労働安全管理及び事故発生時の対応

B.経営資源の管理

14.労働安全管理及び事故発生時の対応
番号レベル管理点適合基準取組例・備考
(①や②の数字は適合基準に対応した番号)
参考帳票リンク
14.1必須作業者の
労働安全
(1)圃場、作業道、倉庫・農産物取扱い施設及びその敷地等における危険な場所、
危険な作業に関するリスク評価を年1回以上実施し、事故やけがを防止する対策を文書化している。
リスク評価とその対策は、自分の農場及び同業者で発生した事故やけがの情報や
自分の農場で発生したヒヤリハットの情報を参考にしている。
危険な作業として下記を必ず評価の対象としている。
1) 乗用型機械の積み降ろし及び傾斜地や段差での使用
2) コンバインの使用
3) 草刈機(刈払い機)の斜面・法面での使用
4) 耕耘機の使用
(2)上記(1)で立てた事故やけがを防止する対策を周知し実施している。
(3)圃場、倉庫、農産物取扱い施設及び作業内容に変更があった場合には、リスク評価とその対策を見直している。
(1)事故やけがは、転落、つまずき、挟まれ、巻き込まれ、切断、ぶつかり、
引っかけ、ヤケド、中毒、酸欠、熱中症、蜂・蛇等の被害がある。
対策には、例えば下記がある。
1)積み降ろしの角度が緩やかになるようにする。 傾斜や段差を十分に把握して作業する。移動時等の左右ブレーキの連結。
2)バック時には必ず振り返って後方確認、いきなり深く耕さない。
3)斜面・法面での十分な足場の確保
4)安定した設置、天板に乗らない、開脚防止チェーンをかける、昇降時にものを持たない。
14.2重要危険な作業に
従事する作業者
管理点14.1で明確にした危険な作業を実施する作業者は下記の条件を満たしている。
(1)安全のための充分な教育・訓練を受けた者である(管理点11.7参照)。
(2)法令で要求されている場合には、労働安全に関しての公的な資格もしくは講習を修了している者、
またはその者の監督下で作業を実施している(管理点11.8参照)。
(3)酒気帯び者、作業に支障のある薬剤の服用者、病人、妊婦、年少者、必要な資格を取得していない者ではない。
(4)高齢者の加齢に伴う心身機能の変化をふまえた作業分担の配慮をしている。
(5)安全を確保するための適切な服装・装備を着用している。
(5)例えば、高所作業の際のヘルメット、草刈り機を使用する際のフェイスガード着用等がある。
14.3重要労働事故発生時の
対応手順
例えば、労働事故発生時の対応手順や連絡網を作業室、休憩室、ハウスの入り口に掲示している。
14.4重要事故への
備え
労働事故発生に備えて、清潔な水及び救急箱がすぐに使えるようになっている。
救急箱の中身は管理点14.1で評価したリスクへの対応に必要なものを用意している。
救急箱の中身は、例えば、包帯、消毒液、絆創膏、虫刺され用薬品がある。
14.5必須労働災害に
関する備え
(強制加入)
法令において労働災害の補償に関する保険が存在し、
農場がその保険の強制加入の条件に相当する場合にはその保険に加入している。
労働災害の補償に関する保険については、ILOの「業務災害給付条約(第121号)」が参考となる。
日本の場合、「労働者災害補償保険法」があり、農業において主たる条件は下記となっている。
・法人と常時雇用5人以上の労働者を使用する個人事業者は強制加入、常時雇用5人未満の労働者を使用する個人事業者の場合は任意加入
・外国人技能実習生は1人から適用またはそれに類するものに加入しなければならない。
14.6努力労働災害に
関する備え
(任意加入等)
(1)労働者が労働災害にあった場合の補償対策ができている(管理点14.5で保険に加入している場合を除く)。
(2)経営者や家族従事者が労働災害にあった場合の補償対策ができている。
その国の労災保険の任意加入制度や特別加入制度を利用する、または民間の傷害保険等に加入する。
日本の場合、「労働者災害補償保険法」があり、特定農作業従事者、
指定農業機械作業従事者は「労災保険特別加入団体」を通じて特別加入が可能である。
また、中小事業主は「労働保険事務組合」を通じて特別加入可能である。
なお、経営者が特別加入した場合や労働者の過半数が希望する場合には
常時雇用5人未満の個人事業者であっても管理点14.5の強制加入の対象となる。
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