいそう土保温材は鋼管やタンクなどの周囲に塗る塗り材であり、塗り込むための繋ぎ材として石綿が添加されました。
けい酸カルシウム系保温材は平板、円筒形などの形状で、各々の被保温箇所に被せ用いられました。
 
石綿を含有している断熱材は煙突用石綿断熱材と屋根用折板裏石綿断熱材があります。ボイラー燃焼時に発生する亜硫酸ガスや排熱からのコンクリートや鋼管などの保護や断熱を目的として、煙突用石綿断熱材が使用されていました。
1958年頃より、工場、倉庫、体育館などの屋根・壁に金属製の折板が使用されましたが、金属製折板は熱が伝わりやすく、結露が発生しやすいため、断熱材を張り付け、断熱性を向上させました。
 
不燃性や耐熱性、経済性などの様々な利便性により過去に使用された石綿ですが、石綿が飛散して吸入してしますと人体に有害であり、適切な対処が必要になります。
 
弊社では石綿の有無についてJIS A 1481-1に準拠して分析を行っています。
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石綿(アスベスト)検査
 
参考文献:建築物石綿含有建材調査者講習テキスト 建設業労働災害防止協会
厚生労働省:アスベスト(石綿)に関するQ&A >>
 

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