人権・福祉と労務管理

B.経営資源の管理

12.人権・福祉と労務管理
番号 レベル 管理点 適合基準 取組例・備考
(①や②の数字は適合基準に対応した番号)
参考帳票 リンク
12.1 必須 労働力の
適切な確保
(1)労働者の名簿がある。名簿には少なくとも氏名・生年月日・性別・住所・雇い入れの年月日が記載されている。
個人情報は守秘義務を遵守して管理している。
(2)外国人労働者を採用する場合、在留許可があり就労可能であることを確認している。
(3)ILO条約またはより厳格な法令がある場合はその法令で定義されている「児童労働」を利用していない。
また、年少者の雇用は、法令に準拠している。
*同居の親族のみで運営されている場合(家族経営)、該当外となる。
その他の場合は、使用者(経営者)と作業者との間に使用従属性があるか、
労働の対価として賃金を支払っているかということを主なポイントとして労働者に相当するかを判断する。
季節的な短期雇用者も労働者となる。
*同居の親族のみで運営されている場合(家族経営)、該当外となる。
その他の場合は、使用者(経営者)と作業者との間に使用従属性があるか、
労働の対価として賃金を支払っているかということを主なポイントとして労働者に相当するかを判断する。
季節的な短期雇用者も労働者となる。
(1)日本の場合、労働基準法により労働者名簿に記載すべき事項は下記の通りである
・氏名 ・生年月日 ・履歴 ・性別 ・住所 ・従事する業務の種類(労働者数30人未満の事業所の場合は不要)
・雇入れの年月日 ・退職の年月日及びその理由(解雇に あってはその理由も含む)・死亡の年月日及びその理由
(2) 日本の場合、外国人技能実習生も1年目から労働者となる。
外国人労働者は、在留カード等により就労可能であることを確認してから労働者として採用する。
(3)ILOでは「就業の最低年齢に関する条約(第138号)」で最低年齢は義務教育終了年齢後原則15歳となっており、
ただし、軽労働については、一定の条件の下に13歳以上、 危険有害業務は18歳未満禁止となっている。
なお、開発途上国のための例外として就業最低年齢は当面14歳、軽労働は12歳以上となっている。
日本の場合、満15歳の3月31日までは児童となる。 また、年少者と は満18歳に満たない者を指す。
12.2 必須 強制労働の
禁止
下記のことが起きないように対策を実施している。
(1)人身売買、奴隷労働及び囚人労働を利用して労働力を確保すること。
(2)労働者に対して、暴行、脅迫、監禁その他精神または身体の自由を不当に拘束する手段によって、
労働者の意思に反した労働を強制すること。
(2) 例えば、下記の方法がある。
(1) 例えば、外国人労働者や障害者を雇用する場合には正規のルートを通じて採用する。
(2) 例えば、内部告発制度を整備する。
(1)(2)例えば、人権の尊重と適切な労務管理を実践することを経営者自身が
管理点2.2方針・目的で宣言し農場内に周知し、管理点2.4経営者による見直しで人権侵害がなかったかを
振り返る。
12.3 重要 使用者と労働者の
コミュニケーション
(1) 使用者と労働者との間で、年1回以上、労働条件、労働環境、
労働安全等について意見交換を実施し、実施内容を記録している。
(2) 使用者と労働組合または労働者の代表者との間で自由な団体交渉権が認められており、
締結した協約または協定がある場合にはそれに従っている。
*労働者がいない場合は該当外
*労働者がいない場合は該当外
(1)例えば、休憩の取り方、作業場の照明の明るさ、有給休 暇の取得、
労働者のメンタルヘルスへの配慮等について話し合っている。
(2)日本の場合、外国人技能実習生を農業に従事させる場合や農産物取扱い施設での労働などで、
8時間を超過する場合や、法定の休日(1週間に少なくとも1日、または4週間で4日以上の休日)が
適用できない事業所においては、労使協定(36協定)を締結し労働基準監督署へ届出ることで、
時間外労働・休日労働が可能となる。
農業(栽培・収穫まで)のみの場合は、労働基準法第41条により時間外労働・休日労働に関する規制について
適用除外のため36協定は必要ない(外国人技能実習生を除く)。
12.4 必須 差別の禁止 労働条件の決定は、対象となる業務を遂行する能力の有無やレベルだけを判断材料とし、
人種、民族、国籍、宗教、性別によって判断していない。
*労働者がいない場合は該当外
*労働者がいない場合は該当外
例えば、同じ条件の業務について外国人労働者と国内の労働者で賃金に差がない
同じ条件の業務について男女で賃金に差がない。
業務に関係のない医療検査(遺伝子検査等)は実施していない。
12.5 重要 労働条件の提示 (1)使用者は、労働者に対して、就労前に下記に示す労働条件を文書等で示している。
 1)従事する業務内容と就業する場所
 2)労働する期間、期間が限定される場合には雇用契約の更新に関する事項
 3)労働する時間、休憩時間、休日
 4)賃金とその支払方法及び支払い時期
 5) 退職に関する事項(雇用の解除に関する権利、解雇の条件等)
(2)外国人労働者の場合には、労働者が理解できる言語で労働条件を文書等で示している。
*労働者がいない場合は該当外
*労働者がいない場合は該当外
 1)ASIAGAP指導員であり指導員証を示せる。
または、ASIAGAP指導員からASIAGAPに関する指導を受けて学習し、その内容を説明できる。
 2)有資格者や行政機関の実施する研修や指導、または自己学習で知識を向上させる。
日本の場合、労務管理に関する資格として、社会保険労務士等がある。
12.6 重要 労働条件の遵守 (1)労働者の労働時間、休日、休憩は法令に従っている。
(2)労働者の賃金は、最低賃金の制度がある国では法令で定められた最低賃金を下回っていない。
最低賃金の制度がない国では、管理点12.5で示した賃金を下回っていない。
(3)深夜労働・時間外労働・休日労働の割増賃金については法令に従っている。
(4)労働者は、管理点12.5で定めた労働条件に従った一定期日に賃金を受け取っている。
(5)賃金から控除されるものは法に定められた手続きが取られており、不当または過剰なものではない。
*労働者がいない場合は該当外
*労働者がいない場合は該当外
(1)日本の場合、労働基準法において休憩時間を除いて1日8時間、1週間に40時間の労働時間、
また、毎週少なくとも1日の休日か4週間を通じて4日以上の休日を与えることが原則となっている。
休憩は6時間を超える場合には45分以上、8時間を超える場合には1時間以上を労働時間の途中に
与えることが原則となっている。
時間外労働や休日労働等の例外を適用する場合には36協定の範囲内とする必要がある。
(2)最低賃金の制度はILOの「最低賃金決定条約(第131)」をその国が批准しているかどうかが参考となる。
(3)日本の場合、労働基準法において割増賃金に関して下記のように規定されている。
 1)深夜労働(午後10時~午前5時)にかかる割増率は1.25倍以上
 2)時間外労働にかかる割増率は1.25倍以上(ただし60時間を超える時間外労働は、60時間を
超えた時間について1.5倍以上(中小企業は適用猶予))
 3)休日労働にかかる割増率は1.35倍以上
※2)と3)は農業(栽培・収穫まで)は適用除外、ただし、外国人技能実習生は適用
(5)賃金から正当に控除されるものには法令で認められている税金や 保険料等や労使で事前に
合意した借上げ社宅料等がある。
これらが「出勤簿」や「賃金台帳」で確認できることが望ましい。
12.7 重要 労働者用住居 労務管理上の必要から使用者が労働者に住居を提供する場合、
その住居は安全で、健康的な生活環境の整備が行われている。
例えば、倉庫の入口や農産物取扱い施設の入場口にルールを掲示する。
12.8 努力 家族経営協定 同居の親族のみの経営(家族経営)の場合、家族全員が働きやすい就業環境について、
家族間の十分な話し合いに基づき取り決めた協定がある。
例えば、役割分担、休日、休憩、給与等について取り決める。
12.9 努力 職場環境の整備 (1)作業者の生理的な要求を認識し、適切な職場環境となるように対策を講じている。
(2)圃場、倉庫、農産物取扱い施設における身体に負担のかかる作業を認識して対策を講じている。
(1)例えば、水分補給、暑さ・寒さ、照明、トイレ、洗面・シャワー等に配慮する。
(2)例えば、身体の特定部位の酷使、重量物の取扱い、高齢者や障害者へ負担のかかる作業について対策を取る。
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